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信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

菅平の大松山へトレッキング。向かいの四阿山と根子岳の絶景。北アルプスのため息が出るパノラマ(妻女山里山通信)

2019-05-31 | アウトドア・ネイチャーフォト
 梅雨入り前の最後のピーカンかなと思えば、出かけないわけにはいきません。選んだのは、拙書でも紹介している菅平高原の大松山(1649.0m)。菅平といえば、サッカーやラグビーの合宿と冬はスキーやスノーボードのメッカとして有名です。もちろん周囲の山への登山でも大人気。近年はトレランも盛んです。根性があれば、若穂や上田からバイシクルで登ってくることもできます。

 大松山山頂からの菅平と向こうにそびえる根子岳(左)と四阿山(右)。両山とも拙書で詳しく紹介しています。中腹に見えるのは菅平牧場で、牧場へ登る真っ直ぐな道が見えます。眼下に見える白く輝くものは、高原野菜のマルチ。その一部は、冬にはゲレンデになります。朝の最低気温は、ひと桁でしたが最高気温は28度。体が壊れる気温差ですが、山頂は18度。快適です。

(左)左下に見える空き地に駐車してゲレンデを登ります。コースは何本もあるので、どこを登っても山頂には着きます。登り口に話し好きのおばちゃんがいて、引き止められました。ここまでもきつい登りです。(右)上を見ると心が折れます。ずっと上にご夫婦がいました。山菜採りでもこんな上まで登る人は稀です。あの一番上の空が見える所も山頂ではありません。

(左)ベニバナイチヤクソウの蕾でしょうか。(中)あちこちにキジムシロが咲いていました。(右)イタドリの群生。

(左)ゲレンデを登りきって右へ登るとリフトの降り口。左上に山頂が見えますが、遠いです。ここから富士山が見えたのですが、望遠レンズを忘れたので画像はありません。(右)菅平パインビークスキー場全景。左のピークが大松山です。どこをどう登っても自由ですが、チャンピオン・コースはもの凄く急です。

(左)あの上が山頂なんですが。見た目以上の急傾斜です。直登は諦めて右の林道を登ることにしました。なんと途中で軽トラに乗った老夫婦に追い抜かれました。もの凄い急傾斜の荒れた道をスリップしながら登っていきました。(右)息を切らしてやっとの思いで山頂へ。さっきのご夫婦が藪の中で山菜を採っていました。私はひっくり返って休憩の後で昼食。アジフライをソースとタルタルソースとレタスとトマトで作ったサンドウィッチを食べたのですが。疲れてしまって少しずつ。風景に見とれていました。

 山頂から北へ少し下ると見える北アルプスの大パノラマ。手前の尾根は右の保基谷岳から左の地蔵峠。その向こうの山脈は、私がホームフィールドとする妻女山から鏡台山へと続く戸神山脈。右に見える平地は、篠ノ井辺り。向こうに茶臼山と西山の山並み。右奥に神話の山、虫倉山。拙書でも紹介している山ばかりです。

(左)浅間山。噴煙は見られません。(右)中央に高社山。向こうには新潟県境の信越トレイルの山々が。妻女山展望台で出会った「高社山を全国に広める会」の方が、木島平のリフト乗り場から降り場まで、ブナ林を登るコースを作ったと言っていました。いつまでもいたいのですが、そうも行かず。下山します。下りはまた別のゲレンデへ。

(左)蒲公英で吸蜜するスジグロシロチョウ。県の天然記念物のミヤマモンキチョウらしき個体も見かけました。以前このブログでアップしたことがあるのですが、交雑種の可能性があります。(右)タチツボスミレでしょうか。帰化植物のハルザキヤマガラシがあちこちで見られたのが気がかりです。

(左)猛毒のヤマトリカブト。山菜のニリンソウと間違えて誤食する事故が毎年あります。(右)アマドコロも咲き始めました。

(左・右)ゲレンデ下の農道脇のズミが満開でした。山頂のズミが満開になるのは6月中旬。花の多いアルプスコースでは、ツマトリソウやスズラン、レンゲツツジやアマドコロなどが咲き乱れます。

(左)小さな桜。ミヤマザクラ(深山桜)。別名は、シロザクラ。小さくて愛らしい桜です。(右)シロヤブケマン。ウスバシロチョウの幼虫の食草ですが、ウスバシロチョウはいませんでした。若穂に下る途中では数頭見かけました。

