国際情勢の分析と予測

地政学・歴史・地理・経済などの切り口から国際情勢を分析・予測。シャンティ・フーラによる記事の引用・転載は禁止。

常温核融合と海水淡水化技術は日本による中国間接支配の切り札となるか?

2007年01月18日 | 常温核融合・重力遮蔽・生物兵器などの超先端科学技術
●現代の錬金術、核変換(常温核融合)の日本における実用化はパックス=ジャポニカを実現するか?
http://blog.goo.ne.jp/princeofwales1941/e/9f8b5893ee63e252dcaa0de25f1e8266




この記事で私は過去に常温核融合問題に触れたが、「虎の尾を踏むな」という関係者の警告とも思えるコメントが相次いだので、日本の国益を考慮してその後この問題には一切触れないでいた。しかし、そろそろ常温核融合について分析を再開してよい情勢になっている様にも思われる。常温核融合の技術開発では日本は世界最先端とされており、近い将来に化石燃料を代替するエネルギー源の主役になることは間違いないだろう。

いわゆる「水素燃料」は化石燃料等から水素を取り出した上でその水素を燃焼させるシステムである。貯蔵・輸送・燃焼させやすい化石燃料を直接使う方が簡便だ。(ただし、最近の燃料電池は性能が向上しており、内燃機関よりエネルギー効率が高いという話もある)いずれにせよ、化石燃料の枯渇に対する抜本的対策には成り得ない。しかし、水素燃料と燃料電池システムに固執する江田島氏だけでなく、ムダを許さないはずのトヨタ自動車さえ、水素を燃料とした自動車の開発に多額の資金を投じている。そして、その研究の中心は、安価・高効率の水素ガスの生産ではなく、水素ガスの輸送方法なのだ。具体的には水素を金属に吸着させる手法だが、これは常温核融合(核変換)の研究と重なる。常温核融合は金属に吸着された水素原子が常温で核融合(核変換)を起こす現象だ。石油ドル体制を基盤とする国際金融資本の虎の尾を踏まないために、トヨタは常温核融合の研究の明目を水素燃料であると偽装しているのだと思われる。そして、民間企業が研究に参入することは、基礎研究が既に終了しており応用段階に突入していることを示すのだろう。

また、江田島孔明氏が「ロシアの化石燃料支配によるエネルギー覇権は近未来に消滅する」と口を滑らせたのは、近未来の常温核融合の実用化の目処が立っていることを示していると思われる。常温核融合の難易度の高さは技術問題ではなく政治問題ということだ。「砂漠地帯で燃料電池により化石燃料から農業用水を大量生産」というプランも、化石燃料の将来の枯渇を考えると非現実的であり、これは「常温核融合のエネルギーで海水から大量の淡水を作る」計画を偽装したものではないかと思われる。

中東産油国は油田枯渇後、あるいは常温核融合実用化による石油価格暴落後の自国の運命を憂慮している筈だ。仮に日本が常温核融合を実用化して二酸化炭素の排出なしに海水から大量の淡水を作って中東の砂漠を緑化することが出来れば、農業国に変身して生き延びるという明るい希望を与える事になる。地球温暖化で中東の降水が増える可能性もあるが、降水量の変動が非常に大きくなると思われるので、恐らく天水のみに依存した国家経営は不可能だろう。その他、石油を利用した化学工業、地政学的位置を生かした金融・貿易の中継も「面白い発想だが」さんが指摘している

イスラム諸国の脅威を封じ込めたい欧州・ロシアにとっても、日本等の先進国が中東の淡水供給を握ることは歓迎されるだろう。現在議論されているイラクの分割を含めた中東の国境線の引き直しにも関わってきそうだ。ただ、現在の中東諸国は自前の石油で海水を淡水化する能力もある。この技術によって中東を間接支配するのは現状では困難かもしれない。この点については、「面白い発想だが」さんが『これには国際金融資本が別な方法を提示しそうです。かつてナチスドイツにやらせたのと同じ方法を使うのではないかと予想しています。中東にはまだ親国際金融資本の国があり、彼らに協力させることはできるでしょう。もちろん、上の「歴史的和解」とはまったく逆の展開になります。ここでもイスラエルの行方が鍵なのです。』とコメントしている。

