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ドミトリ・ショスタコーヴィチの交響曲第15番イ長調作品141を聴く

2016-04-17 21:46:15 | ショスタコーヴィチの作品
今回取り上げるのはショスタコーヴィチが、
1971年に作曲した交響曲第15番イ長調作品141である。
聴いたCDはクルト・ザンデルリンク指揮、
ベルリン交響楽団の演奏による。
第一楽章アレグレットは、フルートの軽やかな旋律で始まる。
そしてファゴットがそれを引き継ぎ、滑稽な感じでもある。
ロッシーニの「ウィリアム・テル」序曲のフレーズも現れ、
打楽器と木管楽器が活躍するこの室内楽的な感じは、
ニールセンの交響曲第6番を感じさせるものでもある。
ロッシーニの「ウィリアム・テル」序曲のフレーズは何度も現れ、
無邪気なショスタコーヴィチの幼少期を示しているのかもしれない。
最後は盛り上がりをみせていき、最初の主題をもとに爽やかに終わる。

第二楽章アダージョ-ラルゴ-アダージョ-ラルゴは、
金管楽器によるコラール風の旋律で始まる。
そのあとチェロ独奏が歌うように旋律を奏でていく。
金管楽器によるコラール風の旋律とチェロ独奏による旋律は繰り返される。
その後、コラール風の旋律は再び奏でられる中、盛り上がりを見せたあと、
再び静かになり、チェロ独奏が活躍し、
ティンパニが弱音で葬送的な音を示していく。
第三楽章アレグレットは、軽快な感じの旋律が奏でられていくが、
ややグロテスクな感じのスケルツォとなっている。
木管楽器と打楽器が活躍し、舞踏風で面白い感じである。
第四楽章アダージョ-アレグレット-アダージョ-アレグレットは、
金管楽器のコラール風の旋律で始まり、弦楽器による舞踏風な旋律を奏でる。
ここの部分は作曲者のたどってきた人生への回顧だろうか。
引用される旋律でハイドンの交響曲第104番の動機が繰り返され、
クライマックスを築いたあと、いったん静まり弦楽器と木管楽器の部分となる。
金管楽器のファンファーレ風の旋律のあと、
弦楽器による舞踏風の旋律が奏でられて、チェレスタが奏でる旋律と、
ハイドンの交響曲第104番の動機と第一楽章の冒頭の旋律が絡んでいく。
最後は打楽器と弦楽器の響きだけが残り、静かに終わる。

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