ペトロとカタリナの旅を重ねて

あの日、あの時、あの場所で
カタリナと歩いた街、優しい人たちとの折々の出会い・・・
それは、想い出という名の心の糧 

セザンヌ ‐ コートールド美術研究所(4)

2014年12月17日 |  ∟イギリスの美術館

 何度か書いたので、またかとそっぽを向かれそう。
 ポール・セザンヌ(1839-1906/フランス/後期印象派)、小学の高学年になって教科書で初めて目にした絵画、というより絵である。

 美術評論誌にも、“ 近代絵画の父と呼ばれ20世紀絵画の扉を開いた ” とあって、教科書にも取り上げられたのだろう。

 その彼、南仏の小さな町エクス=アン=プロヴァンスで帽子の販売業を営んでいた裕福な家に長男として生まれ、父が知人と設立した銀行経営が成功、裕福な人生を送る。

 彼と同時代の画家、後期印象派の<ゴッホ>(1853-1890/オランダ)や<ゴーギャン>(1848-1903/フランス)、印象派・素朴派を代表する<ルソー>(1844-1910/フランス)など、困窮の中に絵を描き続けた人たちとはまた違った画業を歩んでいる。

 その彼の絵 「カード遊びをする人たち」から。
 本作は、彼が当時、関心を寄せていた労働者階級をモデルに、カード遊びに興じる人々を連作的に描いたもので、現在、五点が確認されているのだそうだ。

 三番目に描かれたのではないかとされる本作は、他の作品が、大勢の労働者が見守る中でカード遊びに興じる人物が描かれているのに対し、木机を挟み向かい合う二人の男に注目して描かれている。

 ところで、美術誌には、“ 本作にみられる風俗的主題への無思想的な取り組みには、盛期ルネサンスヴェネツィア派のティツィアーノ(1488-1576/イタリア)やティントレット(1518-1595/イタリア)など、過去の時代を代表する画家らの影響や関係性がしばしば指摘されている ” とある。

 が、当時の働く人々がどのように余暇を楽しんでいたのかを単純に見て取ればいいのかも知れない。

 もう一枚は、セザンヌを代表する風景画のひとつとされる 「サント=ヴィクトワール山と大きな松の木」。
 本作は、彼の故郷エクス=アン=プロヴァンスの東、サント=ヴィクトワール山を、生家ジャ・ド・ブーファン近郊からの視点で描いたのだそうだ。

 1880年代以降の彼の作品としては珍しいとされる署名された本作、先の 「カード遊びをする人たち」同様、同じモチーフで水彩、油彩合わせて複数手がけていることでも知られている。
 Peter & Catherine’s Travel. Tour No.907

 ※ 前号、コートールド美術研究所(3)へは、<コチラ>から入れます。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« お茶を濁す | トップ | 自律神経失調症 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

 ∟イギリスの美術館」カテゴリの最新記事