「私はもう すべての力を失ってしまったが」を聴きながら、三枚町から新横浜まで歩く

昨日は三枚町から新横浜まで歩きました。
途中聴いたのは作者不明の「私はもう　すべての力を失ってしまったが」。
聴いたＣＤは、ロンドン中世アンサンブルによる演奏である。
「私はもう　すべての力を失ってしまったが(Se j’ay perdu)」は、
歌詞の中でも歌われているように「悪魔の歌」と呼ばれるものである。
３声によるロンドーであるこの曲の「悪魔の歌」の意味は、
アルス・アンティクァが三位一体に基づき、音価の３分割を主とするのに対し、
アルス・ノヴァの２分割は不完全なため「悪魔の歌」と称されているらしい。
もちろん、それ以上にこの曲は技巧的で悪魔的でもある。
従来のスタイルにこだわらない姿勢が挑戦的で悪魔的なのかもしれない。
「この国に　流行り始めた歌の」と最後しめるように、
この「悪魔の歌」とよばれるスタイルは教会大分裂の時期に
南フランスで流行したようなのであるが、歌は世につれである。