電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

母屋のリフォームの進捗状況~4月下旬

2016年04月30日 06時03分36秒 | 料理住居衣服
母屋のリフォームの進捗状況は、たいへん順調に進んでおります。四月下旬までの進捗状況をまとめておくと、次のようになります。

外壁材の交換が終わり、足場が撤去されましたので、外見が一新されました。



窓ガラスも、外から中が覗きにくい二重ガラスだそうで、反射の仕方が違います。軒天井と雨樋も新しくなり、いい感じです。



玄関と農作業に出るときの勝手口を分けましたので、だいぶすっきりしました。





左官屋さんが、だいぶ遅くまでかかって、勝手口の床面を作ってくれました。



実は、まだ乾かない(固まらない)うちに、猫の足跡がついていたそうで、我が家のアホ猫たちにも疑惑がかかります。でも、アホ猫を家からださないでいても、猫の姿をみたそうですので、どうやら我が家のジュリエット猫たちに言い寄ろうとした、紋次郎とかレオンとかいう近所のロミオ猫たちの仕業みたい(^o^)/

内部の造作は、棚を作る等の段階は過ぎて、壁紙を貼る作業が進行しています。



天井部分はおおむね終了し、昔の梁を生かした形で、テレビの「劇的ビフォーアフター」じゃないけれど、あっと驚くような変身を遂げているようです。



そして、妻の念願だった対面式のキッチンは、こんな状況。壁紙はまだ作業中。





昔の居間と客間と縁側を続き部屋にして広くとったスペースが、リビングになります。こちらも、まだ作業中。



我が家のアホ猫たちは、奥でいったい何が行われているのか興味津々のようですが、完成するまでは「おあずけ!」です(^o^)/

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枕元の新しい雑記帳はエトランジェ・ディ・コスタリカのリングノート~恒例の筆記テスト

2016年04月29日 06時04分55秒 | 手帳文具書斎
先日、使い終えた枕元の雑記帳の後継として、手許にあった在庫のノートから、某スーパーで購入していた「etranger di costarica」のダブルリングノートを使うことにしました。おそらくは「エトランジェ・ディ・コスタリカ」と読むのだろうとは思いますが、これはいった何語? フランス語風でもあるしイタリア語風でもあるし、スペイン語だと言われても納得しそうな名前です(^o^)/
でも、ちゃんと made in Japan と書いてありますので、おそらくは舶来ぶりっ子な国産品なのでしょう(^o^)/



5mm方眼の用紙が100枚、厚手の表紙でカバーされています。紙の色はかなり白いほうで、グレーの方眼は濃すぎず薄すぎず、ちょうど良いところです。新しいノートを使い始めるときに恒例となっている裏抜け裏写り筆記テストを、次のペンとインクの組み合わせで実施しました。

  1. ウォーターマン:ロレア(M)、モンブラン:ロイヤルブルー
  2. パイロット:カスタム・グランディ(M)、パイロット:青インクカートリッジ
  3. プラチナ:プレッピー(0.5,M)、プラチナ:古典ブルーブラック(ボトル)
  4. パイロット:カクノ(M)、パイロット:色彩雫「紺碧」
  5. プラチナ:#3776ブルゴーニュ(F)、プラチナ:古典ブルーブラック(ボトル)
  6. モンブラン:マイスターシュテュック149(M)、プラチナ:古典ブルーブラック(ボトル)
  7. ぺんてる:筆ペン(万年筆タイプ)
  8. プラチナ:プレッピー(0.3,F)、プラチナ:古典ブルーブラック(カートリッジ)
  9. 三菱:Jetstream(0.7)、低粘度油性ボールペン(黒)
  10. 同:StyleFit(0.5)、ゲルインクボールペン(ブルーブラック)
  11. 同:PowerTank(1.0)、油性ボールペン(黒)

この結果は、写真のとおりです。





まとめると、エトランジェ・ディ・コスタリカのダブルリングノートの場合、良好だったのは、

  • モンブラン:ロイヤルブルー
  • プラチナ:古典ブルーブラック

そして不適と判断されたのは、

  • パイロット:青インクカートリッジ
  • パイロット:色彩雫「紺碧」
  • ぺんてる:筆ペン(万年筆タイプ)

