金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
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23:恩田陸 『蜜蜂と遠雷』

2017-02-02 20:52:54 | 17 本の感想
恩田陸『蜜蜂と遠雷』(幻冬舎)
★★★☆☆3.5

【Amazonの内容紹介】

俺はまだ、神に愛されているだろうか?

ピアノコンクールを舞台に、人間の才能と運命、
そして音楽を描き切った青春群像小説。

著者渾身、文句なしの最高傑作!

3年ごとに開催される芳ヶ江国際ピアノコンクール。
「ここを制した者は世界最高峰のS国際ピアノコンクールで優勝する」
ジンクスがあり近年、覇者である新たな才能の出現は音楽界の事件となっていた。
養蜂家の父とともに各地を転々とし自宅にピアノを持たない少年・風間塵15歳。
かつて天才少女として国内外のジュニアコンクールを制覇し
CDデビューもしながら13歳のときの母の突然の死去以来、
長らくピアノが弾けなかった栄伝亜夜20歳。
音大出身だが今は楽器店勤務のサラリーマンで
コンクール年齢制限ギリギリの高島明石28歳。
完璧な演奏技術と音楽性で優勝候補と目される
名門ジュリアード音楽院のマサル・C・レヴィ=アナトール19歳。
彼ら以外にも数多の天才たちが繰り広げる
競争という名の自らとの闘い。
第1次から3次予選そして本選を勝ち抜き優勝するのは誰なのか?

**************************************************

祝・直木賞受賞。

先輩に貸してもらった。
音楽の素養も音楽への興味も、まったくといっていいほどないけれども、
実際には聞くことのできない音楽を、
文字から形成されるイメージで伝えてくれているので
特に支障なく楽しめた。

たぶん、これまでの恩田作品の中でいちばんオタク要素(※)が少なく、
一般受けしそう。
(※漫画とかアニメっぽいということではない。
  オタク気質の人が喜びそうなマニアックな知識や要素が恩田作品には多い気がする)
そして、恩田作品と言えば、「壮大な肩透かし」なのだけども、
これは見事に盛り上げてきれいに終わっている。

個人的には明石がいちばん好き。
彼にもちゃんと救いがあってよかった。

2段組みでなおかつ厚いので、文庫落ちするときは分冊になるだろうな……。



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