更に、仮に日本が常温核融合技術を握ることが出来れば、中国の黄河流域(北京・天津を含む)に日本が大量の淡水を供給することでこの地域の深刻な水不足を解決することが出来る。また、日本が国内に設置した核融合炉から東シナ海経由で中国に送電する形式、あるいは現地に設置した核融合炉のメンテナンスを中断する形式で中国への電力供給や華北への淡水供給を停止する力を握るならば、中国の命綱を日本が握ることになり、それを武器にして中国の脅威を封じ込めることも可能になると思われる。中国は主要エネルギー源の石炭の供給が限界に達し始めており、石油・天然ガスも国内生産では内需をまかなえない。日本が天津・北京、上海、香港の三カ所を拠点に中国全土の電力供給を支配するならば、現在の日本が国際金融資本に石油供給を握られて間接支配されているのと同様の形で日本が中国を間接支配することになるのだ。常温核融合実用化で化石燃料価格暴落の打撃を受けるロシアも安全保障面での大きなメリット故に日本に協力することだろう。

南船北馬という言葉の通り、中国の水不足は黄河流域などの北部に集中している。日本が電力供給に加えて淡水供給を支配することで中国を間接支配する戦略を採る場合、統一された中国と分裂した中国のどちらがよいのかは非常に重要な問題だ。

この点については「面白い発想だが」さんが『これはまず日本の体制がどうなるか次第でしょう。現在進行中の憲法改正や核武装などが行われるかどうかで変ってきます。華北地域の水不足は現在も深刻で黄河は内陸河川に近い状況になっています。このため、水流の豊富な揚子江の水を壮大な運河で北に運ぶ計画を作っています。この計画は南の人間は当然面白くなく、これが分裂のきっかけになるかもしれません。ことし中国共産党大会があるはずですので、この運河の話が出てくるでしょう。また、華北の砂漠化が進行すると、数億人あると思われる人口を養うことができず、難民化します。南側はいまでもたくさん人が住んでいるので、温暖化が進行した場合、北に向かうと予想されます。これは東シベリアの人口構成を劇的に変えてしまい、ロシアには好ましくないです。中国が分裂した場合にチベットと東トルキスタンが独立することになりますが、民族問題という以上に中央アジアの勢力地図を変えて、背後にあるインドやイスラム勢力が中央アジアに影響を及ぼすことが予想されます。JJ予知夢でもチベットの独立は中国分裂後しばらく経ってからになっています。もちろんこれは願望でしょう。今の中国は帝国であって、中国自身以外にも検討すべきファクターはたくさんあります。統一していた場合には、日本が直接かかわるよりは、当面ロシアの天然ガスと石油で中国を養い、困ったときだけ水素をやるというのが良いと思われます。石油暴落後のロシアの苦境も間接的に助けることができます。』とコメントしている。

私の意見としては、分裂した状態で発展した中国が将来始皇帝のような指導者により統一されれば、東アジアの覇権は一挙に統一中国に移行してしまう。それは日本やロシアの安全保障に脅威となる。また、災害などで被害が出た場合に他の地域から支援させるシステムを作ることで、中国に対する間接支配のコストを下げることが出来る。従って、完全には分割せず、満州、北京+天津、華北、上海、華中~四川省、台湾、華南、香港、チベット、ウイグル、内モンゴルから成る連邦制システムにするのが良いと思われる。その上で、連邦から離脱するかどうかは地域住民に任せれば良いだろう。この連邦制の要は英国植民地として発展した香港、日本が多額の企業投資により育成した親日地域である上海、日本の淡水供給システムにより生活用水の供給を日本に支配された北京+天津の三大都市圏になる。上海は年間を通じ可航である揚子江の河口に位置しており、揚子江流域の水運を支配できる要衝である。また、北京・天津は満州と華北平原とモンゴル高原と渤海の四地域に接した要衝である。香港も南シナ海北岸の要地である。この三地域を日本が押さえて、その住民を「他の中国人より一段階上の文明度の人々」=「名誉日本人」として扱いその自尊心をくすぐってやるとともに、三地域を通じて日本が中国全土を間接支配するシステムを作るべきではないだろうか?

