つばた徒然@つれづれ津幡

いつか、失われた風景の標となれば本望。
私的津幡町見聞録と旅の記録。
時々イラスト、度々ボート。

逆転のオセロゲーム。

2022年10月30日 20時22分22秒 | 賭けたり競ったり
                        
今夕(2022/10/30)愛知県・常滑競艇場に於いて
SG競走「第69回 ボートレースダービー」優勝戦が行われた。
6日間の激闘を勝ち抜いて最後の6ピットに舳先を進めたのは以下のメンバー。



1号艇:菊地孝平 (静岡)
2号艇:馬場貴也 (滋賀)
3号艇:田村隆信 (徳島)
4号艇:山口 剛 (広島)
5号艇:濱野谷憲吾(東京)
6号艇:上平真二 (広島)

ダービー王戴冠の最有力候補は「菊地」。
彼の代名詞である「スタート勘」はバッチリ。
真っ先に旋回できる最も有利な枠番。
モーターは前節V機。
戦いの舞台はイン有利な常滑。
体重を絞り、削げた頬から気合の現れが見て取れる。
諸条件が揃っていた。

もしも、逆転があるとすれば「馬場」だろう。
と僕は考えた。



艇界随一のターンスピードを誇るスピードスター。
他艇の内懐を抉る「差し」の名手。
相棒のモーター26号機は、本人曰く『今年一番の仕上がり』。
何より『グランプリ二次予選の1号艇を取りに行く』とコメント。
細かな説明は割愛するが、それは「優勝だけを狙う」宣言である。

白いカポックの「菊地」。
黒いカポックの「馬場」。
秋の太陽が伊勢湾へ大きく傾いた夕間暮れ。
茜色に染まる競争水面で、白と黒の一騎打ちが始まった。





果たして、スタート隊形は大差のない横一線。
中でも「白」がトップタイミング。
こうなれば「白」が断然有利。
勝負あった!!
僕も、多くのファンも、そう考えただろう。
--- しかし「白」の旋回が、ほんの僅か膨れた。
「黒」が千載一遇のチャンスを見逃すはずはなかった。



『差さった!』
自宅で観戦していた僕は、思わずソファから腰を浮かせて叫んでいた。



形勢不利だった黒い石が渾身の一手を繰り出し、
盤上を埋め尽くす白い石を次々と裏返し、黒一色に塗り替えてゆく。
鮮やかな逆転劇だった。
結果2-4-1で決着。
2022年のダービー王座には「馬場貴也」が座った。
(僕の舟券も的中、久々の万舟)



馬場ちゃん、おめでとう!
                            
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錯綜する明と暗。

2022年10月29日 12時34分56秒 | 賭けたり競ったり
                         
先日、ある秋晴れの午後、短い空白ができた。
面会相手のスケジュールが若干押した為、しばし待機。
まあ、左程珍しいことではない。
木立の下に車を停めて時間になるまで一休み。
読みかけの文庫本に手を伸ばしページを開く。
--- ところが、いつもと勝手が違う。
手元で光と影が躍っていた。





強い風が車外の木立の枝葉を揺らし、紙の上で目まぐるしく動き回る陰日向。
集中を妨げられ読書に没入できない。
最初は辟易したが、程なく僕は字面を追うのを諦め、
光と影のせめぎ合いを楽しむことにする。
それは、案外面白い見世物だった。

光が差すと物には陰影ができる。
光が当たらない部分が「陰」。
物体が光を遮り作り出した形が「影」だ。
陰影のでき方によって、受ける印象はガラリと変わる。
その意味で「光と影」は、
目に映る世界に奥行きを与え、豊かにしてくれるのだ。
                                
しかし、これが「明と暗」では、言葉の持つ趣きが異なる。
成功と失敗。 幸と不幸。 天国と地獄 。
世界を分け隔てる苛烈なニュアンスを帯びる。
取り分け「勝負の明暗」---「勝者と敗者のコントラスト」は残酷なまでに鮮やかだ。



現在、愛知県の「常滑競艇場」に於いて、
SG競走「第69回 ボートレースダービー」が開催中。
今夕(2022/10/29)準優勝戦が行われる。

上掲画像は、初日メインレースの様子。
1号艇に選出されたのは、個人的にエールを送る選手「毒島 誠」。
旋回直後に舳先を浮かせる素晴らしいスピードターンを繰り出し、
このレースは1着を奪取。
明るいスポットライトの下へ躍り出た。
--- だが以降は暗転。
2日目から着を取れないまま、予選敗退。
「毒島」は敗者となった。

