金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
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126:『コイノカオリ』

2005-10-28 12:18:33 | 05 本の感想
『コイノカオリ』(角川書店)
★★★☆☆

最初の三編は、短い中にもきちんと起伏があって言いたいことも
はっきりしていてよかった。
「海のなかには夜」「日をつなぐ」の二編はなにが言いたいのか
よくわからず、登場人物の書き込みも物足りない感じ。
それにしても夫婦の物語って、どうしてこんなに悲しいのか。

角田光代「水曜日の恋人」
この作家さんの本は合う・合わないが激しいな…と思っていたけど、
わかった。
主人公が子供の話は好きなんだ。
子供の視点で大人を見た物語は、かわいらしくて明るさがあるのだけど、
大人の女性が主人公だと、とたんに陰鬱だったりぶっとんでたりする
ノリについていけなくなる。
母の恋人との交流を描いたこの話はおもしろかったです。

島本理生「最後の教室」
かなり前に文芸誌で既読。初読の印象は忘れてしまった。
たぶん、いちばん最初に読んだ島本さんの作品。
梨本さんの悲しみは想像できるような気がするけれど、
やっぱり無理だよなー。十代の男の子には無理だ。

栗田有起「泣きっつらにハニー」
雑誌に掲載されていた「オモル・テル」(芥川賞候補)を
読んでから、注目していた作家さん。
ギャグや洒落じゃないのだけど、ナチュラルにおかしくて、
でも胸にしみこむ要素もしっかりある。好き

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