吉田クリニック 院長のドタバタ日記

日頃の診療にまつわることや、お知らせ、そして世の中の出来事について思うところ書いています。診療日には毎日更新しています。

京アニ事件容疑者「こんなに優しくされたことなかった」 医療スタッフに感謝、転院前の病院で その2

2019年11月30日 05時58分54秒 | 日記
 以前もこの事件のコメントをした。広範囲熱傷の治療は不眠不休の治療体制でないと救命できない。医療スタッフの労力は筆舌に尽くしがたいほどのものである。
 今はやりの「過労死」や「長時間労働」だの「働き方改革」など云々いったら絶対救命なんかできない。 今回救命されたということでスタッフの努力を(知っているだけに)特にねぎらいたい。24時間延々と続く診療中に心が折れかけることも何十回もあったはず。それに打ち勝って救命したということはすごいことである。特に今回の事例は、おそらく将来的には極刑だろう。
 すると医療スタッフは「なぜ俺はここでこんなにも救命にむけて頑張っているんだろう?」と何度も疑問がわいてきたはずである。そして何度もmotivationも失いかけてきたはずである。
 しかも、救命後この容疑者に「こんなに優しくしてもらったことはない」とまで言わせしめた。
 ここまで容疑者に言わせしめた医療スタッフ全員のプロ根性を見た。すごい。

京アニ事件容疑者「こんなに優しくされたことなかった」 医療スタッフに感謝、転院前の病院で その1

2019年11月29日 05時46分52秒 | 日記
 11/15(金) 7:00配信 京都新聞
 京都市伏見区桃山町因幡のアニメ製作会社「京都アニメーション」(京アニ)第1スタジオが放火され、男女36人が死亡、33人が重軽傷を負った事件で、大阪府内の病院に入院していた青葉真司容疑者(41)=殺人などの疑いで逮捕状=が14日、京都市内の病院に転院した。命に別条がない程度まで回復したためで、京都府警は勾留に耐えられる状態になるのを待って逮捕する方針。
 病院関係者によると、青葉容疑者は現在、感染症などの合併症を起こす危険な状態を脱している。自力歩行はできないが、会話は可能という。転院前、治療に携わった医療スタッフに対して「人からこんなに優しくしてもらったことは、今までなかった」と感謝の言葉を伝えたという。
 青葉容疑者は14日午前9時ごろ、ストレッチャーで救急車に乗せられて大阪府内の病院を出発し、午前10時15分ごろに京都市内の病院に到着。青葉容疑者はタオルで全身を覆われ、医療関係者に取り囲まれながら院内に運び込まれた。
 青葉容疑者は事件で全身やけどを負い、京都市内の病院に救急搬送された。7月20日、より高度な治療を受けられる大阪府内の病院に転院し、皮膚移植やリハビリなどを重ねてきた。


池袋暴走で元院長を書類送検 遺族が会見 その5

2019年11月28日 06時12分36秒 | 日記
 今回、被害者が中心となって加害者を厳罰に処するよう署名活動を行った。その結果、39万筆の署名が集まったらしい。これもちょっと疑問。
 気持ち的には理解できるが、個人の刑の軽重は大衆が決めるものではない。もちろんこの署名が、裁判時に市民感情として軽重判断の材料にはならないことを祈る。あくまで法治国家は法律に基づいて判断されるのである。
 今回、逮捕されなかったことは確かに最近の不当逮捕が多い中では、あれ?と思うかもしれないが、でもこれは妥当なのである。(「証拠改ざんの恐れがない」、「逃亡の恐れがない」ということが逮捕回避の要件であるが、最近の医療事故の時は、これら恐れがないにも関わらず、見せしめ的逮捕が行われている)。
 とにかくもちろん今回被害者の悲しみ、怒りは十分に理解できる。だからといって一個人の罪を重くすべき署名活動はちょっと「人民裁判」の様相を自分は連想したのである。あまり賛成しない。

池袋暴走で元院長を書類送検 遺族が会見 その4

2019年11月27日 06時41分58秒 | 日記
 しかしながら、この加害者のTVインタビューではあるが、「高齢者が安心して運転できる世の中のシステム作りが必要」などと言っていた。これは被害者が聞いたら「お前が言うな」と怒るだろう。そのあとで「反省はしている」とはいっていたが、この他人事のような発言内容はとても反省しているとは思えない。
 認知症であれば自分が起こしたことを自覚していないので反省しているといっても自分の記憶にないことは反省などできていない。 
 認知症の人は同じことを何回でも忘れる。人から「何回も言わせないで、さっきからずっと言っているでしょ」と強く言われることがある。しかし忘れたということすら自分に覚えがないので「この人なんでこんなに怒っているんだろう」としか思わない。
 この加害者の他人ごとのような発言内容はまさに正常ではない。認知症かあるいはそうでなければ、高級官僚特有の上から目線としかいいようがない。

