金木犀、薔薇、白木蓮

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141:勝間和代・香山リカ 『勝間さん、努力で幸せになれますか』

2012-11-02 08:05:56 | 12 本の感想
勝間和代・香山リカ『勝間さん、努力で幸せになれますか』(朝日新聞出版)
★★★☆☆

ずいぶん前に、「勝間vs香山!」という感じで話題になっていた本。
女子プロレスを見るような野次馬的な気持ちで手に取ったのだけど
いろいろと考えさせられてしまったな。

わたしは基本的に、仕事においては
「怒られたくないから最低限のことはきちんとやる」
という態度で臨んでいて、積極性にも向上心にも欠けており、
読む前には、どちらかというと香山さんの方を応援したくなると
思っていたのだが、予想外に勝間さんの言っていることの方が
よくわかった。
これはわたしが、努力が報われる世界にいるからなんだろうか……。
この本→★を読んだときになるほど、と思ったことがあって、
本が手元にないので記憶が曖昧だが
「現在は勉強して高い学歴を手に入れれば、
 必ずしもよい結果を手に入れられる社会ではなく、
 報われないリスクもある。
 しかし、リスクがないようにふるまうことのできる層は、
 リスクを回避できる」
ということ。
努力が報われる層と、そうでない層では事情がまったく違うので、
報われる層代表=勝間さん、報われない層代表=香山さん、の
スタンスで話している限り、統一見解は生み出せないよね、と思った。
(でも、ほんとは香山さん自身は勝間さんと同じ側だよね)
「幸せとは何か」「努力は楽しいか」「仕事で幸せは得られるか」等々、
どの問いも経験則からしか答えが出せないし、自分以外のサンプルというのも
結局自分と接点のある人=自分と似た境遇の人になるだろうし。
人それぞれだよね、と言ってしまうのは単なる思考停止なのかしら??

勝間さんが相手の主張を認めつつ角を立てない言い回しをしている
(でも自分の主張は曲げないのだが)のに対し、
いきなり「自分と違う人間がいるということ、わかります?」と言ったり
「今後は、遠くからご活躍をお祈りしています」と書いたり、
香山さんの方はずいぶん大人げないと思った。
香山さんが勝間さんに噛みつく、というコンセプトの本なので
その役割にふさわしい振る舞いをしているのだと思うけれど。

会議のときにはいつもそうなのだが、
話しているうちに論点がどんどん移り変わっていくので
頭の回転の遅い私は「今は何について話しているの?」と
ついていけなくなる。
対談形式のこの本を読んでいても同じで、
論点をすぐに見失ってしまう。



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