そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

「抑止力」は軍事競争と同義語であることを知らない

2023-05-23 | 戦争

「抑止力」という言葉に酔いしれる人たちが多い。魔法のように使い反論を許さない。G7では核は許さないが、抑止力として求めるということで合意している。自国を聖地に置く、身勝手な理屈である。先進国が聞いてあきれる首脳会議である。
抑止力は単に軍事的に語られることが多い。
例えば抑止力が成立するには、
1.相手が耐えがたいほどの報復(懲罰、攻撃)をする能力を持つこと
2.相手に対する報復(懲罰、攻撃)をする意思を明示すること
3.相手が1および2を理解していること
の3つの要件を満たしている必要があるとされている。これは右からの経済、軍事分析がお得意の、キャノングローバル研究所の定義である。
これは軍事力を自国の側からだけ見たものでしかない。軍事力に特化した票かであるから、当然の報復を主眼にした論理で、大衆に必要性を説くことになる。
報復を想定している他国も同じ論理で立ち向かう。簡単に言えば、相手国を上回る軍事力でなければ、”報復”は出来ないのであるから、冷静に外から見ると単なる競い合いとしか見えない。
報復は、”先制攻撃”とほぼ同義語である。報復は自国の論理であるが、相手国は先制攻撃と理解しても何らおかしくはない。
しかも戦争という殺戮行為である。”報復”のエネルギーは相手国に対する”怯え”である。相手国の人命や人権それの生存権などなくてもいいが、自国民は必要であるという論理でしかない。
非軍事的な相互理解しか対立関係を緩和することができない。外交交渉と言ってもいいだろう。このところの世界情勢は、旧冷戦構造を意識的に際立たせ対立を煽っている。専制国家か民主国家とか、法と秩序に支配された民主主義とそれを脅かす国家といった具合である。
その基盤となっているのが抑止力である。そして、それを食い物にする主に軍事産業などである。
抑止力は軍事拡大競争と同義語であって、平和への抑止作用でしかない。


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