となりました。実感として、「シャバシャバ系」との異名をとるパイロットのインクが惨敗、ぺんてるの筆ペンも水性染料タイプと思われます。

意外だったのが、マイスターシュテュック149(M)の太い字でも裏抜けしなかったプラチナの古典ブルーブラックの、紙質を選ばない見事な汎用性でした。

また、枕元に常備するという用途から、常用するペンとしてはパワータンク・スマートをリングの中に挿しておくという形になりますが、仰向け筆記する際の筆圧を考えると、標準の0.7mmよりは1.0mmのほうが好ましいと感じます。これは替え芯の入れ替えで対応しましょう。

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4月下旬の週末農業

2016年04月28日 06時02分28秒 | 週末農業・定年農業
四月、桜の花が咲く頃に、当地も春真っ盛りとなります。我が家の果樹園も、次々に花が咲きだします。



梅が散ることに咲き始めた桃の花は、日ごとに桃色の濃さを増して行き、サクランボの白い花も咲き始めます。




四月上旬にはまだつぼみも小さかったスモモも、この頃には白い小さな花を密集して咲かせます。




四月下旬から五月上旬には、プルーンやリンゴの花が開くことでしょう。



この時期は果樹園の草の伸び方も目立ってきますので、後の農作業を考えると、早めの草刈りが欠かせません。自宅裏の果樹園は妻がなんとかやってくれていますが、もう一つ、少し離れたところにある園地のほうは、先の土曜日に軽トラックで自走式の草刈機を運び、私が実施したものです。




毎年のことながら、この時期はなかなか多忙です。様々な歓送迎会などの宴席は夜になるから良いものの、寺や地域の諸行事は日中に行われますので、ただでさえ少ない週末農業の機会がさらに減ってしまいます。結局は、桃の花摘みの作業が後に延び延びになってしまいます。わかっちゃいるけど……というところで、いたしかたありません。思い切って平日に休みを取ってしまうのも一つの方法ですが、今春昇任したばかりの立場で、なかなかそこまでは思いきれません(^o^;)>poripori



いずれにせよ、晴天を祈りつつ連休を待つしかない、四月下旬の週末農業の日々です。

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温又柔『台湾生まれ日本語育ち』を読む

2016年04月27日 06時04分01秒 | 読書
白水社刊の単行本で、温又柔著『台湾生まれ日本語育ち』を読みました。著者の温又柔(Wen Yuju,おん・ゆうじゅう)さんは、1980年に台湾の台北市で生まれ、三歳のときに家族と東京に引越し、台湾語混じりの中国語を話す両親のもとで育った作家です。プロフィールを見ると、2006年に法政大学大学院・国際文化専攻修士課程修了、2011年に『幸福の家』(集英社)を刊行、同年9月から2015年5月まで、白水社HPで「失われた"母国語"を求めて」を連載、とあります。本書は、2016年1月の新刊で、初のコトバをめぐるエッセイ集で、白水社HPの連載を加筆訂正し書籍化したものだそうです。



日本統治時代に日本語教育を受けた祖父母世代、台湾に逃げ込んだ蒋介石の中華民国政府によって中國語教育を受けた両親世代、そして幼児期に台湾語で育ち、親のビジネスの関係で日本にやってきて親しんだ子供の日本語。家族がごちゃまぜの言語でやりとりをするものだから、時に疎外感も生じるけれど、落ち込んだりはしません。繊細ではあるが弱くはない、興味深いエッセイ集でした。台湾の歴史への興味は、先の映画「KANO1931~海の向こうの甲子園」(*1)以来です。

(*1):映画「KANO1931~海の向こうの甲子園」を観る~「電網郊外散歩道」2015年3月

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枕元の雑記帳を使い切る~1年2ヶ月でした

2016年04月26日 06時05分33秒 | 手帳文具書斎
枕元に常備して、PowerTank ボールペンと共に愛用していた、娘の東南アジア土産の小型ノートを、ついに使いきりました。雑記帳としての役目を終えるまで、使い始めから数えて、ほぼ1年2ヶ月でした。

このノートは、紙質はお世辞にも良いとは言えず更紙レベルのものですので、万年筆には不向き。でも、しっかりした厚紙の表紙と大きめのダブルリングとゴムバンドで、寝床で上向き筆記も可能なパワータンク・ボールペン(1.0mm)との組み合わせは、なかなか良好なものでした。片面使用に徹したのも、気持ちよく使えた理由の一つかもしれません。

ちなみに、書いたテーマ数は66件、ブログの題材に取り上げたものは37件、比率は56%でした。

さて、後継となる枕元の雑記帳ノートは、何にしよう?