明暗を分けた理由は様々あれど、このリアルが全て。
年間王者を目指す戦いは茨の道になるだろうが、何とか踏ん張って欲しい。
まだ最終決着は付いていないのだ。
僕は応援している。
                 
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誰もがそれを付けたがる。

2022年10月23日 09時30分00秒 | 手すさびにて候。
                         
<はじめに>

拙ブログをご覧の皆様へ。

今回は、まず「58秒のお遊び」を提案したい。
この文章の下に貼り付けた動画の再生ボタンを押し、
曲が流れ出したら、動画の下の太字箇所を読んでみて欲しい。
スピード、テンポは「ややゆっくり」が丁度いいと思う。
ラジオDJ気分に浸れるかもしれない。
時間と都合と気持ちが許せば、お付き合いを。
では---。



人は皆、本当の顔をひた隠しにしている。
独りになれた時だけ そっと取り出して眺めるんだ。 
普段は別の顔を使い分けている。
サテンの仮面 鉄仮面 シルクや革の仮面。
正直、どれも見覚えのないものばかり。
でも、不思議なことに 誰もがそれを付けたがるんだ。

人は皆、恋に落ちる。
危険など顧み(かえりみ)ず 深みへハマる。
たとえ、愛し合い気心を許し合う関係になっても
秘め事はあるもんだ。
愛しい君 そんなに驚かなくてもいいじゃないか。
まだ見せたことなかったかな?
僕の本当の顔を。

「ビリー・ジョエル」--- 「ストレンジャー」


※The Stranger(1977)
(Written by Billy Joel/意訳・りくすけ)

いかがだろうか?
イントロに、貴方のナレーションが上手くハマったなら幸いである。

--- さて、もうすぐ仮装と仮面の祭典「ハロウィン」本番。
また、パンデミックによって流行した、表情を殺す鉄仮面「マスク」の記憶も新しい。
そんなタイミングを意識して、今回は「仮面」について一思案してみよう。

ほんの手すさび 手慰み。
不定期イラスト連載 第二百十二弾「仮面三景」。



「仮面文化」に国境はない。
ネグロイド、コーカソイド、モンゴロイド、オーストラロイド。
熱帯~亜熱帯~温帯~亜寒帯~寒帯、極地に至るまで、
民族や地域を違わず、各々それぞれの仮面が在る。
また、仮面との付き合いは古い。
登場した時期の特定は難しいが、
ヒトが集団生活を始めた頃とイコールではないかと推測する。

用途は様々。
エンターテインメント、求愛、霊や神の召喚、冠婚葬祭、(戦争などの)出陣式。
ともあれ仮面を使うことで「他の何か」に変化(へんげ)したり、
「何かを憑依させる」のが目的。
隣人を道化にも、悪魔にも、神にも変える装置、それが仮面だ。
--- いや、正確に言えば「それが仮面だった」。

科学技術の進歩により、その魔力が奪われて久しい。
でも、廃れたわけではない。

能面、おかめ、ひょっとこ、狐面、鬼面。
歌舞伎の隈取り、縁日の夜店に並ぶお面。
秋田のナマハゲ、石川能登のアマメハギ。
月光仮面、仮面ライダー、覆面レスラー。
身近な例を挙げただけでも実に多種多彩。
今も一種の装置(道具)として、連綿と受け継がれている。

そして「ビリー・ジョエル」が歌っているように、
人はよく「形のない仮面」を付ける。
可笑しくもないのに口角を上げる「作り笑い」や、
野心に蓋をする過剰な演出「ポーカーフェイス」が好例だ。

性格や立ち回り方、仕事などによって度合いは変わるが、
我々は仮面劇の役者に似ていると言えなくもない。
立場や状況に応じて使い分ける仮面。
それは、言葉と同等か、時に言葉以上に雄弁なコミュニケーションツールとなる。

仮面は切っても切れない間柄なのだ。
僕にとっても、貴方にとっても。
                           
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津幡の町の真ん中で。

2022年10月22日 19時33分33秒 | 日記
                           
本日(2022/10/22)津幡町・おやど橋周辺でハロウィーンイベントが開催された。
会場が旧市街の真ん中にあたる為、
名称は「どまんなか DE ハロウィン」という。



