つばた徒然@つれづれ津幡

いつか、失われた風景の標となれば本望。
私的津幡町見聞録と旅の記録。
時々イラスト、度々ボート。

機を見るに敏。

2019年11月30日 18時39分54秒 | グルメ

良く晴れた先週末の朝、「加賀藩たかくら」の前を通りかかった。
拙ブログにも度々登場している和菓子屋さん。
「津幡町観光ガイド」によれば、こちらの創業は明治40年(1907年)。
今年で112年となる老舗である。
町内外の贈答品や、普段のお茶菓子などを求める人が後を絶たない。

僕も、何度となくお邪魔している。
個人的なお気に入りナンバー1は「千寿大福(せんじゅだいふく)」。
シンプルなフォルムの紅白大福で、白が漉し餡、赤が粒餡。
お餅がしっかりしていて、程よく甘く、何しろ美味いのである。

他にも、最中の皮に大きく「つばた」の字をあしらった「つばた最中」。
加賀藩主・前田家の家紋「梅鉢」を模った「加賀藩」。
加賀野菜を使った「旨石(うまいし)」など、ラインナップは豊富。
そんな飽くなき努力を続けるお店の新しい試みを発見した。

「タピオカ風 生どらやき」。

タピオカは、いわゆる流行りもの。
「タピオカティーを飲む」という意味の言葉「タピる」は、
2018年のJC・JK流行語大賞で1位を獲得し、
今年のユーキャン新語流行語大賞にノミネート。
コンビニやファストフードチェーン、ロードサイド専門店など、
昨年あたりから「タピオカドリンク」を販売するところが増えた。

機を見るに敏やよし。
頂いてみた。

なるほど。
甘さ控えめカフェオレ味のクリームに包まれた、クニクニとした食感。
こんにゃくの粉とタピオカのでんぷんを混ぜてつくったから「風」なのか。

悪くない。
むしろ、いい。
チャレンジ精神も応援する。
ごちそう様でした。

さて、町民の方ならご存知のとおり、
「たかくら」は、元々「おやど商店街」の一角で開業した。
現在地への移転から15年あまりが経つと聞く。
これを記念して、今日と明日(12/1)は「開店祭」。
ご都合が許せば、足を運んでみてはいかがだろうか。

・・・今回は「たかくら広報」みたいになってしまったが、
1ファンとしてお薦めしたい。
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突破せよ、勝利のその先へ。(追記アリ)

2019年11月24日 13時40分01秒 | 賭けたり競ったり

きのう(2019年11月24日)、
「第99回 河北潟一周駅伝競走大会」が行われた。

午前6時半頃、スタート/ゴール地点の「津幡町文化会館シグナス」を訪問。
号砲が轟く数時間前にも拘わらず、早くも選手・関係者が詰めかけていた。
一般、高校、中学・同好会の3部門にエントリーしたのは計48チーム。
河北潟を中心に津幡、かほく、内灘、金沢、
各市町を巡る全長36キロのコースで健脚を競った。

箱根駅伝と同じ大正9年(1920年)に始まる大会は、
現存する駅伝としては国内最古の部類。
なかなか大したものなのである。

近年、10月から11月にかけ、
全国の都市では、毎週のように数万人規模のマラソン大会が開催されている。
イベントとしてのマラソンはやがて下火になるかもしれないが、
「河北潟・・・」は、伝統を受け継ぎ継続して欲しいものだ。
来年、100回の大台を突破した先も。


さて、そして本日(2019年11月24日)、
群馬県の「桐生競艇場」に於いて、SG「第22回 チャレンジカップ」優勝戦が行われる。

5日間の激戦を勝ち抜いて舳先を進めたのは、以下の6名。

1号艇:石野貴之(大阪)
2号艇:濱野谷憲吾(東京)
3号艇:平本真之(愛知)
4号艇:井口佳典(三重)
5号艇:毒島 誠(群馬)
6号艇:田村隆信(徳島)

嬉しいことに「毒島」がいる。
・・・よくぞここまで辿り着いたと思う。

相棒を組んだモーター62号機が難物。
毎日、部品を変え、整備を繰り返して格闘してきた。
きのうの準優勝戦も大整備に踏み切ったが、足色は良くない。
正直、ここで力尽きるだろうと思った。

しかし! 彼は凄まじいターンを放ち、首の皮一枚で希望をつないだ。
SG3連覇。
地元SG初戴冠。
そして、グランプリへ!
今夜、見届けるとしよう。


奇跡の夜を。
逆境を突破した、その先の景色を!


<追記:2019年11月25日>

戦いは終わった。
「毒島」の奇跡は見れず。
優勝は1号艇の「石野貴之」。
捲らせず、差させず、他艇を寄せつけない逃走劇。
このリアルが全て、僕の舟券は完敗である。
おめでとう!

