金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
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138:アンソロジー 『恋愛小説』

2005-11-13 12:45:45 | 05 本の感想
アンソロジー『恋愛小説』(新潮社)
★★★★☆

川上弘美、小池真理子、篠田節子、乃南アサ、よしもとばなな、
五人の女性作家による恋愛アンソロジー。
酒ばっかり出てくるなあ……と思ったら、もとはサントリーとの
コラボレーションで出ていたものなのね。
好きな作家さんが多くて読み応えありの一冊でした。

篠田節子「夜のジンファンデル」
ストイックなのに官能を感じさせる。
この人の話を読むのは本当に久しぶりだけど、うまいなあ、好みだなあ。
相手は利己的で無神経な男だけれど、憎めない感じがする。
主人公の乾いた視点も◎。

よしもとばなな「アーティチョーク」
なんだかよくわからないが、読みながら泣いてしまった。
お酒を愛したおじいちゃんの思い出と、終焉を迎えそうな恋人との関係を
描いたお話。
「思い出作り」って嫌いなんだけど、思い出の効用というのはあるのだろう。
いっしょにいったお店、いっしょに飲んだ、食べた、おいしいもの。
よい思い出は、めぐりめぐって未来にやさしいはたらきかけをすることがある。
胸に刻んでおきたい。
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