あいにくの曇天ではあったが、雨に見舞われる前。
おやど橋の上には、沢山の人が集い楽しんでいた。
主催は「津幡町商工会」。
かつては「どまんなかフェスタ」として行われていたが、
新型コロナが浮世を覆って以降は、ご多分に漏れず中止の憂き目に。
久しぶりの開催にあたり、関係各位は喜んでいることと察する。







ハロウィーンについては、既に多くの方がご存じと思うが、
簡潔に成り立ちなどを書いてみたい。

元々は、西ヨーロッパの古代ケルト民族の営みに由来する。
彼らの暦の始まりは冬。
冬には、死者の魂がこの世に戻ってくるとされた。
その前夜(現在の暦では10月末)は、過去・現在・未来の垣根がなくなり、
あらゆるものが混ざり合う中で、再生が始まる。
また、祖先の霊や妖精たち、悪霊が地上に現れ悪戯をすると考えられていたとか。
ケルトの人々は自分も禍々しい仮装をして、悪霊をやり過ごしたり、
悪霊を驚かせて追い払うなどしたそうだ。

生者はいつも死と隣り合わせ。
死者の思い出でを振り返れば、生きているかのような錯覚を生む。
そんなケルトの死生観は日本人のそれと似ているかもしれない。







会場には仮想姿が目立つ。
魔女の帽子、コウモリの羽、吸血鬼のマントなど、異形のアイテムが多い。
ここでは目にしなかったが、きっと「仮面」を付ける場合も珍しくないだろう。
明日の次回投稿では、その仮面をテーマにしたいと考えアレコレ思案中。
よろしかったら覗いてやってくださいませ。

では、また。
                            
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津幡短信vol.106. ~ 令和四年 神無月 。

2022年10月16日 19時19分19秒 | 津幡短信。
                            
津幡町で見聞した、よしなしごとを簡潔にお届けする不定期通信。
今回の投稿は、以下の4本。

【102周年の節目。】



きのう(2022/10/15)町の本屋さん「スガイ書店」で「102周年感謝祭」が開催された。
ご覧の通り千客万来。
キッチンカー来場、縁日、フラワーアレンジメント教室。
ブックカバーづくり、畳表のホウキ作り。
ぬり絵コンテスト、「ミスつばた」とのじゃんけん大会などに、
沢山の親子連れが訪れていた。



また、昨年に続いて「絵本専門士」による絵本読み聞かせが行われた。
絵本専門士は、絵本に関する高度な知識、技能及び感性を備えた絵本の専門家。
各所で読み聞かせやおはなし会、ワークショップなどを行う。
上掲画像奥で本を開く女性は「赤池恵理子さん」。
県内3人目の専門士で、僕の知り合い。
一年前と比べ、スキルアップしているなと感じた。
彼女の努力の賜物である。
ガンバレ!
               
【75年の節目。】



今、津幡町文化会館「シグナス」ロビーに於いて、
町立「津幡中学校」の新しい制服が展示されている。
導入は来年4月から。
僕が通学していた当時とは、随分違った印象である。
向かって左から二番目と三番目は「女子」用か。
昨今のジェンダーレス風潮を反映してか、スカートとパンツの2種類。
さらにその右に並ぶポロシャツ(夏服か?)、色による性の区別がない。
これも時代だ。
開学75年目の春からの後輩たちの装いである。

【令和の通学風景。】



津幡中央銀座商店街のワンコディスプレイは、ハロウィン仕様。
この散歩、久しぶりに小学生たちの通学時間に重なり、
一緒に写真に収めさせてもらった。
彼らが背負うランドセルは、昭和の「赤か黒」ではない。
パープル、ピンク、ブラウン、ブルーにダークレッド。
実にカラフルなのだ。

【蝸牛と大怪獣。】



アスファルトの上を往く「蝸牛(カタツムリ)」。
まだ早朝で気温が低いためか、大変スローモー。
小道の端に辿り着くのはいつになるのだろう?
などと考え眺めていたら、急にちょっとだけスピードアップ。



「りくすけ(犬)」だ。
殻に鼻を近づけフンフン、クンクン。
カタツムリ君は、さぞ驚いただろう。
彼にすれば、小犬は、突如現れた大怪獣のような生き物だ。
                         
<津幡短信 vol.106>
                    
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