この結果を受けて、年末グランプリ当確メンバーが決まった。
「石野」はチャレンジをものにして、賞金ランク3位に上昇!
秋口までとは段違いの位置まで駆け上ってきた。
果たして、令和最初の結末は如何に?
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戦火に咲いた花一匁。~ 戦国のBL。

2019年11月23日 11時18分46秒 | 手すさびにて候。

ほんの手すさび手慰み。
不定期イラスト連載、第百二十四弾は「戦国時代の美少年」。

日本に於ける男色の起こりは、仏教伝来だと言われている。
不邪淫戒の戒律を守る僧たちの間で、ひっそり育まれたと言われる。
諸説アリだ。
また、現代の尺度で考えてはいけない。
1,500年余り昔に遡った時代の話である。

その真偽はともかく、やがて平安時代には貴族階級に伝播。
『源氏物語』の主人公である稀代のプレイボーイや、
ジゴロな歌人「在原業平(ありわらのなりひら)」らは、美少年とも浮名を流した。

そして、男色は武士階級へも波及する。
何しろ、荒事、戦(いくさ)は完全な男社会だ。
闘いを目前に決意を鈍らせる女は縁起が悪い・・・とする男尊女卑の風潮。
互いに命を賭けた運命共同体・・・としての強固な連帯感。
それら「戦闘専門集団の価値観」によって、
「衆道(しゅどう/若衆道の略)」が形成されていったと言う。

演出は加わっているだろうが、
「織田信長」、「前田利家」、「武田信玄」、「伊達政宗」ら名立たる武将が、
「小姓(こしょう)」と呼ばれる少年を愛したエピソードは少なくない。

少年達は、普段、主の話し相手になったり身の回りの世話をしたり。
雑務をこなしつつ、イザという時は主を守るため盾になり、
閨(ねや)のお相手もした。
そうして傍に仕え、様々な事柄を学び、やがて高いポストに就くことも珍しくない。
立志出世の足掛かりにもなった衆道は、
後の「売春(男娼)」や「同性愛」とは、少々趣が異なるのである。
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津幡短信vol.65

2019年11月17日 14時48分52秒 | 津幡短信。

津幡町に関するよしなしごとを簡潔にお届けする不定期通信。
今回は、まとめて4本。

【深まる秋。】

歩みのスピードを上げた季節は、秋から冬へと向かっている。
いわゆる「紅葉狩り」シーズンだ。

一般的に紅葉は最低気温と関係があり、気温が低いと色づきが進む。
10月頃「今年は全国的に平年並みか遅い」との声も聞こえたが、
ここ数日の冷え込みで、かなり鮮やかになった気がする。

散歩中、カラフルな街路樹が目を楽しませてくれた。
そして、人家(空き家らしい)の壁も染まる。

巻きひげの吸盤で樹木や壁を伝う「蔦」の色づきは、
樹木のように一辺倒ではなく、複数の色が織り成す。
あたかも昔の女性が着た「十二単」の彩りのように。

蔦の葉は 昔めきたる 紅葉哉 (松尾芭蕉)

【忠犬オブジェ、サンタになる。】

ハロウィンを終え、ほんの少し前までワンコたちはさっぱりしていた。

それが、今は紅葉のような赤い装飾が目立つ。

あと1ヶ月あまり、このコスチュームが続くだろう。

【みたにやギャラリー、五輪スペシャル。】

最近、注目している津幡中央銀座商店街の呉服店「みたにや」。
そのショーウインドーがバージョンアップした。

以前、ミュンヘン大会、メキシコシティ大会、モントリオール大会と、
3つの夏季五輪ポスターが飾ってあったが、一気に拡大。
第一回のアテネから第十五回の東京までラインナップ!

すごいな~と感心して眺めていたら、ある共通点に思い当たる。
図柄に女性がいない。
アテナ神らしき「女神」は登場しているが、女性アスリートはいない。
古代オリンピックは女子禁制の祭典。
そんな慣習が影響しているのかもしれない。

【看板、新調。】

「庄町商店街案内図」に足場が組まれているのに気付いたのは、
およそ1ヶ月前だった。

掲載内容も古くなっていたし、端々も劣化している。
『ついに取り壊されてしまうのかな』と僕は考えた。
しかし、杞憂に終わった。

立派な新看板が建つ。
44あった店舗は23に減ったが、致し方ない。
陽の光を照り返す真新しい看板は、実に誇らしげ。
これからも各個店には、頑張って欲しい。

<津幡短信vol.65>
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一房の葡萄と昭和。

2019年11月16日 16時21分54秒 | これは昭和と言えるだろう。

今朝(2019年11月16日)、関東甲信地方は冷え込んだ。
放射冷却現象が強くなり、東京都心の7.8度をはじめとして、
各地で最低気温が10度を下回った。
宇都宮と甲府では、初氷を観測。
北海道~東北からは、数日前に雪(吹雪)の便り。
11月に入り、季節は歩みのスピードを上げてきたらしい。

津幡町は、最低気温10度、最高気温15度。
十分に肌寒い。
最近の散歩では冬支度を目にする機会が増えた。
例えば「吊るし柿」。

皮をむくと呼吸できなくなった渋柿が、実の中でアセトアルデヒドを発生し、
それに渋み成分「タンニン」が結合すると「不溶性」へ変化。
渋さは封印される。
あと数週間もすれば、ねっとりと甘い干し柿が完成するだろう。

また、とある民家の軒先で葡萄が目に留まる。

「ピオーネ」だろうか?
1つだけ取り残され、寒風に揺れる様子を見て、
中学時代に読んだ短編、「有島武郎(ありしま・たけお)」の「一房の葡萄」を思い出す。

出来心から友人の絵の具を盗んでしまい、罪の意識に苛まれる少年。
彼が密かに思いを寄せる女教師は、犯した罪を責めず慈悲を与える。
彼女が差し伸べた真白く美しい手には、一房の葡萄があった。

『・・・クリスチャンであり、洗礼を受けていた作者は、
 教師に神を、葡萄に神の恵みを重ねていたのかもしない。』

中学生の僕はそんな風に考え、優しい女教師の姿を想像した。
そして、印象を憧れのセンセイに重ね合わせ、赤面し唇を噛んだ。
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