無論、中国人が常温核融合技術を開発して間接支配から将来脱出する可能性は存在する。従って、中国人が常温核融合技術を開発するまでの間に日本が中国の三大都市圏への間接支配を経済的・文化的に確立する必要が出てくるだろう。

以上のように、常温核融合は化石燃料代替エネルギーの切り札であり、日本はその開発で最先端に位置している。海水淡水化技術との結合による淡水供給システムは地球温暖化に由来する気候の不安定化への対策に加えて、中国とイスラムの命綱を握り封じ込めるという安全保障的意義も非常に高いと思われる。『20世紀は「石油の世紀」で、21世紀は「水の世紀」だ』とジャパンハンドラー氏が水ビジネスの重要性を主張するのは実はそのような意味合いだろう。少雨地域への陸上プラント建設と、異常渇水地域対策としての淡水供給船(大規模なものはメガフロート)の製造がこの水ビジネスの柱になると想像する。また、内陸・高地・寒冷地への淡水供給は、海岸地帯から水路を引くよりも水素ガスのパイプライン+燃料電池のシステムの方が有利かもしれない。離島へのエネルギー供給も、金属に吸着させて輸送する水素ガスに移行可能だろう。現在日本の大都市で推進されている都市ガスによる冷暖房+発電のコジェネシステムも水素ガス化可能ではないか。この点で、水素ガス(もちろん製造エネルギー源は核融合)+燃料電池のシステムも将来有望と思われる。


なお、仮に将来大規模な海水淡水化が実行される場合、取水地域では大量の高塩分の海水が排出される。これは、海洋の熱塩循環システムを通じ気候に影響を及ぼす可能性があり、その観点から取水場所の制限を欧州・ロシア・カナダなどが要求してくることも考えられる。現在の熱塩循環を考慮すると、海水の沈降地点である北大西洋(地中海含む)での取水が最も環境負荷が小さく理想的であろう。深海水の湧昇が起きている北太平洋地域での大規模な取水は問題になるかもしれない。




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7 コメント

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北極海の氷の消失について (面白い発想だが)
2007-01-19 22:48:03
燃料電池の発電効率は最近では火力発電に近いようです。(ソースはネット上にちらばっていました。)ものによっては、同等以上のものあるようです。燃料電池は発生する熱が生成する水に伝わって、温水ができますが、この温水も使用するとトータルの効率はさらに高くなるはずです。燃料電池は火力発電や原子力発電に比べると大規模なシステムに向かないようで、これが各家庭にそれぞれ分散して設置する分散型電源のコンセプトの源になっているようです。

遠隔地からの送電ロスや各家庭での暖房のエネルギー変換も考えると、燃料電池の電源を分散しているほうが、現段階でも最終的な効率はかなり優れると思われます。

> なお、仮に将来大規模な海水淡水化が実行される場合、取水地域では大量の高塩分の海水が排出される。これは、海洋の熱塩循環システムを通じ気候に影響を及ぼす可能性があり、その観点から取水場所の制限を欧州・ロシア・カナダなどが要求してくることも考えられる。現在の熱塩循環を考慮すると、海水の沈降地点である北大西洋(地中海含む)での取水が最も環境負荷が小さく理想的であろう。深海水の湧昇が起きている北太平洋地域での大規模な取水は問題になるかもしれない。

