仁左衛門日記

The Diary of Nizaemon

アドレナリンドライブ

2017年11月18日 | ムービー
『アドレナリンドライブ』(1999年/矢口史靖監督)を見た。
物語は、「クルマの運転中、上司の山本(徳井優)の悪ふざけで目をふさがれた鈴木悟(安藤政信)は、信号待ちで停車していた外車に追突してしまう。運転していた暴力団員の黒岩(松重豊)によって暴力団事務所へ連れて行かれた悟は、そこでガス爆発事故に遭遇した。一方、近くの病院に勤務している看護師の佐藤静子(石田ひかり)は買い物をしていたコンビニで爆発音を聞き、事務所に駆け付ける。救急隊員の指示で悟、黒岩と共に救急車に同乗したのだが、救急車は事故で川に転落。投げ出された悟と静子は、混乱のうちに黒岩の2億円が入ったアルミケースをまんまと手に入れた。ところが、水中に沈んだ救急車の中から黒岩が助け出され、静子の勤務先の病院に搬送されてきて・・・」という内容。
黒岩はなかなかに記憶力があるようで、確かちらっと見たままポケットにしまい込んだ運転免許証に書かれている悟の名前と住所をしっかりと覚えていた。
機械の能力のおかげで生かされているといってもいいような、ただベッドに横たわっているだけの状況でもスラスラとそれらが出てきたのだから驚きだ。
山田(マギー)、田中(坂田聡)ら黒岩の子分たちに追われることになってしまった悟と静子は、一転してとてつもないピンチに陥ってしまったのだが、少しばかり安心すると、散在したり別の事件に巻き込まれたり、随分と目立ってしまうことになる。
単調だった日常が一度大きく振れてしまうと、揺り戻しも大きくなるということなのだろう。
2億円という地下マネーをめぐる争いの中で一番変わっていったのは静子だろう。
見た目もそうだが、それまで日々抑圧されてきた自身の内面がすべて解き放たれたという感じ。
それに対して悟のほうは、山本に対しての怒りもほんの一瞬だけだったし、最初から最後まで被害者の立場から抜け出すことができなかったように思えた。
また、2億円をめぐる大騒動には直接係わることはなかったものの、婦長(角替和枝)も何かが変わりそうな気配だったのが良かった。
(^_^)
無意識のうちに大爆発させた悟と、自身が大爆発(!?)した静子。
2人の楽しい物語だった。

パルコフィクション

2017年10月10日 | ムービー
『パルコフィクション』(2002年/矢口史靖鈴木卓爾監督)を見た。
これは「パルコ誕生」、「入社試験」、「はるこ」、「バーゲン」、「見上げてごらん」、「ポップコーンサンバ」から成るオムニバス作品。
すべて通して登場する人物はいないが、"ファッションビルPARCO"で働く人達や少し不思議な関りを持つ人達が登場する。
題名の"パルコフィクション"は、『パルプ・フィクション(原題Pulp Fiction)』(1994年/クエンティン・タランティーノ監督/アメリカ)を模したものだが、内容は題名以上に"パルプフィクション"だ。
(^_^;)

WOOD JOB! -神去なあなあ日常-

2017年07月28日 | ムービー
『WOOD JOB! -神去なあなあ日常-』(2014年/矢口史靖監督)を見た。
物語は、「大学受験に失敗した平野勇気(染谷将太)は、進路を決められないまま卒業式を迎え、つきあっていた高橋玲奈(清野菜名)にもふられてしまった。自暴自棄となった勇気は、深夜に見つけたパンフレット"緑の研修生・担い手育成対策事業"に写っていたモデル女性に釣られ、1年間の林業研修プログラムに参加することに決めたのだった。ローカル鉄道を乗り継いで、携帯電話の電波が届かないほどの山奥にたどり着いた勇気だったものの、"モデルの女性はイメージです"と言われて心底ガッカリ。三重県林業組合専務・武藤直(近藤芳正)や飯田与喜(よき/伊藤英明)等が講師・指導員を務める研修にはまったく身が入らず、こそこそ逃げ出そうとするのだが・・・」という内容。
研修中の勇気の態度がとにかく酷い。
いつもガムを噛んでいてヘラヘラしている。
1ヶ月後に配属された神去村(かむさりむら)にある中村林業株式会社は、そこからさらに山奥の、町からクルマで2時間ほどの場所。
都会育ちの勇気は、道で行き会った人に挨拶しようなんて気がさらさらないものだから、地域の会長・山根利郎(柄本明)から早速にらまれることになる。
その会長が散歩させているのは犬ではなくて山羊なのが面白かったのだが、そんな面白い状況に出くわしながら、何の反応もなかった演出におやっと思った。
あの場面は何かあってもいいはずだ。
(^_^;)
中村林業の中村清一社長(光石研)の妻・祐子(西田尚美)の台詞にもあったが、この山根というじいちゃんはちょっと気難しい性格を持ち合わせた人のようで、孫が通う小学校の先生・石井直紀(長澤まさみ)のことを、家の中では良く言っていないらしい。
そういう様子が子供の言葉から明らかになってしまうのも、いかにも田舎くさくて、これも面白いのだった。
マムシを瓶に漬けた酒(一升瓶)や、マムシをかば焼きにした弁当が登場するのだが、かば焼きはともかく、酒は生臭くないのだろうか。
試したいとは思わないのだが・・・。
(-_-;)

