金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
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岩瀬成子『となりのこども』

2006-06-03 15:25:22 | 06 本の感想
本の感想110:岩瀬成子『となりのこども』(理論社)
★★★☆☆

日常の中にある、小さく繊細な子どもの世界を切り取った短編集。
「あたしは頭がヘンじゃありません」のみは老女の視点で語られていて
やや異色。
それぞれの話が少しずつリンクしているというよくあるタイプの
構成なのだけど、「二番目の子」だけはつながりがわからなかった。
「二番目の子」は女の子の集団の中での雰囲気がよく出ていて、
途中、ちくちくと胸をさされる気がした。
子どもが友達相手に急にデスマス体でしゃべる場面が
何度か出てくるのだけど、なんだかムカつきます。
こういうしゃべり方する小学生ときどきいるよ!
字面だけ丁寧でもちっとも敬意がこもっていない良い例です。
いちばんおもしろかったのは「夜の音」。
兄がまきこまれたトラブルの顛末を小学生の弟の視点で描いたお話で、
男前なおにいちゃんと、ラストが好きでした。

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