穴にハマったアリスたち

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感想:映画「映画スター☆トゥインクルプリキュア 星のうたに想いをこめて」

2019年10月19日 | プリキュア映画シリーズ
■映画「映画スター☆トゥインクルプリキュア 星のうたに想いをこめて」

【謎生物】

冒頭。強烈な既視感があると思ったら「NS1」だった。
考えてみれば、「謎生物と出会って成長を見守る」展開は、正に坂上さんとふーちゃんのそれと同じ。
出会ったのがスタプリ組だったから、この話の流れになっただけで、もしユーマと会っていたのが坂上さんだったなら、沖縄が闇に沈んでいたのかもしれない。
もしくは、ふーちゃんと出会ったのが星奈さんだったら、スタプリVSスイートのガチ戦闘になってたんでしょうか。
「即、引き渡せ」と詰め寄ってきてたミューズさんとか、星奈さん視点で見たらハンターの皆様と変わりないもの。実にキラやばいですね。

その後の展開は「NS1」と随分と違いましたが、「スマイル」さんと「スタプリ」さんのテーマの違いのように思う。
「スマイル」当時は自身の成長(プリキュアになれるか)だったのが、現在は他者も含めた成長になっている。全人類プリキュア化の前の人間たる坂上さんには、ちょっと荷が重いな…。

【ノルマ】

冒頭の数分でやるべきことをやってしまうパワフルさに圧倒されました。
お約束の戦闘や必殺バンク。果てはコスモグミの販促まで。
ユーマの正体を知っていてストーリー上邪魔になるユニとAIを極めて合理的に排除し、話が拡散しないように香久矢さんらも除外。
手際の良さが恐ろしい。この数分だけで「めでたしめでたし」が流れても納得してしまいそうだ。

アン警部補も、ユニを遠ざけるとともに、ハンターを殺戮したことにしないための役回りですね。
ていうか普通に爆死したかと思った、ハンターさん方…。

【星奈さん】

予告でも頻繁に流れていた「各地の不思議スポットを回る」。
やや意外だったことに、圧倒的に自然系に偏ってた。人工物はモアイ・ストーンヘッジ・ナスカの地上絵ぐらい。
まぁ映画映えする人工物が他にあるかというとピラミッドとかしか思いつきませんが、「この子は本当に自然現象やUMAが好きなんだな」と何かしみじみ思った。
オーパーツとか疑似科学には興味を示さない感じだろうか。

あとハンターの戦闘シーン。
肝心要の変身アイテムを弾かれる大失態は、彼女のUMA好きが仇になったんだ。
ついつい警戒心が薄かったんだろうな。。

【vsハンター】

ある意味、この映画を象徴する一言。

ハンター:
 「プリキュア?知らんな」

伝説の戦士といったところで、所詮はド田舎のマイナー信仰。
ハンターさんも「世界征服を狙う何ちゃら」とかでもなく、単なる金目当てなのが非常に「らしい」です。
世界の命運を賭けてるわけではないけど、でも地球の命運はかかってるけど、星奈さんらはそれはあんまり気にしてない。
彼女らにかかれば「DX3」のブラックホール戦も、ただの局地戦になるのかもしれない。
世界は、広い。

【vsハンターその2】

強い。
それも個々の強みを封じたり逆手に取ったり正面から破る強さ。
伝説の戦士が、一介の犯罪者に後れを取る現実。しかもそんな敵が大量にいる。

スペシャルフォームを発動しても尚、圧勝モードにならないのがシビアです。
逆転手段がフォーム性能というより、「連携」や「相手の連携のなさ」なのは、それはそれでカタルシスですが。

【vsハンターその3】

フワやペンすらハンターの眼中になし。本編の戦いは何だったんだ…。
星座フォームの覚醒は、放置されたプリンセス様方の矜持を感じる。

【ユニさん】

冒頭のはしゃぎっぷりは何なんでしょうか。
明らかに銀幕出演に浮かれまくってます。カメラ意識しすぎ。

ハンター戦で星奈さんが即座にペン4本を投げ渡したのはファインプレー。
いつもなら戦闘中に貸し借りしているし、コスモパフュームだけを考えるなら1本あれば良かったはず(属性違いのような使い分けは今のところない)。
が、それでも4本渡したのは、直前に「変身ペンを弾かれる」失態をして、危機感を覚えたからかしら。反省と学習能力の高い女。
しかも「4本」。12本のペンを5人で配分するにしては明らかに多い。コスモは単独戦闘するだろうと想定していた(言い換えれば自分たちはチーム戦をするつもりだった)としたら、戦況の読みが鋭い。
そして結果的に、単独戦闘を任せられるはずのコスモが破れ、しかも自分らはチーム戦に持ち込めなかったので序盤は劣勢になったと。

不発に終わったこの策も最終局面では活きた。というか、ふたご座ユニ可愛い。

【香久矢さん・天宮さん】

本作の特徴「年長組には年長組の生活がある」を地でいかれていた。
いわゆる「あんた他に友達いないの?」問題の回避というか、この子ら、そんなに仲良しべったりじゃないんですよね。。

それ故にクライマックスの「ユーマに声を届けられるのは、ひかるとララだけ!」の呼びかけが真に迫っています。
ぶっちゃけ、ユーマに思い入れないですね、先輩二人は。一緒にいた時間がほとんどない。

同じくクライマックスの「どうして(ユーマはあらぶってるの)!?」も、なんとも説得力があります。
いや、お姉さま方の攻撃で大穴開いてるじゃないか…。それが原因では。

【スターカラーペンダント】

ユーマと遊ぶ星奈さんらはペンダントを首から下げてる。
いつものスタイルな気もするけど、途中から下げ始めていた(と思う)あたり、「念のため警戒」はしていたのかもしれない。
ユーマに対してなのか、ユーマ能力で転移した先で死にかけないためなのかは別として。
途中合流した天宮さんらが未装備で、対比がちょっと面白かった。