池袋暴走で元院長を書類送検 遺族が会見 その3

2019年11月26日 06時35分22秒 | 日記
 この加害者が運転操作を誤った原因が認知症であれば、同時にそこそこの短期記憶障害もあるはず。はたして事故当時「フレンチを予約していた」ということも覚えていたのかどうか疑わしい。いかにも後から周囲の状況、人から言われたことを元に自分で「取り繕い供述」をしているような印象である。
 認知症の人は、「今朝何食べたのですか?」と聞くと覚えていないので「いやあ、昨夜の残り物ですよ」と返答したり、あるいは「今朝何時に起きましたか?」と聞くと「もう退職したので毎日が日曜日みたいなもんで」といって自分が記憶していないことを隠す、いわゆる「取り繕い会話」をすることがある。
 今回の加害者はどうもこれを疑うのである。もちろん自分が面談しているのではないので確信は持てない。メディアの報道の「切り貼り」した部分なので正しくはないかもしれない。しかしこの加害者のどこか他人事のような言動はどうも怪しいのである。

池袋暴走で元院長を書類送検 遺族が会見 その2の続き

2019年11月25日 06時29分12秒 | 日記
 通常、交通事故を起こしたなら現場ですぐ理由が述べられる。
 たとえば「いや、今日はちょっと友人の結婚式だったもんでつい飲んでしまいました・・・」とか「父が入院中で病院から急に呼び出しがあったもので急いでました・・」とか様々な理由はその場で聞かれるはずである。もし直後から「フレンチの予約があって間に合わないので急ぎました」と言っていたのであれば何となく辻褄もあう。
 しかし当初から頑なに車の不具合を原因にしていた。それにもかかわらず事故車の見分にて車に異常がないとわかると、「踏み間違えました」と供述を翻している。しかもそのフレンチ予約という、急いでいた理由を大分あとになって言いだすとなると、いかにもあとからのこじつけや言い訳にしかうつらないのである。
 話が理解できなくなると周囲の状況に応じて取りつくろうとする会話がみられるのは認知症の特徴である。

池袋暴走で元院長を書類送検 遺族が会見 その2

2019年11月22日 06時16分09秒 | 日記
 この「予約したフレンチに遅れそうだった」というコメントは今回初めて聞いた。でもこれは取り調べの最中に出た供述内容であろう。しかしこの言葉が本当だったのか、あるいは本当だったとしても「遅れないように急いで車の運転をしたのか」という点で疑問に思うのである。
 当初、縁石にタイヤを擦り付けて走行した時、「あれ俺どうしたんだろう」と自分の意図する操作とは違う運転状況を不可思議に述べた。そして人を跳ねた後は「アクセルが戻らなかった、ブレーキが壊れていた」と言った。それはかなり後になってまで否定しなかった。その時点ではフレンチレストランの話は全く出てこない。
 急いでいたために起こした事故ならこの話が最初に出てくるはずである。後付けでフレンチ予約の話をだしてくるなんて言い訳じみている。往生際が悪い。

池袋暴走で元院長を書類送検 遺族が会見 その1

2019年11月21日 06時15分42秒 | 日記
 11/12(火) 23:30配信All Nippon NewsNetwork(ANN)
 今年4月、東京・池袋で車を暴走させ、11人を死傷させた旧通産省・工業技術院の飯塚幸三元院長(88)が12日、過失運転致死傷の疑いで書類送検された。調べによると、飯塚元院長の車は、赤信号を無視して直進し、自転車の男性に衝突。さらに、松永真菜さん(31)と娘の莉子ちゃん(3)をはねると、交差点でごみ収集車と衝突し、歩行者を次々とはねた。
 元院長は取り調べに対し「予約していたフレンチレストランの時間に遅れそうだった」と供述している。警視庁は『アクセルとブレーキの踏み間違い』が原因だと断定し、元院長を書類送検した。

