金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
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41:川上健一 『雨鱒の川』

2006-02-15 14:34:48 | 06 本の感想
川上健一『雨鱒の川』(集英社文庫)
★★★★☆

『翼はいつまでも』がよかったので買ってみた。
映画化もされていたようですね。
田舎の純朴な男女を主人公にした、ストレートな初恋の物語。
『翼はいつまでも』のようなテンポのよさはなく、
特に前半の描写は退屈に感じてしまった。
しかも主人公の社会不適応者ぶりといったら。
あんたたちこれからどうすんべ?と心配になりましたが、
物語の流れは美しくて、読んだあとできれいな余韻が残った。
幼なじみの英蔵が泣かせる……!
ジャイアンのごとく登場したものの、子どものころから小百合が大好きで、
一貫して小百合をかばってるの。
最後はやっぱり脇役の宿命か……と言う感じで、
小百合に恋心を利用されてしまった感もあるのだけど、
ラストの彼の選択にはほろりと来てしまいました。

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