らいちゃんの家庭菜園日記

家庭菜園、家庭果樹栽培及び雑学日記

枕詞「あをによし」と 観光特急

2022-04-26 | 地元紹介

先日、近鉄は観光特急「あをによし」を大阪難波駅~近鉄奈良駅~京都駅間にデビューさせることを発表しました。
同社広報によると、車両名称の「あをによし」は、日本の歴史や文化、食を誇る大阪、奈良、京都の三都を乗り換えなしの直通で結ぶ観光特急列車です。
車内は古都奈良の正倉院の宝物をモチーフとした天平文様などのデザインを多用しており、乗った瞬間から歴史、文化を感じられる仕様で、リラックスできる環境が整えられているようです。
座席は2名用の「ツインシート」と3~4名用の「サロンシート」の2種類で、座席数は84席とゆったりとくつろげる座席配置となっているということです。
加えて、旅の楽しみが増す販売カウンターを設置するなど上質な旅のワンシーンを飾る観光特急を目指していると発表していました。

全国の皆様、関西へお越しの際はぜひ一度ご乗車してみては如何でしょうか?



「青丹(あおに)」
ところで、「あをによし」の「あおに」とはどのようなものなのでしょうか?
「青丹(あおに)」とは、岩緑青(いわろくしょう)の古名です。
昔、平城(なら)の地の北側の丘陵地帯で良質なものが産出されていたことから生まれた語で、「青(あお)」は現在の緑、「丹(に)」は土を意味し、緑みのある土の色を指しています。
「青丹」は顔料や化粧料の黛(眉を書く墨)に使われた青粘土のような暗く鈍い黄緑色です。

・これが青丹(あおに)色です。

「奈良の枕詞の由来」
では「あをによし」が奈良の枕詞となったのは何故でしょうか?
その前に、枕詞とは、広辞苑によれば、昔の歌文に見られる修辞法の一。特定の語の上にかかって修飾または口調を整えるのに用いる言葉。と説明しています。
このように、主として和歌に見られる修辞で、特定の語の前に置いて語調を整えたり、ある種の情緒を添える言葉のことを言います。

「あをによし」の「あをに」は「青丹」と表記され、前記したように、奈良は良質の青土が取れることから「青丹よし」という褒め言葉として奈良にかかる枕詞が出来たとも、或いは、平城京の華々しい朱色(に、丹色)に、木々の緑(あお、蒼色)が映えている様からとも言われています。

「万葉集」
その枕詞を使用した有名な和歌が万葉集にあります。
奈良時代の貴族で歌人である小野 老(おののおゆ)が詠った皆様よくご存じの歌です。

「あをによし 寧楽(なら)の京師(みやこ)は   咲く華の  薫(にほ)ふがごとく  今盛りなり 」
 小野 老(万葉集巻3-328)

「意訳」・・・「すべてがすばらしい奈良の都は、花が咲き乱れて、よい香りが漂っている頃のように、今、真っ盛りで賑やかなことよ」

この歌は、小野 老が大宰府(現福岡県太宰府)の地に大宰少弐として派遣されていた時、奈良の都を賞讃して詠んだとされる望郷歌とも、出張帰りの時に都を懐かしむ上司の大伴旅人たちに奈良の華やかな繁栄の様子を報告した歌などとも言われています。

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2 コメント

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青 丹  (iina)
2022-04-27 09:33:35
「青丹(あおに)」の色合いが、なかなか好いです ^^
https://blog.goo.ne.jp/iinna/e/e0ff02ba59ae08154068bac0cca16d62

近鉄難波駅~近鉄奈良駅~京都駅間に、観光特急「あをによし」を走らせるとは、たのしみが増えましたね。
折角、「あをによし」の名ですから、車体を「青丹」に塗ればと思いました。

    特急
    あをによし 気品のムラサキ 車体とす / iina

花が匂う (hide-san)
2022-04-30 17:48:14
高校生の古典で、「花が匂う」は満開になったと言う意味だと、教わったままです。

と同じように「あおによし」が奈良の都の枕詞だと覚えました。
なんの意味もないのかと思って居ましたのに、
それなりの意味があったのですね。

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