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山形弦楽四重奏団第59回定期演奏会でハイドン、池内友次郎、ベートーヴェンを聴く

2016年04月25日 20時58分35秒 | -室内楽
昨日の日曜日、早朝からサクランボの満開期の防除作業に従事した後に、某会の総会&宴席におよばれしてご馳走をいただき、ご機嫌なままに図書館で本を借りて、夕方から文翔館議場ホールで山形弦楽四重奏団の第59回定期演奏会を聴きました。開場は18時でしたが、到着して当日券で入場した時にはすでにプレコンサートが始まっておりました。今回は、渡邊奈菜さんと田中知子さんのデュオで、ミヒャエル・ハイドンの「ヴァイオリンとヴィオラのための二重奏曲」という曲だそうです。もちろん(^o^;)当方は初めて聴く曲ですが、こういうステキな音楽が、まだまだたくさんあるんだな~と思うと、ワタシの人生もまだまだ長くあってほしいと思います(^o^)/
演奏の最後に、「キルシェ弦楽四重奏団の第2回定期演奏会が5月31日にありますので、皆さんぜひおいでください」としっかり宣伝して、これも西濱効果なのでしょうか(^o^)/

演奏会の前のお話は、セカンド・ヴァイオリンの今井東子さんです。はじめは入場するお客さんもいてざわついた雰囲気でしたが、ハイドンがイギリス定住を誘われたけれどウィーンにとどまることを決めた、その頃の曲です、というあたりから静かに聞こえるようになりました。もしかして、解説に思わず力が入り、声も大きくなったのかな?(^o^)

今回は、早朝からの農作業とおよばれの緊張感などから、いささかくたびれてメモを取らずに(取れずに)いてしまったので、ごくあっさりと曲にふれるくらいしかできませんが、本日のプログラムは次のとおり。

  1. F.J.ハイドン 弦楽四重奏曲 変ホ長調 Op.76-6
  2. 池内友次郎 絃四重奏曲(前奏曲と追走曲)
  3. L.V.ベートーヴェン 弦楽四重奏曲第12番 変ホ長調 Op.127

ここで、ファースト・ヴァイオリンの中島光之さんは、ダークグレーのシャツにたぶんライトグレーのネクタイといういでたちで、セカンド・ヴァイオリンの今井東子さんは黒のノースリーブ、ヴィオラの倉田譲さんは黒のシャツで、チェロの茂木さんは白のシャツに赤いネクタイだったように記憶していますが、さてどうだったろう? なんだか別の回の記憶とごっちゃになっているような気もします(^o^)/

ハイドンのOp.76-6は、Op.76-3「皇帝」のような知名度はありませんが、晩年の曲だけあって、充実した伸びやかさ、自由さがあります。演奏も、実に気持ちよく聴くことができました。
池内友次郎の絃四重奏曲は、印象的なチェロで始まる音楽ですが、どことなく日本的な要素もあり、不思議な雰囲気を持った曲です。一回聴いただけでは、なかなかパッとはつかめません。これは、また聴いてみたい音楽です。



ここで休憩があり、後半はベートーヴェンの第12番。冒頭の、ジャーっという音で始まるあの音楽が目の前で展開されるのは、なかなか得がたい体験です。晩年の渋さは増していますが、やっぱりベートーヴェンらしい明るさや力強さが感じられます。

聴衆の拍手を受けて、アンコールは同じくベートーヴェンで、「カヴァティーナ」。たぶん、過日のベートーヴェン抜粋・集中演奏会の成果を披露していただいたのかなと思います。



