金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
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28:北村薫 『街の灯』

2006-02-02 14:11:20 | 06 本の感想
北村薫『街の灯』(文藝春秋)
★★★★★

久々の北村薫。
「円紫さんと私」シリーズが大好きだったのだけど、
この作者の本を読むのは五年ぶりくらい?
今回の本は昭和初期を舞台に、上流階級の令嬢英子と
お抱え運転手の女性「ベッキーさん」が活躍する日常ミステリー。
おもしろかった!
手をつけるまでに時間がかかったけれど、読み始めてからはあっというま。
北村作品の文章を読むと、いつも「清潔」という言葉を思いうかべる。
女性の描き方がとても同性好みな感じがして、好きで、
作者がまだ覆面作家だったころ、
「この人は絶対に女性だ!」
と思ってました(はずれた……)。
表題作「街の灯」の道子さんの言葉がなぜだか悲しい。
「わたしが会えるのはすべて駄馬なの」というところ。

この「本格ミステリ・マスターズ」というレーベルは、
ほかに恩田陸『夏の名残の薔薇』しか読んでいないのだけど、
いつも巻末に作者インタビューが入ってるのかしら?
ちょっと変わったつくりになってて面白い。

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2 コメント

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北村先生=宮本先生 (Dancho)
2007-02-23 22:08:01
はじめまして。Danchoと申します。
mitamuraさんのブログをたどって、こちらに参りました。

北村薫…本名は宮本和男先生。

作家に転進する前は、母校の埼玉県立春日部高校で教壇に立たれていました。
小生も春日部高校の出身で、高校3年生の時、宮本先生の現代国語の授業を受けています。
したがって、小生が応援団で活躍していた姿を、宮本先生はご存知のはずです。

それはさておき、授業も素晴しかったです。森 鴎外の「舞姫」の授業…忘れられません。

実は、その時から「覆面作家」として、デビュー作「空飛ぶ馬」を執筆なさっていたのでしょうね。

折に触れ、宮本先生の本を手にしては読んでいますが、宮本先生らしさ半分と、それに似合わないストーリー展開で、ハッとさせられます。
でも、読者や作家の方々の評価も高くて、「すごいお方の授業を受けていたんだな」と思うと、身震いします。

『街の灯』は、まだ読んでいない本です。
晶子さんの評価が高い本なので、読んでみようと思います。

情報、ありがとうございました。

これからも、よろしくお願いします。
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はじめまして! (晶子)
2007-02-25 21:14:31
Danchoさん、ご訪問ありがとうございます

書評関係の本でしばしば「北村先生の授業を受けたい!」というコメントを見かけますが、本当に教え子の方が……!
「舞姫」の授業、うらやましいです!
作品の中に教室の風景が描かれていたりすると、教え子の方たちは感慨深かったりするのでしょうね。
貴重な体験談をありがとうございました。
北村先生の著作はまだ全制覇しておりませんので、おすすめがあれば教えてくださいませ
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