 農道から見上げる山頂。マルチが光っています。途中で狐に出会いました。

(左)クルマバソウ(車葉草)アカネ科。花径は3~5ミリくらいで見過ごしそうな小花です。(右)帰路に咲いていた山藤。妻女山など低い里山では、もう咲き終わっています。

 山菜採りが目的ではなかったのですが、皆さんが登らないようなゲレンデや行かない場所で歩きながら見つけたら採るという感じで、結果けっこうな量になりました。ワラビは発癌物質のアルカロイドが含まれているのでアク抜きしないと駄目ですが、ウドは採ったその場なら生で食べられます。また、アク抜きしたワラビをたたいて、以前作った山椒味噌と花鰹で和え、炊きたてご飯にのせていただくと絶品です。ウドは天ぷらや酢味噌和えもいいのですが、うどんのかきたま汁にしようと思います。太いウドの茎を使って肉巻きフライもやってみたいですね。次回の妻女山SDPの作業後の昼餉では、山菜を使ったピザやパスタ、中華風おこわもいいかなと考えています。
県の天然記念物のミヤマモンキチョウを求めて峰の原高原から根子岳へ。妻女山のいま(妻女山里山通信):出会えたら幸運。
猛暑を逃れて菅平高原の大松山へ。ゲレンデのジャングルに突入。穴場です(妻女山里山通信):シシウド、マルバダケブキやオオバギボウシが咲き乱れ、ミヤマモンキチョウやアサギマダラが舞う楽園。

『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

本の概要は、こちらの記事を御覧ください

お問い合せや、仕事やインタビューなどのご依頼は、コメント欄ではなく、左のブックマークのお問い合わせからメールでお願い致します。コメント欄は頻繁にチェックしていないため、迅速な対応ができかねます。
 インタープリターやインストラクターのお申込みもお待ちしています。長野県シニア大学や自治体などで好評だったスライドを使用した自然と歴史を語る里山講座や講演も承ります。大学や市民大学などのフィールドワークを含んだ複数回の講座も可能です。左上のメッセージを送るからお問い合わせください。
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5月というのに3日続けて34度の長野市。なのに陣場平の日陰は26度。縮緬山椒の初物。カッコウの初鳴き(妻女山里山通信)

2019-05-28 | アウトドア・ネイチャーフォト
 北海道で39.5度の報道。そこまでではないとはいえ34度はきつくて体がついていきません。
 今夏はエルニーニョ発生で世界的に高温:世界気象機関(WMO)の予報。 ただ気象庁の長期予報は、7,8月はむしろぐずついて冷夏の予報。世界的には高温傾向だが日本は冷夏? さてどちらが当たるでしょう。

 陣場平への小道。ログハウスを借りて昼を食べたのですが、照り返しがひどく温度計は31度。ところが、陣場平の日陰はなんと26度です。樹木のおかげです。有害帰化植物のヒメジョオンを抜きました。作業に疲れると、右に見える落葉松の丸太のベンチに腰掛けて休憩します。

 振り返って林道の方を見たところ。林道を左へ登ると、約一時間で天城山(てしろやま)を経て鞍骨山(鞍骨城跡)へ。正面を向こう側へ300m下ると堂平大塚古墳があります。厄介なオオブタクサを抜き取ります。ハルゼミとエゾハルゼミの鳴き声が今日は一段と大きく響きます。

 ウスバシロチョウがたくさん舞っている陣場平。日陰は湿度も低くすごしやすいのですが、日向は灼熱の暑さ。10分以上の作業は無理です。近くからカッコウの初鳴きが聞こえました。右はクマノミズキ。左にはヤマクワやシナノガキ(マメガキ)が。

(左)山椒の若葉はまだ出続けています。山椒味噌に。(右)山椒の実。まだ3ミリもなくこれからですが、少し摘みました。

(左)今回作った縮緬山椒です。実が小さいので、茹でこぼしはせずに、コウナゴと共に出汁醤油で薄味で煮ました。(右)これは2016年に大きくなった実で作ったもの。これは一回茹でこぼしています。食欲が落ちる梅雨時に、これをご飯にのせて食べると最高です。