最後に、次回担当となるらしい中島光之さんが、第60回定期演奏会の予告をしました。次回は、7月23日(土)、文翔館議場ホールと決まり、ドビュッシー、武満徹、ハイドンはOp.64-2というプログラムのようです。ええっ! また重なっている! 問題は、開演時刻だな(^o^)/

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天童市の「天童桜まつり」で人間将棋を観戦する

2016年04月24日 06時04分54秒 | 散歩外出ドライブ
よく晴れた土曜日、午前中に老母の畑を耕運機で耕し、果樹園の草刈りなど農作業に精を出して、午後はお出かけをしました。行き先は、天童市の舞鶴山で行われる「人間将棋」を観戦しようというものです。天童市は、全国一の将棋の駒の産地ですが、それにちなんで毎年この時期に人間将棋が行われます。将棋の駒の生産地になったのは、江戸時代に織田信雄の子孫が領主となっていたときに、下級武士の内職として推奨されたものらしいです。

さて、その人間将棋とは:
【人間将棋】竹部さゆり女流三段 VS 飯野 愛女流1級  山形県天童市の「天童桜まつり」

なるほど、なんとなく織田信長のイメージでの始まりですね。

対局は、先手の飯野愛(女流1級)さん、

後手の竹部さゆり(女流三段)さん

の対決となりますが、「この暑いのに穴熊か!」とか、ときどきマイクにおもしろい台詞が入るのも親しみが持てます。確かに、駒の役目を果たしているのは高校生ですから、穴熊と言えば暑苦しい(^o^)/
さらに、参加した高校生みんなが役目を果たすように、全ての駒を動かしてあげるのがこの人間将棋の暗黙のルールになっているとのこと。それは、意外にハードルが高いかも(^o^)/

勝負は、穴熊の陣形が攻められて崩されるのですが、駒が足りずに最後まで攻めきれず、反撃にあってついにギブアップ! というところでしょうか。

解説は遠山雄亮(五段)さんで、途中で「PONANZA」(*1)の開発者である山本一成さんも参加していました。

陽射しは暑い日でしたが、時代装束を身につけた将棋の駒の高校生の皆さん、ご苦労様でした(^o^)/

(*1):PONANZA~Wikipediaの解説より



さて、本日は早朝からサクランボの満開期の大事な消毒を済ませ、お昼には某会の総会&宴席におよばれします。その後、夜には山形弦楽四重奏団の定期演奏会がある予定。それまで体力が持つかどうか自信がありませんので、前売券は購入しておりません。ベートーヴェンの弦楽四重奏曲第12番とハイドンの同Op.76-6、それに池内友次郎作品というプログラムですので、なんとかがんばって、当日券で聴きたいところです。

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記事を書くには素材とデータが必要

2016年04月23日 06時04分36秒 | ブログ運営
ブログを継続するうえで、話題に困り、記事が書けなくなることがあります。私の場合、記事を書くには素材とデータが必要なようです。例えば、新型デミオの燃費レポートのように、実際の燃料消費率のデータがあれば、クリーンディーゼル車の実燃費という興味から、ちょっとした記事を書くことができます。これは、自分自身の記録として後に比較参照することができますが、他の人にとっても、何らかの形で参考になるかもしれません。

ブログ運営という観点から見ると、素材とデータがあれば記事は書ける、ということが言えます。素材として、仕事の話はいろいろと差し障りがある場合もあるでしょうが、通勤のマイカー・レポートならば問題はありません。また、文房具使用の実績や、実際に筆記した結果なども、同様にデータを記事にするタイプです。自分が日常どんな音楽を聴いているかも、ある意味データを記事にするタイプに属するのかもしれません。そういえば、以前はブログの記事カテゴリーの増え方を話題にしていました(*1~*3)が、最近はそういう分析をしていませんでした。むしろ最近は、母屋のリフォームの話題が続いており、ネタ切れという危機を回避するうえで、大きな貢献をしております(^o^)/

(*1):今日は当ブログ「電網郊外散歩道」の誕生日~「電網郊外散歩道」2012年12月
(*2):「電網郊外散歩道」のカテゴリー別記事数の推移と伸び率~「電網郊外散歩道」2009年7月
(*3):投稿記事をカテゴリー別に伸び率を調べてみると~「電網郊外散歩道」2008年3月

