仁左衛門日記

The Diary of Nizaemon

スウィングガールズ

2017年05月03日 | ムービー
『スウィングガールズ』(2004年/矢口史靖監督)を見た。
物語は、「東北地方・某県の山河高校。夏休みだというのに補習授業のため連日学校に通っている1年生の鈴木友子(上野樹里)は、授業をさぼりたい一心から、遅配された吹奏楽部用の弁当を野球部の試合が行われている野球場まで届ける役を買って出た。しかし、13人の生徒は列車の中で居眠りし、目的の駅を乗り越してしまう。33℃を超える暑さの中、歩いてようやく球場にたどり着いたものの、傷んだ弁当を食べた吹奏楽部の部員42人と音楽教師・伊丹弥生(白石美帆)が食中毒になってしまい、次の応援ができなくなってしまった。友子や斉藤良江(貫地谷しほり)、田中直美(豊島由佳梨)らに弁当を食べられてしまったことから、1人だけ難を逃れた中村拓雄(平岡祐太)は、"食中毒の責任を取って吹奏楽部の代わりを務めろ"と13人に迫り、友子はやはり補習授業から逃れたい気持ちのみで数学教師・小澤忠彦(竹中直人)からの許可を取り・・・」という内容。
関口香織(本仮屋ユイカ)、ギターの渡辺弘美(関根香菜)とベースの山本由香(水田芙美子)を合わせても17人にしかならないことから、レコードジャケットにヒントを得て、"ビッグバンドジャズ"の演奏を目指すことにした彼女らだったが、当然ながら最初からナカナカうまくはいかなかった。
下手は下手なりに演奏をやり遂げることができた充実感から、かなりヤル気を出した彼女達だったものの、正規の吹奏楽部員の復帰により、不完全燃焼のまま役割を終えてしまう。
せっかく音楽の楽しさに目覚めたのに、これはちょっと可哀想だった。
しかし、妙な意地を張らずに中古の楽器を購入して"スウィングガールズ"を続けようとしたのは素晴らしい。
(^_^)
畑荒らしのイノシシと格闘する場面の演出は素晴らしいアイディアだったし、のり面を落ちていく自転車の場面も面白かった。

サヨナラCOLOR

2016年07月11日 | ムービー
『サヨナラCOLOR』(2005年/竹中直人監督)を見た。
物語は、「とある海沿いの市立病院。勤務医の佐々木正平(竹中直人)は高校時代のクラスメートで憧れの人でもあった笈川未知子(原田知世)の担当医だったが、彼女は正平のことを全然覚えていなかった。そんなに影の薄い男だったのかとショックを受けた正平は、援助交際を持ち掛けてきた女子高生・沢井まなみ(水田芙美子)や、愛人の聖子(中島唱子)に"タイプでない奴は全部覚えてない"などと言われ、さらに落ち込んでしまった。未知子の同居人だという鈴木雅夫(段田安則)に彼女の病名を伝えた正平は、患者への病名の告知を勧め、自らがその責を担うことになるのだが、何とか自分のことを思い出してもらおうと努める正平のあまりのしつこさに彼女は会話さえも拒んでしまう。しかし、筆談の中でようやく互いを分かり合えることができ、ついに彼女に病名の告知をした正平だったが・・・」という内容。
自分のことを思い出してもらうために"修学旅行で行ったお寺の即身仏"や"やつでの葉っぱ"の思い出話を持ち出した正平だったが、これは少し気持ち悪いとも感じたエピソードに思えた。
だが、正平は基本的にとても真面目で、熱い内面を持っている人のようで、彼の一途さやユニークさといった人間性を現していたのは、木村道子(大谷直子)、花江(原ひさ子)といった患者や、後輩医師・前田元彦(内村光良)とのやり取りの場面だった。
前田との「俺の人生に無理なんて言葉はない。俺が絶対に治す。二度と俺の前で無理なんて言葉を口にしてみろ。俺がお前の舌を噛み切るからな」「どうやって?」という妙な会話の場面も含めて、彼らが一緒に登場するのは重要な場面が多かったような気がする。
正平と未知子の2人が"死"を語り合う場面はエグイ表現があったりもするし、未知子が海岸でしゃがむところ、雅夫の愛人・あき子(雅子)との関係など、成熟した大人の物語という気がして面白かった。
また、中島みゆき(巌岳医師役)、忌野清志郎(加藤ひであき役)、三宅伸治(居酒屋の客役)、永積タカシ(入院患者役)など多くのミュージシャンが出演していたのは、竹中直人監督の人脈ということなのだろうか(!?)。
物語の最後の最後まで驚かされる良い作品だった。