つばた徒然@つれづれ津幡

いつか、失われた風景の標となれば本望。
私的津幡町見聞録と旅の記録。
時々イラスト、度々ボート。

深まる秋の気付き。

2019年11月10日 07時43分42秒 | 自然

ハンドルを握り駆け抜けていたのでは、見過ごしてしまう風景がある。
速さは便利だが、ゆっくりと移動するからこそ心に留まるものがある。
僕は、愛犬を伴い散歩を始めたお陰で、そう気が付いた。
・・・いや、正確には「思い出した」と言えるかもしれない。

空を流れる雲。
頬をなでる風。
眩しい陽射しと、地面に落ちた自身の影。
人家の灯りや、夕餉の支度の物音と匂い。

歩く他に手段がなかった頃。
幼いながら敏感だった感性は、そんな諸々から何かを受け取っていたのだと、
リードを握りながら述懐して10年余りが経つ。

さて、きのう(2019年11月9日)、
散歩中に本津幡駅近くの踏切辺りで、こんな看板を見つけた。

雪国・北陸には「消雪装置」なるものがある。
道路に埋め込んだパイプを伝い、路上に設置したノズルから地下水を散布して、
除雪・融雪・路面凍結を防止するための備えだ。
それが、ここらで途切れることを報せている。

「立冬を過ぎ、北海道では初雪が観測されました」

ラジオで、そんなニュースを耳にした。
自分のいで立ちも随分厚着になっている。
吐く息も微かに白い。
冬が近づいてきたなと実感した時、コレが目に留まった。

「水準点」だ。
水準測量によりその標高が精密に求められた花崗岩の標石である。

水準点は、河川や道路、港湾、下水道、鉄道等の正確な高さの値が必要な工事で、
測量の基準として用いられている。
また、高さの変化・・・地盤沈下量を把握する為のポイントにもなる。

さして重要にも思えない県道に設置された理由で思い当たるのは、
近くの堤(つつみ)の整備と、道路の拡張工事か?
何にせよ、ある時期を境に周辺の景観が変わったのは間違いない。

そんな事に思いを馳せることが出来るのは、
やはり散歩のお陰なのだ。
コメント
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