ひみつの花園

2017年07月18日 | ムービー
『ひみつの花園』(1997年/矢口史靖監督)を見た。
物語は、「笑顔を見せない子供・鈴木咲子(黒沢吉野)は、ぶすっとした顔のせいでいじめられることが多かったが、お金を数える時だけは笑顔だった。成長し高校生になった咲子(西田尚美)の性格は変わらず、デートの誘いにも"おごってくれるなら、その分お金ちょうだい"と言うしまつ。母・富子(角替和枝)から、"そんなにお金を数えるのが好きなら銀行員にでもなれば"と言われ、地元の銀行に勤め始めるのだが、ある日、銀行強盗に人質として連れ去られ、富士の樹海で発見される。犯人のクルマは横転炎上したものの現金5億円が入ったスーツケースは・・・」という内容。
「おごってくれるなら、その分お金ちょうだい」とは、何とも楽しみの少ない人生だと思うのだが、"金銭欲"というのも充分に楽しいものなのだろう。
面接の際、支店長(徳井優)に「趣味は何ですか?」と聞かれ、「お金を数えることです」と答えるのだから、筋金入りだ。
"人生の楽しみが少ない"だなんて、マッタク余計なお世話かもしれない。
(^_^;)
爆発炎上したクルマと共に燃えてしまったとされる5億円が、実は無事だと信じる咲子は、樹海での探索のため、玉川大学地質学研究室の森田清太郎教授(内藤武敏)を訪ね、勧められて翌平成7年度の玉川大学入学者選抜試験を受験することになるのだが、なんと理学部地質学科に補欠合格。
お金への執着心の賜物かもしれないが、そうだとしても大したものである。
(^_^)
良いことがあっても悪いことがあっても、変わらず、ひょうひょうとしている主人公の姿が面白い。

スウィングガールズ

2017年05月03日 | ムービー
『スウィングガールズ』(2004年/矢口史靖監督)を見た。
物語は、「東北地方・某県の山河高校。夏休みだというのに補習授業のため連日学校に通っている1年生の鈴木友子(上野樹里)は、授業をさぼりたい一心から、遅配された吹奏楽部用の弁当を野球部の試合が行われている野球場まで届ける役を買って出た。しかし、13人の生徒は列車の中で居眠りし、目的の駅を乗り越してしまう。33℃を超える暑さの中、歩いてようやく球場にたどり着いたものの、傷んだ弁当を食べた吹奏楽部の部員42人と音楽教師・伊丹弥生(白石美帆)が食中毒になってしまい、次の応援ができなくなってしまった。友子や斉藤良江(貫地谷しほり)、田中直美(豊島由佳梨)らに弁当を食べられてしまったことから、1人だけ難を逃れた中村拓雄(平岡祐太)は、"食中毒の責任を取って吹奏楽部の代わりを務めろ"と13人に迫り、友子はやはり補習授業から逃れたい気持ちのみで数学教師・小澤忠彦(竹中直人)からの許可を取り・・・」という内容。
関口香織(本仮屋ユイカ)、ギターの渡辺弘美(関根香菜)とベースの山本由香(水田芙美子)を合わせても17人にしかならないことから、レコードジャケットにヒントを得て、"ビッグバンドジャズ"の演奏を目指すことにした彼女らだったが、当然ながら最初からナカナカうまくはいかなかった。
下手は下手なりに演奏をやり遂げることができた充実感から、かなりヤル気を出した彼女達だったものの、正規の吹奏楽部員の復帰により、不完全燃焼のまま役割を終えてしまう。
せっかく音楽の楽しさに目覚めたのに、これはちょっと可哀想だった。
しかし、妙な意地を張らずに中古の楽器を購入して"スウィングガールズ"を続けようとしたのは素晴らしい。
(^_^)
畑荒らしのイノシシと格闘する場面の演出は素晴らしいアイディアだったし、のり面を落ちていく自転車の場面も面白かった。