縮緬山椒 :私のオリジナルレシピです。これは上の写真と違い。佃煮風です。現在は、薄味の煮物にすることがほとんどです。
MORI MORI RECIPE :信州の新郷土料理に、世界の郷土料理やアウトドア料理を、時に大胆に時に繊細に「男の料理」にアレンジ。

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34度の暑さの中のぶどう畑で過酷な農作業。なんちゃってナンとレトルトカレーでゆるい昼餉(妻女山里山通信)

2019-05-26 | アウトドア・ネイチャーフォト
 ワイン用のぶどう畑で中柱を打ち込みます。最高気温は34度の予想。なのに朝は涼しくて暖房が欲しいほど。一日の気温差が20度。体がついていきません。

 まず、打ち込む場所のマーキング。私が10センチほど掘りました。その後、抱きスコで30センチぐらいの穴を掘ります。私がマーキングした60センチの深さまで打ち込みます。脱水症状になっては危険なので、私が5リットルのマテ茶をジャグに入れて持っていき、氷を入れて冷やしました。それでも足りないほど。マテ茶は、アルゼンチンやブラジル南部のガウチョ(牧童)が飲むお茶で、ミネラルやビタミンが豊富で、飲むサラダといわれています。頻繁にティータイムを。

(左)K氏が作ってきた怪しいナン。(中)ナンだかなあ。固いし膨らまないし。聞くと重曹もベーキングパウダーも、バターも入れてないとか。固い薄焼きです。(右)で、私が持ってきたタイのレッドカレーとグリーンカレー。これをつけていただきます。美味いのですが何か違う。

 なんで上の写真が青いのかの理由がこちら。一見ブルーシートは綺麗に見えますが、農作業で使ったものなので、土がついていたりかなり汚いです。やれやれ。

(左)このクソ暑い中、ストーブに火を入れてナンもどきを焼きます。(右)味はいいのですが。なんといっても幻の小麦伊賀筑オレゴンですからね。でも、これはナンじゃない。ということで、私がピタパンを作りました。四角に伸ばして、エグみのある本物のエキストラバージンオリーブオイルを塗ります。それを丸めて縦にして潰して丸く伸ばします。それにチーズを乗せて焼きます。結局これが一番美味くて好評でした。最初からこれにすればよかった。
家常餅(ジアチャンビン)・ピタパン・おやき :私のオリジナルレシピです。使う油や具材によって、中華風、トルコ風、インド風など応用できます。簡単なのでぜひ、色々なものを挟んで。
ピタパン・チリコンカルネ:チリコンカルネは、中南米の日常食です。キャンプでも。
キョフテメンチ:トルコ料理風のアレンジです。アウトドアでも。

 斜めの杭にワイヤーを付けます。電気工事で使う特殊なワイヤーです。1トンの重さに耐えるそうです。

(左)私の温度計は35度です。真夏ならともかく5月ですからね。気を失いそうな暑さです。(右)ぶどうの苗。雨が降らないので、芽が出ていないものもあります。3時過ぎにやっと作業は終了。私は温泉に入って帰宅。つべたいビールが甘露でした。こんな年は、真夏は冷夏傾向。気象庁の長期予報もそうです。

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真夏を思わせる毎日。涼を求めてツボスミレ咲く三滝へ。茶臼山へ。妻女山へ。里山は癒やしの宝物(妻女山里山通信)

2019-05-24 | アウトドア・ネイチャーフォト
 春からいきなり真夏になった様な信州です。一日の気温差が激しいので、自律神経失調症が治りません。涼を求めて千曲市倉科の三滝へ行ってみました。三滝でも妻女山でもいい出会いがありました。

 三滝の一番上の三ノ滝。拙書の扉で使っています。この谷を登って鏡台山へ登るコースは、非常に面白く拙書でも紹介しています。

(左)谷筋には美味しい山菜のアイコ(ミヤマイラクサ)がたくさん自生しているのですが、地元の人は知らないのか採りに来ません。ただ今年は雨が少なく茎が固くて食用にはなりませんでした。鋭いトゲがあるのでゴム手袋が必須です。(中)枯れた高さ2m弱あるオオウバユリ。種は全部散っていました。(右)近くにはオオウバユリの若葉。