フェレットにかまれ感染症で死亡の警官 公務災害と認定 大分県警 その4

2019年11月20日 06時23分48秒 | 日記
 気になってちょっと調べてみた。動物咬傷で感染しやすい細菌はパスツレラ菌だそうだ。これはもちろん局所感染、蜂窩織炎にはなる。悪化すれば敗血症や髄膜炎となりうる。
 しかしやはり17年後に死亡と言うことはありえない。しかもこの菌は一般的にペニシリンがよく効く。「3か月後に蜂窩織炎になって・・」という報道も解せない。もちろん動物咬傷は化膿しやすいというのは常識。初診医がきちんと創開放+ドレナージさせ、きちんと抗菌薬投与していれば蜂窩織炎にはならないし、なったとしても17年もそれが継続した後に死亡することもない。
 死亡原因は手段的にはフェレット咬傷であるが17年後の直接死因がまったく不明である。
 これはますます解せないが、だれもツッコミはしない。

 これで怖いのは、うちのクリニックに怪我の傷が化膿して蜂窩織炎になった患者さんが来た場合、「え~っ、なんですか、蜂窩織炎!! じゃあ私は17年後に死ぬんですか?」って患者さんから言われるのが嫌なのである。説明が面倒くさい。
 とにかくTVで何か病気をやると「私、この前ニュースでやってたあれじゃないですか?」って必ず来るのである。 正確に報道してほしい。そしてコメントする医師は「まとも」な医者を連れてきてほしい。

フェレットにかまれ感染症で死亡の警官 公務災害と認定 大分県警 その3

2019年11月19日 06時19分52秒 | 日記
 たぶんマスメディアにしてみれば死亡原因なんてどうでもいいのだろう。「噛まれて17年後に死亡するのね、へええすごく怖いね、蜂窩織炎って」と耳目を引けばいいのである。でもこちらは医療従事者であるので、蜂窩織炎が17年後に死亡するものではないと疑問に思うだけなのである。
 11月18日の情報番組では、どこかの皮膚科クリニックの女医さんが出てきた。しかし「蜂窩織炎は100人に一人ぐらいです」とか言っていた。そして蜂窩織炎が死因にならないこともコメントしなかった。
 たぶんこのDr.は経験もなくあまり知らないのであろう。傷口が化膿して蜂窩織炎になる患者なんてうちではしょっちゅう診る。そしてそれが17年後に死亡することもない。
 今回死因が「蜂窩織炎」になっていたが、ありえない。これは冤罪ものである。
 でも噛まれて17年後に死亡する原因って何なんだろうとこちらのほうが疑問である。

フェレットにかまれ感染症で死亡の警官 公務災害と認定 大分県警 その2

2019年11月18日 06時38分12秒 | 日記
 もちろん亡くなった警察の方にはお悔やみ申し上げる。
 しかしそれとは話は変わるが、ちょっとあり得ない話である。2002年に動物にかまれ蜂窩織炎になったというのは理解できる。しかしそれが原因で果たして約17年後に亡くなるというのは理解しがたい。
 蜂窩織炎と言うのは「急性炎症」である。それが全身に回って敗血症で亡くなるとしても数か月以内である。それが17年間遷延することはありえない。報道には記載されていないが何かしらウイルスの侵入によってそれで慢性感染症となった可能性はありえないでもないが、それならば蜂窩織炎が死亡の原因ではない。
 17年という年月を考慮すると肝炎ウイルスの感染も疑われる。しかしまずフェレットが肝炎ウイルスを常在的に保有しているかどうかというのが疑問。
 たぶん「17年前の事故で、ずっと闘病し、つい最近亡くなった。それが公務災害と認定された」ということがメディアの報道ポイントなんだろう。メディアにとって死亡原因はどうでもいいのである。でもこちらとしてはツッコミどころ満載の報道内容である。嘘はやめてほしい。


フェレットにかまれ感染症で死亡の警官 公務災害と認定 大分県警 その1

2019年11月16日 06時39分36秒 | 日記
 11/6(水) 19:46配信 毎日新聞
 県警大分中央署で交番勤務だった2002年に通報を受けて捕獲を試みたフェレットに手をかまれ、感染症の治療を続けていた県警の男性警部補が今年1月に41歳で死亡していたことが、県警への取材で判明した。地方公務員災害補償基金県支部は7月、警部補の死亡を公務災害と認定した。
 県警によると、警部補は大分市の大分駅前交番で勤務していた02年6月26日早朝、「近くの公園にフェレットがいる」と110番を受けて出動。捕獲作業中に手をかまれ、3カ月後に感染症の蜂窩織炎(ほうかしきえん)を発症した。警部補は入退院を繰り返して治療を続けたが、今年1月18日に同県別府市の病院で死亡した。
 警部補の遺族から公務災害の申請を受けた地方公務員災害補償基金県支部は、かまれたことと警部補の死亡に因果関係があるとして7月26日付で公務災害と認定した。