仁左衛門賞 / 2013年

2013年12月25日 | 映画サークル
2013(平成25)年のましけ映画サークル例会は、
【1月/守○企画】『みえない雲(原題Die Wolke)』(2006年/グレゴール・シュニッツラー監督/ドイツ)
【2月/忠○企画】『大アマゾンの半魚人(原題Creature from the Black Lagoon)』(1954年/ジャック・アーノルド監督/アメリカ)
【3月/小○企画】『アンノウン(原題Unknown)』(2006年/サイモン・ブランド監督/アメリカ)
【4月/中止】
【5月/中止】
【6月/中止】
【7月/小○企画】『崖っぷちの男(原題Man on a Ledge)』(2012年/アスガー・レス監督/アメリカ)
【8月/仁左衛門企画】『ロボジー』(2012年/矢口史靖監督)
【9月/守○企画】『デンジャラス・ラン(原題Safe House)』(2012年/ダニエル・エスピノーサ監督/アメリカ・南アフリカ共和国)
【10月/忠○企画】『ロンドンゾンビ紀行(原題Cockneys vs Zombies)』(2012年/マティアス・ハーネー監督/イギリス)
【11月/小○企画】『宇宙人王さんとの遭遇(原題L'ARRIVO DI WANG/THE ARRIVAL OF WANG)』(2011年/アントニオ・マネッティ、マルコ・マネッティ監督/イタリア)
【12月/仁左衛門企画】『ジャズ大名』(1986年/岡本喜八監督)
と、以上の9作品を楽しんだ。
これらの中から恒例の"仁左衛門賞"を選考しようというわけだが、まず候補作品としてノミネートされるのは、『アンノウン(原題Unknown)』、『崖っぷちの男(原題Man on a Ledge)』、『ロボジー』、『ロンドンゾンビ紀行(原題Cockneys vs Zombies)』、『宇宙人王さんとの遭遇(原題L'ARRIVO DI WANG/THE ARRIVAL OF WANG)』の5作品といったところか。
そして、その候補作の中から栄えある【ましけ映画サークル・仁左衛門賞/2013年】に選ばれたのは、【10月/忠○企画】『ロンドンゾンビ紀行(原題Cockneys vs Zombies)』(2012年/マティアス・ハーネー監督/イギリス)。
おめでとう!!マティアス・ハーネー監督!!今年はあなたに"灰色のモアイ像"を進呈しよう!!
老人とゾンビが繰り広げるデッドヒートの場面は最高だった。
観衆はハラハラしたり笑ったり、これ以上ないほどの葛藤を体験することができたのではないだろうか。
これからも小説を忠実になぞるだけではない楽しいイギリス映画を世界に提供していただきたい。
ちなみに、これまでの仁左衛門賞受賞作は、
【2005年】『デイ・アフター・トゥモロー』(2004年/ローランド・エメリッヒ監督/アメリカ)=守○企画
【2006年】『ショーシャンクの空に』(1994年/フランク・ダラボン監督/アメリカ)=守○企画
【2007年】『トム・ヤム・クン!』(2005年/プラッチャヤ・ピンゲーオ監督/タイ)=小○企画
【2008年】『地獄のモーテル』(1980年/ケヴィン・コナー監督/アメリカ)=忠○企画
【2009年】『アイアンマン』(2008年/ジョン・ファヴロー監督/アメリカ)=長○見企画
【2010年】『画家と庭師とカンパーニュ(原題Dialogue avec mon jardinier)』(2007年/ジャン・ベッケル監督/フランス)=小○企画
【2011年】『クモ男の復讐(原題『EARTH VS. THE SPIDER)』(2001年/スコット・ジール監督/アメリカ)=忠○企画
【2012年】『リミット(原題Buried)』(2010年/ロドリゴ・コルテス監督/スペイン)=忠○企画
というよな映画だったのだが、忠○企画は今年で3年連続の受賞となった。
仁左衛門も来年こそは"仁左衛門賞"を受賞できるような楽しいエンターテインメント作品を"ましけ映画サークル"例会で企画したいものである。
(^_^)

ロボジー

2013年08月26日 | 映画サークル
ましけ映画サークル8月例会(2013年8月6日)は、仁左衛門企画の『ロボジー』(2012年/矢口史靖監督)だった。
物語は、「家電メーカー木村電器社長・木村宗佑(小野武彦)から二足歩行型ロボット"ニュー潮風"の開発を命じられた小林弘樹(濱田岳)、太田浩次(川合正悟)、長井信也(川島潤哉)の3人は、3ヶ月という短期間で何とか結果を出そうとしていたが、ロボット博覧会開催の1週間前、3階窓からの落下事故によりロボット本体が大破、管理ソフトもすべて消滅してしまう。追い詰められた3人はロボットのサイズにあった鈴木重光(五十嵐信次郎/ミッキー・カーチス)に中に入ってもらい、その場を乗り切ろうとするのだが・・・」という物語。
注目を浴びることなく静かにその場をしのぎたい3人組に対して、注目を浴びて孤独を紛らわしたい老人はやりたい放題。
しかし、そのおかげで3人はロボットオタクの女子大生・佐々木葉子(吉高由里子)が通う大学でロボット工学の基礎知識を習得できもするのだから、世の中、どんなことでも人との係わりは大事だということだ。
(^。^)
爆笑の連続というコメディー映画ではないが、とぼけたようにも見えるロボットの無表情な顔つきも何だか愛嬌があって、そこそこ面白かった。
♪ドモありがとう♪ミスターロボット♪また会う日まで~♪と歌われる主題歌"MR.ROBOTO"は、1983(昭和58)年のスティックス(作詞・作曲デニス・デ・ヤング)の楽曲を"五十嵐信次郎とシルバー人材センター"が演奏したもの。
これは懐かしい曲だった。
(^_^)