 渓流の真ん中の岩に咲いていたツボスミレ(坪菫)。別名は、ニョイスミレ(如意菫)。ありふれたスミレなんですが、妻女山山系では見たことがありません。花は小さく、距は短く丸い。

(左)三ノ滝から階段を登って遊歩道へ。かなり荒れていて、子供や高齢者は避けたほうがいいでしょう。ヒノキに食べられた山火事防止の看板もずいぶんと寂れました。(右)拙書でも紹介している大ブナ。昔、頻繁に利用されていたことが樹形を見て分かります。

 買い物に立ち寄ったついでに茶臼山へ。茶臼山自然植物園の最上部からの眺め。右に見える高い双耳峰は、鏡台山。もちろん拙書でも紹介しています。昔は埴科郡の中心に位置するため、交通の要所でした。今でも古道の跡が数多く見られます。

(左)自然植物園の藤の花は残花で、風が吹くたびに散っていました。(中・右)オダマキ(苧環)の園芸種。

 いやはや、これは何があったのでしょう。翅がボロボロのベニシジミ。しかし、元気に飛び回っていました。逞しいですね。

 翌日、陣場平の帰化植物の除去の休憩にK氏のログハウスに立ち寄りました。鹿島槍ヶ岳の残雪もかなり少なくなりました。麓はかなり暑いと思いますが、ここは3〜4度低く、風も通るので快適です。ウスバシロチョウやカラスアゲハ、コミスジが舞い、小鳥のさえずりが聞こえます。

(左)翌日、陣場平の菱形基線測点にニホンカナヘビ。森のあちこちで見られます。(中・右)アマドコロの花も咲き始めました。
 猛暑の様な暑さですが、5月に暑さが酷かった年の夏は猛暑になっていないのです。昨年の猛暑の時の5月は暑くありませんでした。夏よりも梅雨がどうなるかが心配です。気象庁の長期予報では、7.8月はやや涼しくなると出ています。冷夏になるとまた大変です。

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すったもんだのウスバシロチョウの交尾。交尾後にオスがメスにつけるスフラギス(受胎嚢)(妻女山里山通信)

2019-05-21 | アウトドア・ネイチャーフォト
 妻女山奥の貝母の群生地へ帰化植物の除去に。ハルジオン、ヒメジョオン、オオブタクサ、セイタカアワダチソウ、ヨウシュヤマゴボウが対象です。そこでウスバシロチョウ(薄羽白蝶)の交尾に遭遇しました。ちょうど交尾を始めたばかりのようで、メスがオスを引きずって地面をバタバタとのたうち回っていました。

 すったもんだの末に、やっとゴヨウアケビ(五葉木通・通草)で落ち着きました。これから2時間ほど交尾は続くはずです。ちなみに上がメスで、下がオスです。ウスバシロチョウの交尾は、常に女性上位なのです。

(左)最初に見つけたときは、枯れ葉の上でジタバタしていました。左と右上を見ると、アリ(蟻)が襲っています。大量の蟻に見つかったらただでは済みません。(右)激しくもがきながら、メスがオスを引きずって行きます。なんとかアリの攻撃からは逃れられました。

(左・右)ゴヨウアケビの幼木によじ登りましたが、どうもこの体勢は気に入らないようです。何度も下ってはあちこちへ登ったり下ったりを繰り返しました。

 やっとお気に入りの体勢になったようです。何年も見ていますが、やはりこの縦につながる体位が正常位のようです。メスの翅になにか赤茶色のものが付いていますが。蛹(さなぎ)の欠片らしいです。

 ここならアリにも見つからないでしょう。スーパーマクロで、最短2センチぐらいまで接近しましたが、まったく気にしないようです。

 ハルゼミとエゾハルゼミの鳴き声が、クレッシェンド、デクレッシェンドで響く陣場平。ウスバシロチョウも数十頭舞っています。食草のシロヤブケマンが増えたため、ウスバシロチョウも増えました。撮影の後で山蕗を採りました。身欠き鰊と筍、仲間と栽培している干し椎茸と昆布、干し貝柱のヒモで煮物にします。

