電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

アイアランド「幻想三重奏曲」を聴く

2016年10月06日 06時02分52秒 | -室内楽
ずっと通勤の音楽で聴いていた、アイアランドのピアノ三重奏曲集のCDを、ようやく自宅で聴きました。まだ暗い夜明け頃、グールド・トリオの演奏を簡易なPC-audioを経由してヘッドホンで聴くとき、ロードノイズに隠れがちな弱音部もずっとよく聴くことができます。



ジョン・アイアランド(1879-1962,*1)はイギリスの作曲家で、これまでもピアノ協奏曲を取り上げたことがあります(*2)。CDの冒頭に置かれた「幻想三重奏曲」は "Phantasie Trio in A minor(1908)" のことで、「ピアノ三重奏曲第1番」と明記されてはいませんが、それに相当するようです。作曲されたのは、Walter Willson Cobett という実業家が主催した室内楽作品のコンペティションがきっかけのようで、このへんの事情は、CD添付のリーフレットによれば、こんなふうだそうです。

The first competition, in 1905, was for string quartet and attracted 67 entries. It was won by Hurlstone, with Frank Bridge's Phantasie in F minor placed second. Frank Bridge, born the same year as Ireland, won the 1907 competition for piano trio, and Ireland's Phantasie in A minor was placed equal second with James Friskin's Phantasie, also in A minor. The Third competition was announced in 1909 and was for a sonata, not a Phantasie. It attracted 134 submissions, and the first prize was awarded to Ireland in 1910 for his Violin Sonata (no.1) in D minor.

ふむふむ、フランク・ブリッジの曲は何度か聴いたことがあります(*3)。彼らは全く同時代の人なのですね。アイアランドの「幻想三重奏曲」は、ピアノ・トリオを募集した年の同点二位にあたり、アイアランドが優勝したのは1910年のヴァイオリン・ソナタのようです。

YouTube に、この曲の動画がありました。
John Ireland - Phantasie Trio in A minor (1906)


(*1):ジョン・アイアランド~Wikipediaの解説
(*2):アイアランド「ピアノ協奏曲」を聴く~「電網郊外散歩道」2015年10月
(*3):ヤンネ舘野ヴァイオリン・リサイタルでモーツァルト、ガーシュイン、フランク等を聴く~「電網郊外散歩道」2014年4月


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