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母屋のリフォームの進捗状況~4月上旬

2016年04月22日 06時03分23秒 | 料理住居衣服
母屋の水回りを中心としたリフォームとはいうものの、雨樋や軒天井なども修繕する必要があり、外壁材も更新しましたので、見た目はかなり大掛かりな工事になっておりますが、四月上旬の進捗状況は:

  • 軒天井を取り替え、雨樋を更新し、外壁も金属系の外壁材(*1)に交換しました。

  • 耐震性を高める板壁に続き、断熱材をたっぷり入れて間取りが区切られました。
  • 対面式のキッチンとなる壁面が作られ、パントリーが増設されました。

  • 浴室と脱衣所とトイレと洗面所の間取りができました。
  • リビングのくぼんだ一角に、書斎コーナーと小さな棚が設けられました。

  • 玄関の扉が付き、入って左手に老人の靴脱ぎ用ベンチが設置されました。

  • 農作業に出る際の着替えなどに便利な作業室と通用口ができました。

大工さんの担当する部分は、ほぼ出来上がったようです。あとは、今月下旬にクロス張りや設備が設置されるとともに、月末には足場の撤去が行われることになっています。出来上がりまで、あと一ヶ月半くらいかな?



ところで、天井の梁が背骨とすれば肋骨にあたる部分に、おもしろい遺構を発見してしまいました。



いろりの上に、自在鉤を下げる穴が残っています。



なんと、食卓に予定している箇所の真上にあたります。もしかしたら、テーブルの上に自在鉤を下げて、鍋料理を楽しむという遊びもできるかも(^o^)/
まったくの偶然ですが、昔のいろりの場所が現代の食卓になるわけで、興味深い一致です。

(*1):地元産品使用ということで(^o^)/ 当地の企業アイジー工業製の金属系サイディングです。

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ふだんどおりの生活

2016年04月21日 06時01分59秒 | Weblog
熊本県・大分県を中心とした地震の犠牲となられた方々を悼むとともに、被災された皆様にお見舞いを申し上げます。



どうも、震源地が移動しながら新たな地震が連続している様子です。震源地が、南九州と北九州を構造的に二分するあたりに近いことが気になります。願わくは、関わった活断層の個別的な活動で終わってほしいものです。

ある意味、ふだんどおりの生活ができるということを「幸せ」というのかな、と思います。ふだんの日常が失われることは、苦痛であり残念であり、また悲しいことでもあります。何の変哲もない、ふだんどおりの日常。日常性の回復こそが、目標なのでしょう。

当面は、自粛し縮こまることのないように(*1)するとともに、救援募金への協力や、熊本・大分の産品を見つけて購入することなどを心がけていきたいと思います。

(*1):縮こまらないで~「電網郊外散歩道」2011年3月

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帚木蓬生『閉鎖病棟』を読む

2016年04月20日 06時03分01秒 | 読書
ラジオの朗読番組で「かがやく」を聴いたのがきっかけ(*1)で、帚木蓬生という作家を知りました。この番組のもととなった『風花病棟』をたいへんおもしろく読み(*2)、さらに『閉鎖病棟』という別の文庫本も入手しておりました。ただし、病棟ものというと、古くはソルジェニツィン『ガン病棟』のような重苦しさも予想され、多忙な時期にはつい後回しになってしまいます。年度末・年度始めのバタバタがようやく一区切りついた頃に、懸案の『閉鎖病棟』を読みました。



