金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
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192:伊坂幸太郎 『重力ピエロ』

2006-09-18 19:11:21 | 06 本の感想
伊坂幸太郎 『重力ピエロ』(新潮文庫)
★★★★☆

このところ本も読めない状況だったのですが、
なんとか落ち着きまして。

非常に重いテーマを含んでいるのに、ライトな雰囲気で
さくさく読めてしまった。
「本当に深刻なことは、陽気に伝えるべきなんだよ」
というセリフを体現しているかのよう。
放火と落書きと血のつながりについての物語だけれども、
ネアンデルタール人とクロマニヨン人、ガンジーに遺伝子などなど
ちりばめられた知識とエピソードが効果的にはたらき、
結末に向けて集約していくのがみごと。
もう一度読まないときちんと感想が書けない気もするのだけど、
やさしいお話だと思いました。
この小説における春の行為の、他人から見た是非は
やっぱり問題ではないと思う。

『ラッシュライフ』を読んだときに、『チルドレン』のほか
いくつかの作品とリンクしているようだったけれど、
そのうちの一つがこれなのですね。

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