ペトロとカタリナの旅を重ねて

あの日、あの時、あの場所で
カタリナと歩いた街、優しい人たちとの折々の出会い・・・
それは、想い出という名の心の糧 

ドガ ‐ コートールド美術研究所(5)

2015年01月05日 |  ∟イギリスの美術館

 ロンドンのコートールド美術研究所に印象派の名画を訪ねる旅、気儘にも思い出したように投稿している。

 今回の絵は、舞台や稽古場で踊ったり談笑したりする踊り子。
 そのバレリーナ、踊り子の絵、画家の名前は知らずとも一度は見られた方は多いと思うのだが。

 描いたのは競馬、舞台、踊り子など都会的なものから、日常生活に見られる風俗的なものまで、実に幅広く多様なモチーフを採り上げた印象派を代表する巨匠エドガー・ドガ(1834-1917/フランス)。

 晩年には視力が落ち彫刻家としても活動する彼、30歳の頃に歴史画でサロン初入選という、比較的遅い画壇デビューを果たしている。

 この頃から都会的や風俗的なモチーフを採り上げるようになり、印象派の先駆者マネ(1832-1883/フランス)に出会い、彼の工房近くのカフェで同派の画家たちや批評家や文筆家らと交友を重ねたとされている。

 その彼の都会的モチーフのひとつ、「舞台の二人の踊り子」が今回の絵。

 美術書に拠れば、“ 描かれた場面が、本番公演の最中なのか練習風景の場面であるのか定かではないが、鋭い観察眼によって感情豊かに描かれるその表情や姿態などに、ドガの卓越した個性的な絵画表現が随所に示されている ” のだそうだ。

 本作は油彩だが、数多く手がけた<バレエの踊り子>を画題とした作品、パステルでも傑作を遺している。

 ところで本作に登場する二人の踊り子、彼の傑作、「<舞台のバレエ稽古>」(オルセー美術館蔵)や「<バレエの舞台稽古>」(メトロポリタン美術館蔵)にも登場していることも、“ 特筆すべき点のひとつ ” と美術書は教えてくれる。
 同じモデルなんだだよ、と鼻をうごめかされても、そうなの?としか感想は持ちようがない・・・、両作品とも対面はした身なれども。
 peter & Catherine’s Travel. Tour No.916

 ※ 前号、コートールド美術研究所(4)へは、<コチラ>から入れます。


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