惑星ダルの日常(goo版)

(森下一仁の近況です。タイトルをはじめ、ほとんどの写真は交差法で立体視できます)

「山羊酒」

2023-11-27 20:51:33 | 文芸
この時期らしいまずまずのお日和。

朝は、例によって市民農園に出かけ、シシトウ2株を撤去しました。
数日前に書いたように、5月から採りつづけてきましたが、さすがにこの時期になると実が育ちません。これでおしまい。

夕方の散歩では、東の空に上った大きな月に感動しました。
旧暦10月15日の月。月齢は14ぐらいですが、真ん丸に見えました。

わたくしごとですが、昔書いて単行本には入っていない短編を森下潤子さん(というか家の人ですが……てへへ)が朗読してくれました。
「山羊酒」。角川書店の雑誌〈野生時代〉1983年9月号掲載。

本作はその年の「荒巻賞・短編部門」を頂戴しています。
荒巻賞は作家の荒巻義雄さんが個人的に選んで与えていた賞で、副賞は新巻きザケ1本! 大感激したことでした。

朗読は「朗読たんぽぽ~ことばの綿毛を飛ばそう~Ⅱ」にて。
前半・後半にわかれていますので、前半からどうぞ。

YouTubeでも聞くことができます――――前半後半

よろしくお願いいたします。


推理作家協会賞

2019-05-28 21:01:18 | 文芸

 昨夜は新橋の第一ホテル東京「ラ・ローズ」の間にて、第72回推理作家協会賞贈呈式。

 今回の受賞作は次のとおり――

  • 長編および連作短編集部門
    『凍てつく太陽』 葉真中顕(幻冬舎)
  • 短編部門
    「学校は死の匂い」 澤村伊智(小説 野生時代8月号)
  • 評論・研究部門
    『日本SF精神史【完全版】』 長山靖生(河出書房新社)

 SF仲間の長山さんが評論・研究部門で受賞されたので、お祝いに駆け付けたのですが、贈呈式の焦点は長編で受賞された葉真中さんの受賞スピーチでした。

 受賞作の版元である幻冬舎が問題を起こしたことに触れ、昨今、ヘイト発言や露悪的発言で誰かを差別しようとする風潮は確かに存在する、と指摘。その上で、作家は差別に対峙する立場から、健全な娯楽を提供すべきではないかと述べられました。性根の座った立派な言葉だと思います。
 取材に来ておられたメディアの方々が、スピーチを聞きながら、懸命にペンを走らせていたのも印象的でした。

 葉真中さんのツイッターによれば、事前に幻冬舎の編集さんに告げたところ「ぜひ、やってください」と言われたとか。希望の灯が消えたわけではないようですね。

 写真は、左から受賞の、長山さん・澤村さん・葉真中さん。そして推理作家協会の次期理事長・京極夏彦さん。