 帰りに下のギャップに咲くハルジオン(春紫苑)で、スフラギス(交尾板・受胎嚢)を付けたメスが吸蜜していました。腹部の下の方にある三角形のものがそれですが、交尾後にオスがメスが他のオスと交尾ができないように付ける貞操帯のようなものです。その効果が絶対的なものであるかどうかについては、色々見解があるようです。
 ハルジオンは、おなじみの花ですが、日本生態学会では本種をヒメジョオン(姫女菀)と共に日本の侵略的外来種ワースト100に選定しています。陣場平で駆除しているのは、主にヒメジョオンです。
倒木処理と有害帰化植物の除去をした妻女山SDP。昼は絶品!丸鶏のローストとシーフードパエリア(妻女山里山通信)

(左)盛んに吸蜜しています。産卵した卵を探そうかと思います。卵は直径1.5ミリほどなので、探すには虫眼鏡が必要です。(右)ミヤマウグイスカグラの赤い実が成り始めました。子供の頃の甘いおやつでした。
氷河期の生き残りウスバシロチョウとニホンカモシカに見守られながら山の整備(妻女山里山通信)
お食事中のお嬢さんに後ろから交尾をせまるウスバシロチョウ・・(妻女山里山通信)

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不思議なアブの続き。アリノスアブだろうと判明したのですが、これまた不思議な生態で頭クラクラ(妻女山里山通信)

2019-05-19 | アウトドア・ネイチャーフォト
 前の記事で不思議なアブについて書きましたが、気になって仕方がないので翌日に撮影と観察に行きました。土を食べているのか、藍藻類を食べているのかと思いましたが、撮影した画像を拡大すると得体の知れない極小の生物が写っていました。何気ない里山の自然も、まだまだ知らないことばかりです。

 相変わらず土を?あさっています。色々調べてアリノスアブ(蟻の巣虻)だろうと。これが調べてみるととんでもない生態なのです。種類も多くそれぞれの生態は、正確には分かっていないようです。何を食べているのか教えて欲しいです。

 頭を突っ込んで数秒激しく何かを食べているような仕草。

 分かるでしょうか。左と右では明らかに腹部が違いますね。左がオスで右がメスらしいのですが、さて。

 幼虫はアリの巣でアリの幼虫を食べて暮らすらしいのですが、ここに写っている青い1ミリ前後の極小のは、アリの幼虫ではないですね。アリノスアブの幼虫でもありません。ワラジムシ目のワラジムシかダンゴムシの幼虫かと思ったのですが、両方共こんな小さい頃は白っぽい色です。触覚は二本。なんですかねこれは!? これを食べているのでしょうか。頭がクラクラしてきました。
 だいたいワラジムシ目は、頭脚目の土壌生物で、フナムシの仲間。本来水生生物だったものが、水から離れて陸上で生活するようになった数少ない甲殻類なのです。つまり、海老や蟹の仲間です。食べると海老蟹の味がすると思います。もちろん食べたことはありませんが、食べた人がたくさんネットにアップしているのでご笑覧ください。

 成虫になると口吻が退化し何も食べないという記述も見られますが、ではこの行動は何をしているのでしょう。土木工事でもしているのでしょうか。まさかね。どう見ても何かを食べているとしか思えないのですが。小さな青い虫でしょうか。分かりません。

 リュウキュウツツジがほぼ全て満開になりました。大輪で清楚で美しい。ウスバシロチョウはじめ色々な昆虫が吸蜜に訪れています。

 ホタルカズラで吸蜜するウスバシロチョウ。ここで吸蜜できるという情報が広まったのでしょうか。たくさん集まっていました。

(左)帰ろうとするとフロントガラスに蜘蛛の糸が。カゲロウ(蜉蝣)が絡まっていました。すでに時間が経っていて頭部と胸部は食べられています。風で蜘蛛の糸が舞ってきたようです。ウスバカゲロウの幼虫が作る蟻地獄は有名ですね。時にスーパーハッチといって、渓流に大量のカゲロウの羽化が始まることがあります。昔、東京の五日市の養沢でフライフィッシングをしていた時にスーパーハッチが突然始まって、釣りを忘れて呆然と見ていたことがあります。(右)山を下って妻女山松代招魂社へ。戊辰戦争の戦没者を祀る神社です。詳しいことはブログ内検索で該当記事をお読みください。

