金木犀、薔薇、白木蓮

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映画:『ブルックリン』

2016-08-01 20:33:10 | 映画の感想
映画:『ブルックリン』(ジョン・クローリー監督)
★★★☆☆

【シネマトゥデイの内容紹介】

アイルランドの町で暮らすエイリシュ(シアーシャ・ローナン)は、
きれいで仕事もバリバリこなす姉ローズ(フィオナ・グラスコット)とは
正反対だった。
内気な妹の未来を心配するローズの考えもあり、
エイリシュはニューヨークに渡ることを決意する。
だが、田舎町での静かな生活とは全然違う暮らしが彼女を待ち受けていた。

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映画館にて。
なにやらずっとプッシュされていたので見てみた。

たいへん意地悪く言ってしまえば、
「都会に出てきてつまずきながらも仕事と恋愛のスキルを身に着け垢ぬけた女が、
 故郷に帰ってちやほやされて、故郷の男と都会の男の間で揺れる話」。

見ている間じゅう、
「うーん、老けてる点をのぞけば、どう考えてもスペックは故郷の男の方が勝ち。
 しかし、見ている側としては、浮気は許せんので都会の男のほうに戻ってほしい。
 この葛藤によって、観客がヒロインを許しやすくなってる。
 スペックの設定がうまい」
と意地の悪い分析をしてしまった。

結局都会に戻るのだが、その理由というのが、ひそかに結婚した相手を思うゆえではなく、
故郷の意地の悪い女からその事実を理由に脅され、田舎の嫌なところを思い出させられたから……
というのが、なんともすっきりしない。
しかしまあ、繰り返し書くが、いい雰囲気になっている故郷の男の方が
スペックは高いんである。
現実には、この状況なら、「この場所がイヤ」くらいの動機がないと都会に戻らないよね……と
納得できるような気もするのだった。
結婚したことを隠してフタマタかけるヒロインに嫌悪感を抱く人もいるだろうけど、
わたしは嫌いじゃないよ。
アメリカへ行く前の故郷での日々を思えば、そりゃあ、浮かれちゃうよね。


素材はいいのに地味でやぼったかったヒロインが、
スクールカーストなら上位にいるであろう女たちから、
食事のマナーを教えられたり服を見立ててもらったりと
何やかやと親切にされて、磨かれていくのは、
女子同士の関係性としてなんとなく理解できる気がする。

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