服役中の伝説的ミュージシャン死亡、妻が国賠提訴「死なずにすんだのに、許せない」 その7

2019年11月15日 06時25分13秒 | 日記
 それでもなお今回の事例は「収監中の重病を放置され医療を受けられなかった」と主張するのであれば、江戸時代の「お解放し(おときはなし)」しかない。これは大火の際に牢屋に火の手が回った時、このままでは囚人が焼け死んでしまうような場合に行われた一時的開放である。火事が落ち着いたときに正直に戻ってくれば罪一等減じられるらしい。戻ってこなければ罪状が加算されるという当時の救命を目的とした一時避難である。
 今回の事例でも一時的に釈放するので、あとは本人、家族の意向で自由に希望する医療機関へアクセスすればよいだろう。それならば「放置された」とか「医療を受けられなかった」とは言えなくなる。収監中は
基本的な医療受診の権利は保障しているが、最高の医療水準を主張するのは疑問である。ならば「病気になったら釈放します。どうぞお好きに医療受けてきてください」・・・でいいのではなかろうかと極論にも思うのである。
でもおそらく本事例の病態であれば、一般社会にいたとしても助かったかどうか? 絞扼性イレウスでは自分は多くの「一般人」を失ったことを経験している。さて「お解放し」でも助かったかどうか?

 ついこの間の「乳腺外科医わいせつ行為裁判」は結局、無罪であり、ほぼ冤罪にも思えた。しかし原告の弁護士の論旨の展開を見ていると医学、医療を全く知らない者が頓珍漢な主張をしているとしか思えないのだ。今回も同様である。恥ずかしくないのだろうか。

服役中の伝説的ミュージシャン死亡、妻が国賠提訴「死なずにすんだのに、許せない」 その6

2019年11月14日 06時05分44秒 | 日記
 弁護士は「昨今、日本全体でも、刑務所や入管施設で外国人が亡くなることが続いている。こういうことは日常的におこなわれていると考えざるをえない。」と述べた。これも弁護士の飛躍した論理である。
 種々の疾患において収監中の者と一般市民における死亡率の差異の統計学的有意差を証明したのか? それをせずして刑務所内では(放置されることが)日常的に行われていると断言できるのであろうか?
 服役中の者にも基本的人権は認めるべきなのは理解できる。しかし市中の一般市民とすべて人権が同じでは収監している意味がない。ある意味での「生活の不便さ」があるのは当然である。
 医療を受診できなかったわけでもない。ただ小さな町立病院では確定診断がむずかしかったのである。そこを突き詰めて「確定診断できるまで徹底的に大きな病院で検査を受けさせるべき」という論理であれば一般市民より優遇された医療的忖度を受けることになる。
 結果的には亡くなってしまったことは不幸なことであるが誰のせいでもないとは思うのであるが。


服役中の伝説的ミュージシャン死亡、妻が国賠提訴「死なずにすんだのに、許せない」 その5

2019年11月13日 06時48分42秒 | 日記
 また妻の言う「簡単な手術でおわる」というのは誰が決めたのか? 腸閉塞の原因や、手術施行のタイミングによっても手術の難易度や術式は異なるのである。自分も腸閉塞の手術は数多くおこなってきたが、腸閉塞の原因によって高度な判断と難易度の高い手術手技が必要とされることも多い。このような判断は現場にいる医師以外では判断できないはずである。
 また「放置した」というが、まったく放置したわけではない。とりあえずは町立病院をきちんと受診させているのである。もちろんそこでは緊急度や重症度判断ができなかったし確定診断もできなかったわけではあるが、これは前述のとおり医療機器の問題もありやむを得ない部分も多々ある。通り一遍ではあるが刑務所レベルでの対応はとりあえずしていたものと思われる。
 一般市民と服役者で、まったく同じ水準の医療が受けられるわけではない。収監されれば生活上の不便を強いられるわけである。緊急性の高い疾患であれば市中、収監中問わずに救命されたかどうか疑問である。