素人画家と酷評されたルソー(1844-1910/フランス/印象派・素朴派)をいち早く認めたとされ、自身奇人とも奇才の画家ともされるスペインが生んだ天才パブロ・ピカソ(1881-1973/キュビズム)。
彼の作品は著作権管理が厳しく、絵の解釈と同様に入手が難儀、公式HPや美術サイトなどからは無理。
美術館に行って写真、勿論撮影可が条件だが。を撮るか、画集などからスキャンするしかない。
その聊か入手が難儀な奇才の絵は、「果物鉢と瓶とヴァイオリン」。
正直に言えばちんぷんかんぷん、何が何だかさっぱり判らない。
手抜きする訳じゃないが、本作ばかりは解説書に頼らざるを得ない。
そこに、なるほどそういう風に眺めればじゃなかった、観ればいいという風なことが書いてあるので、まま引用する。
― この絵を横にしてみれば、この《果物鉢と瓶とヴァイオリン》の構図がいかに成功しているかが直ぐに解るだろう
黒い線が緑に導かれて絵をほぼ半分に分割、また大きな曲線から最小の曲線に至るまで、形は響き合い韻を踏んでいて、上下を逆さにしても変わりようのない多様性、安定感、面白みがある
もう一度、絵の正しい側を上にすると、観る者はテーブル・クロスとテーブル、新聞、葡萄、そしてヴァイオリンを見つける楽しみをおまけとして受け取ることになる
芸術は自らの創造力以外にいかなるメッセージも持つことはない、というのがこの絵のメッセージである ―
なるほど、天才が奇人の衣をまとえばこういう絵になるのか、と、甚(いた)く感心するやら呆れるやら。
Peter & Catherine’s Travel. Tour No.867
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