金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
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122:吉村達也 『感染列島 パンデミック・デイズ』

2012-09-22 08:11:20 | 12 本の感想
吉村達也『感染列島 パンデミック・デイズ (小学館文庫)』(小学館文庫)
★★★☆☆

恋人である編集者・理沙の協力を得て、
絵画に潜んだ新型ウイルスを題材とした小説を
書き上げた人気作家の神崎慧一。
その作品を文芸評論家にこきおろされて打ちのめされた慧一は、
画商・榎本の提示する条件に従い、理沙を捨てて
新作の取材のためにヨーロッパで謎のグループと接触する。
そんな中、沖縄で強毒性H5N1型鳥インフルエンザがヒトに感染。
パンデミックの序曲が始まった。

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同じタイトルの映画があるけど、これは原作ではない模様。

『アウトブレイク』を見た直後なので、
人間の描き方なんかがどうしても物足りなく思えちゃうんだけど、
絵画とウイルスの結びつきが、ファンタジーとしてではなく
一応現実的に、納得できる形で描かれていたのはよかった。
このところ、ウイルス関係の本を何冊か読んでいたので、
「はい、ここから説明パートですよ!」といわんばかりの
文章が続くところも抵抗を感じることなくすんなり頭に入ってきた。
厚労相の最期の言葉は、
「日頃の創太郎からは想像もつかないラスト・メッセージ」
とあったけど、これまでの彼の人物像からは出てきそうもない語彙で、
違和感があった。
新院長もいきなり演説始めちゃって、
パンデミックを境に内面に変化がもたらされたという説明では
納得できない唐突感。



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