地球温暖化の影響がもっとも強く表れる北極海は現在急速に結氷面積が小さくなっています。全く結氷しなくなった場合に、北極海での塩分濃度の上昇が起こらず、海水の沈降が少なくなるなるはずです。このまま温暖化が進んだ場合に21世紀中に氷が消失することもあると言われています。

そしてこの北極海からの氷の消失は、気候の大変動だけでなく、派生する重大な問題をいくつかはらんでいます。
返信する
>北極海の氷の消失について (princeofwales1941)
2007-01-19 23:15:47
>そしてこの北極海からの氷の消失は、気候の大変動だけでなく、派生する重大な問題をいくつかはらんでいます。


地政学的には、海氷のために砕氷船しか従来アクセスできなかったロシアの北極海岸地域が通常船舶でも可航となり、ロシアの大部分がシーパワーのアクセスできないハートランドではなくなる(リムランドになる)ことが大きいですね。また、日本と欧州を結ぶ北極海経由航路が開設され時間が短縮される効果もあります。従来の東洋と西洋を結ぶ航路はインド洋経由でしたが、今後はインド洋と北極海の二本立てになるかもしれません。
返信する
Unknown (Unknown)
2007-01-20 02:59:28
燃料電池で潜水艦を作ったら音はどうなるかな?
二酸化炭素は発生せずに温水のみが。。。
返信する
Unknown (Unknown)
2007-01-21 09:50:27
温水出したらばれるんじゃない?
返信する
Unknown (レオニ)
2007-07-15 15:50:24
淡水化プラントってどこの会社がしてるの?
次の選挙で中国系の民主党が勝ちそうです。
これで日本の好景気も終わりですな。
返信する
Unknown (筆者)
2008-06-03 11:26:05
あなたは私の綱領をご覧になられたんでしょうか?主張の内容が酷似していますが。
返信する
地震に注意しろ!!!原発を止めろ (Unknown)
2008-06-03 23:19:46
先日公安の幹部と話をしました。アメリカは現在日本を押さえ込むネットワークを必死に使っているとのことです。アメリカが送り込んだ日本にいる全てのスパイ、アメリカの手先である日本人などをフルに使い、日本人を洗脳から「解放」させないように頑張っている。日本が「独立」してしまったら都合が悪い。
シーファー米大使は先週「いかにアメリカに軍事力があるか」という、まるで脅しのような記者会見を開いた。一国の大使がまるで日本を威嚇するかのような振舞いを記者会見でした。彼らのにとって日本での一番強い武器は「電通」である。日本の大手新聞社や民法は「電通」を怖がっている。戦後60年間日本人はアメリカによって調教されてきたが、その中でも一番要注意なのはフルブライト奨学金などにより、アメリカで教育を受けてきた日本人である。
先日もブログで述べたように、マレーシアのマハティール元首相は会見で「アメリカは世界の警察になるどころか、世界のチンピラと化し、人の頭を棒で殴って対話をするのは文明国家として相応しくない。」と非難をした。その場にいた英語がわかる日本人記者達は(普段ならアメリカの言いなりになるはずだが)、この発言に対して拍手喝采をした。外国人特派委員は非常に気まずそうな顔をしていた。

こういうことからも状況は変わってきていることがわかる。私が仮にCIAの特派員であったら、日本政府に必死になって「これからアメリカは変わるので気長く付き合って下さい。」とお願いをするであろう。アメリカは心を入れ替え、スマートな方法で世界と付き合うことを考え直した方が良い。
これからアメリカはオバマを広告塔に、暫く世界に優しい顔を見せる戦略であろうが、アメリカを操っている「秘密政府」が関係を持ち続ける限り、世界の人類を奴隷・家畜化しようとする計画はなくならない。
だから誰もが疑問を持つ「今」のうちがアメリカを「秘密政府」から解放する絶好のチャンスである。オバマが大統領になってからでは、優しいプロパガンダに世界の多くの人が騙されるであろう。
記事:
http://benjaminfulford.typepad.com/benjaminfulford/2008/06/アメリカを秘密政府から解放しなければ.html
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