物語の始まりは、由紀子という少女が望まぬ妊娠に気づき、中絶をする場面からです。実は、これが後になって大切な伏線だったと気づかされます。
場面は、梶木秀丸の戦後の話に飛びます。傷痍軍人として復員してきた父親はすっかり人が変わってしまっていて、役場の前で首を吊ります。
知的障碍と聴覚障碍を持つ昭八の場合も、不幸なケースです。大物の鯉をつかまえたのは昭八の喜びであり誇りだったのでしょうが、シジミを根こそぎにされたり、甥の水難まで自分のせいにされ冷たくされたのを恨み、納屋に放火したらしい。
チュウさんの名前は塚本中弥。精神科病院に入院中で、新聞社が自分の手紙を盗用しているという妄想があります。婦長から演芸会の芝居の脚本を書いてくれないかと頼まれます。病棟で仲良くなった秀丸さんと昭八ちゃんは、中学生の島崎さんという不登校の少女とも仲良くなります。一年後、島崎さんが中学校を卒業するとき、車椅子の秀丸さんと敬吾さんとチュウさんと、一緒に天満宮にお参りに来よう。島崎さんも少しずつ希望を持ち始めたようです。

で、この穏やかな風景が大事な背景で、ここから物語は少しずつ緊張感が増してきます。とくに、「札付きの強盗殺人者が牢屋の代わりに精神病院に来る」という現実が描かれ、兎小屋に入ってきた狼のような重宗という男の存在が、不気味に大きくなってきます。島崎さんを守るために取ることができた対策は、ごく少なかった。一度死刑を宣告され、刑の執行の際に死に損なった経歴を持つ秀丸さんが、車椅子の上で立ち上がるまでは。



なるほど、山本周五郎賞受賞作品らしい、おもしろく優れた作品と感じます。なによりも、精神のバランスがぐらつき、治療を受けて、薬と平穏な生活によって安定をみている多くの患者のような弱い立場にある人たちに対する見方が、温かく、優しい。表題は暗鬱なものを連想させますが、読後感はあたたかい気持ちにさせるものでした。

(*1):ラジオ文芸館「かがやく」を聴く~「電網郊外散歩道」2015年9月
(*2):帚木蓬生『風花病棟』を読む~「電網郊外散歩道」2015年11月

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東京駅で飛び乗った電車は山田線?!

2016年04月19日 06時07分16秒 | Weblog
最近、珍しくまだ若い頃の夢を見ました。

同僚の結婚式のため、東京駅で電車に飛び乗りました。なんとか間に合ったのは良いけれど、先頭車両から見える風景は、しだいに都会から遠ざかり、なんとものどかな菜の花畑に変わっていきます。不安になって側の人に聞いてみたら、この電車は「山田線」だというではありませんか。しまった! 路線を間違えた! 式に間に合わない……!

というところで目が覚めました。
目が覚めて見たら、現実は還暦も過ぎたオッサンでしたけれど、ああ夢で良かった~(^o^)/

しかし、なんで東京駅で飛び乗った電車が、よりによって「山田線」なんだよ! と苦笑いしながら一人でツッコミましたですよ(^o^;)>poripori



写真は、このところ歓送迎会続きでホテル泊をした際の、某山形市内の風景。ここからも山田線は見えません(^o^)/

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ライフのノートを初めて使う

2016年04月18日 06時01分26秒 | 手帳文具書斎
ライフのノートといえば、高級な製品という印象です。実際、例えば Vermilion というタイプの場合、B6判32枚で希望小売価格が1冊200円と、コクヨのキャンパスノートなどと比較すれば、やや高めではあります。しかし、万年筆のインクもしっかり受けとめ、にじみや裏抜けがない用紙は、なかなか良好です。



書き味を試してみたインクとペンの組み合わせは、次のとおり。

  • モンブラン マイスターシュテュック149、(同:ロイヤルブルー) 滲まず裏抜けなし。書きやすい。
  • パイロット プレラ(中字:M)、(同:「朝顔」) 滲まず裏抜けせず、良好。
  • パイロット カクノ(中字:M)、(同:「紺碧」) 同上。
  • パイロット カスタム・グランディ(中字:M)、(同:青カートリッジ) ほとんど太字と言ってよいほどのインクフローで、どうも滲みがち。一部に線から「ヒゲ」が出ている文字もあります。
  • プラチナ #3776ブルゴーニュ(細字:F)、(同:古典ブルーブラックのボトルインク) 細字で滲まず裏抜けせず。書き味良好。

たいへん良好な書き味で、好感を持ちました。良いノートだと思います。
もちろん、濃い色のインクで、太めのペンで書けば、裏から透けて見えてしまう場合がある、という面はありますが、それは薄手の紙にはしかたのないことかもしれません。

