湯・つれづれ雑記録(旧20世紀ウラ・クラシック!)

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☆サン・サーンス:アフリカ

2018年01月21日 | フランス
○作曲家(P)(ARBITER他)1904/6/26・CD

2006年初出「フランス・ピアノ伝統の創始者たち 1903-1939」所収。驚くべき初出音源も含むこのSP復刻を中心とする良心的なレーベル、雑音慣れしているならその状態の悪さをおしても出そうとする心意気に共感してどれでも聞いてみてほしい(新しい録音や知られざる演奏家モノも出している)。この曲はサンサンが積極的にオリエンタリズムを「あくまで素材として西欧音楽のイディオムに取り入れた」ものの典型である。更に過去のモーツァルトなどの作曲家にもこのような異国ものはしばしば見られるが、その延長上にあるとも言える。旋律とリズムに新奇なものを取り入れているものの全体としてこれは非常に巧く西欧化された、というかサンサン化された職人的作品となっていて、ピアニストの腕をそつなく見せ付けることのできる小品にすぎない。サンサンの腕は言うにおよばず、けっこう録音を残しているがいずれもパラパラ胡麻を撒くようなそつない指先のタッチがかっこいい。ケレン味の一切ない品のいいものだ。短いのでこれ以上は言及不可。○。

※2007-12-03 13:17:35の記事です

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