金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
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1:吉川英梨 『葬送学者 鬼木場あまねの事件簿』

2018-01-13 17:30:09 | 18 本の感想
吉川英梨 『葬送学者 鬼木場あまねの事件簿』(河出書房新社)
★★★☆☆

【Amazonの内容紹介】

「結婚式が自己顕示欲にまみれたただのフェスティバルだとしたら、
お葬式こそが人生最大の愛のイベントである」
葬送儀礼の研究のため、全国を巡り実地調査を続ける鬼木場あまね。
土葬の慣習がのこる地域の葬儀を取材できることになったのだが…
葬送儀礼に魅せられた美人助手鬼木場あまね、
柳田國男オタクの民俗学教授福満博美。
一癖あるふたりが繰り広げる葬送学ミステリ!!

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初作者さん。
葬送という民俗学要素の織り込まれた、
コメディタッチのキャラミス。
ところどころに差しはさまれる下ネタで
人を選びそうだけど、
個人的には嫌いじゃない。

4編のうち最初の3編は、謎に関するネタは興味深いものの
ストーリーの展開にはあまり乗れないなあ……
という印象だったのだけど、
最後の「鍋かぶり葬」がおもしろい。
設定は作りこまれているし、謎解きも爽快。
複数のストーリーラインが先を読ませずに
きれいに着地して、お見事。

仁平とあまねの関係など、
きれいに締められてはいないので
続編は出そう(売上次第かな?)。
福満が気持ち悪いので、ふたりの恋の行方は
まったく気にならない……というか、
進展してほしくない。


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