
原発に関しては、再稼働については一言も触れていない。突如として、ベースロード電源などと言う言葉を引き出して、再稼働に踏み切った。買い取り電気価格を見直し、再生可能エネルギーの発展に圧力すらかけている。
TPPは交渉には参加反対の表明をしていたが、そんなこと全く忘れたように、甘利担当大臣は精力的交渉を続けている。TPPは今や空中分解する可能性が大きくなっている。
政治改革は、定数削減については全く手が付けられていない。区割りに手を付けただけである。
社会保障については、実数では上回っているかに見せながらも、現実には増え続ける受給者を下回っている。財政改革は全く手が付けられていない。むしろ公共投資や防衛予算の高騰を、消費増税で補っているのがあっとである。
沖縄の基地負担などの取り組みは、新建設という環境破壊を伴う、沖縄県民の負担増へとシフトしている。地方分権については、基本法を制定し道州制への意向の道を拓くはずだったが、全く手を付けていない。政敵の石破を特命大臣に据えて、消耗させている。
武器輸出三原則を見直しすることは、選挙では全く触れることがなかった。しかし、いまや日本は平気で武器を輸出できる国になってしまった。
これから本格的に取り組むとしている経済政策であるが、現実にはとごとく失敗しているのである。名目3%の成長を掲げていたが、とてもじゃないが幻想の段階でしかない。作られた円安で株価が上がり、輸出業者と金満家の懐が温まっただけである。その結果格差社会がより深刻になっている。
これだけの失政を重ねながら、消費増税だけは粛々とやる。日本のGDPの60%は個人消費であるがこれを冷え込ませるだけでなく、低所得層の負担をさらに大きくさせ、更なる格差社会へと突き進むことになる。
これだけの失政を重ねながらも、支持率が30%以上あるのは不思議でならない。多くの国民が、アベノミクスと軍国化への幻想を抱かせることに成功しているからではないか。
NHKでオイコノミアという又吉さんが出ている番組があります。行動経済学を経済学者に教えてもらうというものです。そこで、人は将来の利益と目先の利益を較べると目先の利益を選んでしまいがちだと言っていました。現在バイアスというそうです。
安倍政権は、人のそういった心理をうまく応用してきたと言えます。
21日、山本一太氏が経済政策で支持率が戻ると言っていました。いずれ追加緩和に踏み切るのかもしれません。ただ、なんだか馬鹿にしている気がします。国民なんて目の前に人参ぶら下げられた馬、と言われたんではないですか?だけど、その人参、もともと馬自身の財産なんですけど。。。
ちなみにバイアスは自分がかかっていることを自覚できれば、対処可能だそうです。誘惑にのるのもやめるのも自分しだいですね。