ねこ庭の独り言

ちいさな猫庭で、風にそよぐ雑草の繰り言

アメリカは、北朝鮮を核爆撃する -2

2016-09-14 17:50:48 | 徒然の記

  日高氏の説明によるとアメリカの基本戦略は、「核兵器を持たない国に対しては、核兵器を使わない。」というもので、アイゼンハワー大統領以来暗黙の原則となっているという。

 アメリカが金正日を核兵器で攻撃しようと考えている理由を、氏が二つ挙げる。「一つは、金正日が核兵器を持ったので、核兵器で攻撃することに、アメリカが良心の呵責を何も感じなくて済むようになったこと。」「今一つは、北朝鮮が行っている、テロリストへの支援をやめさせるには、核兵器の使用が最も効果的だと考えていること。」

 2001年9月11日の同時多発テロ事件以来、ブッシュ政権とアメリカ国民は、テロへの激しい敵意を燃やしている。

 「ブッシュ政権は、北朝鮮が重要だから戦うわけでなく、北朝鮮とテロリストとの関わりを憎み恐れているから戦うのである。アメリカの兵士の血と汗に値しない国であるがゆえに、核攻撃が一番安全で、効果的だと思っている。」

 アメリカ国防政策委員会の議長だったリチャード・パール氏が、日高氏に次のように語っという。

 「北朝鮮は、そのうち自分の重みで崩壊する。北朝鮮は、アメリカが攻撃する前に無くなってしまうはずだ。」

 当時こうした予言は珍しくなく、国防総省やホワイトハウスの関係者は、北朝鮮の自己崩壊を信じていたらしい。ところが今になっても崩壊しないため、米国の政府関係者が次のように語り始めた。

 「いまだに北朝鮮が存在しているのは、日本のパチンコマネーが北朝鮮に注ぎ込まれているからだ。」「北を爆撃する前に、ブッシュ政権が行わなくてならないのは、パチンコマネーや株など日本からの資金を止めてしまうことだ。」

 平成14年頃、米国でこのような議論が起こっていたことを初めて知った。パチンコマネーのいかがわしさは、14年も前から問題視されていたのだ。

 ブッシュ政権首脳は、この事実に猛烈な怒りを燃やし、北朝鮮からの亡命者を含む関係者から、調査を開始したという。氏がNHKの元社員なのでどこまで本当の話なのか、確認する術がないが、まんざら嘘でもなかろうと、本の叙述を引用してみよう。

 「小泉政権の協力がなければ、不正な資金を北朝鮮に送ったり、技術を横流ししている政治家や、企業を捕らえることができない。」「北朝鮮に通じている政治家といえば、小泉政権に対立しているグループである。ブッシュ大統領が人質の救出に協力すると言ったのは、テロとの戦いに日本の協力が要ったからである。」

 はっきりと書かれていないが、小泉首相が北朝鮮を訪問したのは、アメリカ側の協力と了解があったからだと、氏は言う。当時の小泉首相は、国民の人気が高かったものの、自民党内は勿論野党からも攻撃され、政界では孤立した政治家だった。

 だから、パチンコマネーにからむ、不正な政治家の逮捕に協力する力もなかったし、その気も持っていなかった。今になって分かることだが、郵政改革にしろ、拉致問題にしろ、小泉首相の強い愛国心から出たものでなく、国民の興味と関心を引くものなら、なんでも良かったのだろう。ポピュリスト政治家らしい、その場かぎりの人物だった。

 平成23年の資料で年代が合わないが、ネットで調べた情報を参考までに引用しておこう。この中に、北朝鮮の犯罪に手を貸す政治家が含まれているのかどうか、それは知らない。

 「パチンコ・アドバイザー議員」として、自民党と当時の民主党の議員名簿があるので、順不同で列挙してみる。

 1. 自民党議員 

 中川秀直 山本有二 野田聖子 木村太郎 岩屋毅 田中和徳 後藤田正純 高木毅 松浪健太

 坂本哲志

 2. 民主党議員

  羽田孜 鹿野道彦 古賀一成 小沢鋭仁 池田元久 古川元久 山田正彦 中川正春 

 海江田万里 小林興起 山岡賢次 牧義夫 中山義浩 生方幸夫

 これらは、悪名高いパチンコ業界から政治献金をもらい、業界の便宜を図った議員の名前だ。スネに傷持つ本人には分かるのだろうが、米国が目当てにする不正疑惑議員が誰がなのか、私には分からない。

  世間の誰もが知っていて、私だけが無知だったのかもしれないが、やりきれない話だ。「政治は最高の道徳である。」など、どこにそんな国があるのかと問うてみたくなる。悲しみの中にいる拉致被害者の家族のことについて、ほとんどの政治家が、真剣に取り組んでいないことが分かる。

 日高氏を、魂の抜けた評論家と私が言うのは、こうした事実を語る氏の言葉に日本を思う熱い心がないからだ。冷静な優等生が、眼前の複雑な事象を解説する、得意そうな口吻しか届かない。

 こうなってくると、氏の在籍している「ハドソン研究所」について知りたくなってくる。

 米国の安全保障と国防政策を研究するシンクタンクの一つで、ワシントンに所在し、1961年(昭和36)の創立以来、米国内の各界から重要視されている。米国の未来学者、軍事理論家であるハーマン・カーン氏が創立したと書いてある。

 カーン氏は「21世紀は日本の世紀である。」と予言し、「軍事的にはアメリカ、経済的には中国の影響下に置かれる」と予想しているらしい。

 秘密主義の研究所なのか、所在地、組織、運営メンバー等、詳しい内容は公表されていない。要するに、日本は未来永劫独立国になれず、米中の属国のままだと言う研究所に、日高氏が首席研究員として職を得ているということだ。職業の自由は日本にもあり、米国にもあるのだからとやかく言わないが、日本人ならいつまでもいる場所であるまいと、そんな気がする。

 あちこち寄り道するので、今回も長くなり、予定の課題が述べられなくなった。残りの安保法案と憲法問題については、次回にしよう。

 この本も叔父の遺品だが、韓国・北朝鮮の歴史の真実から、一挙に北朝鮮の爆撃の本へ行くのだから、温厚な叔父も、隣国の自己主張に我慢が出来なくなったのだろうか。気持ちは理解するけれど、日高氏の著作は回答を示すというより、一層の混迷へと叔父を導いたのではなかろうか。

 このところ、誰も待っていないブログを、ずっと書き続けている。息子たちが死後に読んでくれると期待しているが、本当のところ当てにしていない。もしかするとこのブログは、別の世界へ旅立った叔父の魂に向かって、私が一方的に語りかけているだけのものかもしれない。

 それならそれで、一向に構わない。あちらの世界との対話なら時間のことを気にせずに済む。ブログが長くなろうと、何回続こうと、叔父はあぐらを組んで笑いながら、こんな私を見ているのであろう。

 

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