金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
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128:樫崎茜 『ボクシング・デイ』

2010-07-29 16:59:51 | 10 本の感想
樫崎茜『ボクシング・デイ』(講談社)
★★★★☆

「ち」と「き」の発音がうまく使い分けられず、
小学4年生の栞は、学校の特別教室で行われる
佐山先生の「ことばの教室」に通う。
校庭のセコイアの伐採、校庭のブロック画に描かれた
「スイミー」のささやき……
少女を取り巻く世界と、揺れる心を描いた物語。

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タイトルから、格闘技のボクシングの話なんだと
思ってたら、まったく違った。
12月26日を「ボクシング・デイ」というんだって。

すっかり忘れていた小学校時代の校庭や教室の場面が
記憶の底から浮かび上がってきた。
栞も千晶くんも敦志くんも、可愛くていとおしい。
やさしい空気に満ちたお話。
「ち」と「き」の発音が苦手で
千晶くんを名前で呼べなかった栞が、
彼の名前を呼ぶエピソードがいい。
明らかな恋愛の要素はないんだけど、
千晶くんが出てくるたびににこにこしちゃう。

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