そして星奈さんのこの警戒心は、ハンター戦の初撃回避に極めて有効に機能しました。返す返すも、その後の変身までのラグが悔やまれる。

【お歌】

大画面で聞く「きーらーめーくー」は圧巻。これは「EDダンス」「ミラクルライト」に続く「発明」だと思うので、次回作にも継承して欲しい。

EDとして紹介されてていた「Twinkle Stars」が劇中ソングとは思わなかった。使い方が上手い。
確かにこのストーリーだと、EDダンスでは唐突感がある。(オールスターズメモリーズの時も「ミデンのあの空間で脱出前に(思い出つくりのために)踊ったんだな」とは分かるが、ストーリー的には不自然)
事前公開で謎だった「箱から出てくる」も、「幼年期の終わり」的意味だけでなく、オルゴールにかけてたのか。

あえて難癖をつけるなら、歌のシーンで変身を再起動したあたり。テーマ的には「変身を解く(自分を晒す)」方が自然には思える。
想いを伝える云々以前に、酸素の壁は厚かったか…。

お歌の捻じ込み方は、一時期のミュージカルシリーズを想起します。
狙ったのかたまたまなのか分からないけど、「DX」「NS」「ミュージカル」と歴代オールスターズのエッセンスを感じた映画だった。

【ララさん】

「ひかるみたいな人ばかりではない。もしも…」。
飲み込んだ言葉は重い。
最近はのほほんとしているように見えましたが、言葉に出さない警戒と不安はやっぱりあった。

警戒心を吐露することが、相手からの警戒を解くことにつながるのは何とも皮肉。
でも現実は確かにそうかもな。
何故怒っているのか。何故距離を置いているのか。何故反発するのか。
それらを伝えることが、相互理解の一歩なのかもしれない。

「スタートゥインクルプリキュア」のテーマは、

星と星は近くに見えるが、実際には天文学的に遠い。
あまりにも遠すぎて、想いやミラクルパワーでも届かない。
「星座」はあくまでイマジネーションの産物で、現実には存在していない。

から転じての、多様性を認めると必然的にぶつかる人と人との距離の壁の問題だと思ってる。

「HUG」で扱った「私が生きてきた15年を舐めるな」「こんなことで心折られるなんて、私の成りたい私じゃない」という逆ギレにも似た覚悟も、第三者からすれば「何ひとりで熱くなってんの?」の一言でぶった切られてしまう。
終始やる気も可愛げもないピトンしかり。「イマジネーションがないのはお前らだ」と吐き捨てるノットレイの皆様しかり。
そんな彼らと分かり合う第一歩は、逆説的だがこちらを分かってもらうことなのか。
確かに、相手を理解するより、自分を理解させる方が、とりあえず自分からアクションを起こせる(事情を説明できる)のだから正論か。

【ユーマ】

アン警部補曰く「周囲の感情を受けて変化する。ミラクルライトに似た性質」の存在らしい。
何かさらっと怖いこと言ってますけど、じゃあミラクルライトは悪意あるものが使ったらヤバイ兵器と化すんでしょうか。
何気に今までの概念を覆す発言じゃないか、これ。いやでも振り返ってみれば、春映画が正にそうだったか。

「スタプリ」のこれまでの話ではあまり強調されていなかった気もするけれど、一種の子育て話。
「他者の影響でどうとでも変わる」のは正に子供そのもので、最も身近な多様性「親と子」を扱っていたのかもしれない。
「これまで強調されていなかった」と書いたけど、改めて考えてみればフワの育成はそういうコンセプトだったのかもな。

ユーマの「一緒に廻った場所をコピーする」のは、親と子の関係で考えると感慨深い。
子供の頃に親に経験させてもらったことは、確かに自分の中に息づいているし、人生に影響を与えている。
「多様性」というのは訳の分からぬ無尽蔵の何でもありではなく、それぞれの親や育った環境の反映。

あと、出会ったのが自然大好きな星奈さんで良かった。これが宇佐美さんだったら、ラストシーンでパリ市民がコピーされたりしかねなかった。

【16年目】

星奈さんらは現時点での最新プリキュアで、その観点では「子供」のイメージがある。
が、劇中では「子供」のユーマを見守る立場だった。
今から15年後の30周年のときに(つまりは今でいう美墨さんらの立場になったときに)この映画を見返すと、色々と発見があるように思う。


(左画像)『映画スター☆トゥインクルプリキュア 〜星のうたに想いをこめて〜』主題歌シングル (CD+DVD) [ キュアスター(CV:成瀬瑛美)ほか、吉武千颯、知念里奈 ]

(右画像)『映画スター☆トゥインクルプリキュア 星のうたに想いをこめて』オリジナル・サウンドトラック [ 林ゆうき・橘麻美ほか ]

Twitterアカウント:http://twitter.com/RubyGillis


【先輩プリキュア】

本来は当たり前のことですが前シリーズの先輩方の出番はなし。
これでミラクルさんの連続映画出演記録は途絶えました。たぶん、今後破られることはないと思う。

ですが映画キャンペーンのクイズ企画には、ちゃっかりとミラクルさんの名前が。
次回の春映画はどうなのかしら。

【お子様】

一緒に見に行った我が子は、中盤の戦闘から泣き出し、終始涙モードで終演後も著しく機嫌が悪かった。戦闘は怖かったし、切ない別れのラストだったものな。
でも「つまらなかった」かというとそうでもなく、もう1回見に行くか聞いたところ「ぜったいにいく」と言い張られた。
なんか終演後の周囲を見てると、似た感じの子が多かった気がする。
コメント
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