いずれにしろ、クリーム色の紙にピンク色の罫線という組み合わせは、白い紙にグレーの罫線という素っ気ない紙面を見慣れた中高年には、やけにハイカラに感じ、思わず「わにで」(山形弁で「人見知りして」)しまいそうです(^o^)/



もともと、キングジムの「Lezaface」シリーズ用に用意していたB6判のキャンパスノートを使い終えたために、たまたま補充したものでした。本来の用途は、文具の試筆用が中心で、ときどき stationary 関係の情報を書き込んだりしています。当ブログの記事がネタ切れ気味のときは、このノートから落ち穂拾いをすることもあり、その意味では大事な雑記帳です。使い始めは 2016/03/25 でした。

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ヤンソンス指揮コンセルトヘボウ管でシベリウスの交響曲第2番を聴く

2016年04月17日 06時02分25秒 | -オーケストラ
最近の通勤の音楽で、USB-メモリに保存されたいろいろな音楽から、昔のステレオ初期の録音を連続して聴いていたためか、たまたまロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団120周年記念で公開されたmp3でシベリウスの交響曲第2番が、たしかビットレート320kbpsの音で流れたとき、思わずハッとしました。それまで聴いていた1950年代末~1960年頃の演奏も、充分に楽しんでいたのですが、マリス・ヤンソンス指揮で2005年に収録された演奏の、音の鮮明さ、自然さに今さらのように驚きました。

何を今さら、ビットレートも違えば録音年代も違うものを、しかもカーステレオでの音で、ああだこうだと言ってもしかたがないとは思いますが、半世紀を隔てた二つの録音には、思わずハッとするほどの違いが、確かにありました。

そこで、週末農業の空き時間を利用して、久しぶりにロイヤルコンセルトヘボウ管弦楽団の120周年アニヴァーサリー・イヤーのmp3を収録したフォルダを開き、ONKYOのミニコンポに接続した簡易なPC-audioで、シベリウスの交響曲第2番を聴いてみました。うーん、いいなあ~。たしかに、これはいいなあ~(^o^)/

当方、シベリウスの2番と言えば、まずはジョージ・セルとクリーヴランド管の2枚組CD、1970年の訪日の際の格調高い録音を取り出しますが、その他にはカラヤン指揮ベルリンフィルのCDも、ときどき手にします。今回、演奏の見事さとともに、音の鮮明さ、自然さの点から、この録音に注目することとなりました。

(*1):セル/クリーヴランド管の来日公演ライブ録音のこと~「電網郊外散歩道」2005年7月
(*2):カラヤンのシベリウス「交響曲第2番」を聴く~「電網郊外散歩道」2005年8月

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母屋のリフォームとアホ猫

2016年04月16日 06時03分30秒 | アホ猫やんちゃ猫
先日の急な寒さに、ふだんは微妙な距離を保っている我が家のアホ猫母娘が、並んで暖を取っておりました。

アホ猫(娘) 「ねえ、ママ。うちの母屋がね、なんだか急に騒音がすると思ったら、床が取り壊されるやら、柱が増えるやら、ずいぶん変わっちゃったね~。だんだん壁ができてきて、なんだかフカフカの断熱シートがたくさん入ったんだけど、粗相をするといけないからと、夜も工事区域に入れてもらえないし。一度だけ、スキをみてこっそり入ってみたんだけど、今までの戸と違って、つるつるで爪をひっかけるところがないのよ。なんだか、開けるのに不便だわ。この分だと、当分は母屋に入れないみたいね。仮設の台所とご主人の書斎は今までどおりなので、お昼寝の場所の心配はないから、まあいいけど。」

アホ猫(母) 「ニャ~んか、あれね。リフォームなんて、あたしたちネコ族にとっては、有難迷惑な話、ニャ~んのメリットもないわね。えっ? 夏場が涼しくなる? ホントかしらね~。なってみないと、とても信じられないわ。」

おいおい、お前たちが爪をとぐものだから、古い戸がひっかきキズだらけだったじゃないか。こんどはちゃんと爪とぎ箱でやって、新しい戸ではやらないでくれよ。

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