(左)上にタチツボとかエイザンとか、なにも付かないスミレ(菫)です。(右)ニガナ(苦菜)。苦いです。

 妻女山展望台南の四阿からの眺め。左に茶臼山、その右奥に虫倉山、右へ陣場平山。千曲川河原のドロヤナギとニセアカシア(ハリエンジュ)の緑も更に濃くなりました。ハリエンジュの花が満開です。山上は風が吹いて快適でしたが、麓は真夏を思わせるような暑さでした。

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オオアマナ、ギンラン、大輪の琉球ツツジで吸蜜のウスバシロチョウ。幼虫色々と不思議なアブと虫こぶ(妻女山里山通信)

2019-05-18 | アウトドア・ネイチャーフォト
 最高気温が26度とか27度とか全国に異常天候早期警戒情報が。昨年の猛暑に続いてこの夏も? どうなるのでしょうね。帰化植物の繁茂も旺盛です。ハルジオン、オオブタクサ、ヨウシュヤマゴボウなどの除去に陣場平へ。途中、山桜の折れた枝をとりあえず通行可能に処理。帰化植物の除去は本当に大変です。しかし、ベトナム戦争の枯葉剤のネオニコチノイド系やグリホサート系除草剤は、絶対に使ってはいけません。かならず自分か子孫に命に関わる被害が出ます。
ネオニコチノイド グリホサート の検索結果 あなたの命に関わる情報。必見です!

(左)陣場平の下の入口にオオアマナ(大甘菜)の群生地があるのですが、気づいた人はいるでしょうか。明治末期に入ってきた帰化植物です。東方の賢者達にキリスト生誕の場所を知らせた星が草原に降り注ぎ、花となった伝説から、英名はベツレヘムの星。アマナは食用ですが、オオアマナは有毒です。(右)あちこちに小さな群生地があるギンラン。ある菌根菌や樹木と共生関係にあるので、持ち帰って植えても育ちません。やはり野に置け銀蘭。売られていたら間違いなく盗掘品。速やかに通報を。

(左)お昼はKさんのログハウスへ。五穀米にイナバのタイのグリーンカレーと山蕗と身欠き鰊、干しホタルイカの煮物。遠く篠山や鹿島槍ヶ岳が霞んでいます。(右)高さ10センチ、花の直径が3ミリと小さな花の群生が。なんですかこれは。調べると、明治末期に渡来したマメ科シャジクソウ属のコメツブツメクサ(米粒詰草)です。マメ科なので根に根粒を作り、その根粒菌が空気中の窒素を固定し、アミノ酸や亜硝酸を植物に供給する一方で、植物が光合成で生産した炭水化物を得ているという共生関係を成しています。牧草地に植えると、肥料になっていいのだそうです。

(左)コメツブツメクサにあちこちで何か動くものが。とりあえずマクロ撮影しましたが、なんだか分かりません。帰って拡大すると5ミリぐらいの小さなバッタでした。フキバッタの若齢幼虫でしょうか。翅は退化して飛べないバッタです。フキバッタは日本に9属26種いるそうで、同定はなかなか難しい。(右)眼がグレーなのと翅裏の文様からヤマトシジミですね。

 Kさんのログハウスに咲くリュウキュウツツジ(琉球躑躅)で吸蜜するウスバシロチョウ。ハルジオンやシナノタンポポ、ホタルカズラより長い時間吸蜜しています。花も大きいし蜜の量も多いのでしょうね。白琉球ともいいますが、琉球とつく様に亜熱帯性のためか、開花は他のツツジよりやや遅めです。

(左・右)リュウキュウツツジでせわしなく吸蜜するビロードツリアブ(天鵞絨吊虻)。ハエ目短角亜目ツリアブ科で、幼虫は土中のヒメハナバチの仲間の幼虫や蛹に寄生します。都市郊外にも普通にいるのですが、小さくて気がつかないでしょうね。以前、飛翔中の交尾を撮影したことのあるミナミヒメヒラタアブなどはもっと小さいので、そもそも見る気がないと眼にも入りません。

 幼虫三種。同定はなかなか難題です。(左)ツツジの葉にオオノコメエダシャク。食草は、キブシやミツバウツギの葉らしいのですが、ツツジも食べるのでしょうか。(中)未同定。(右)オオムラサキの幼虫を探しに行ったら、エノキの葉にシマキリガの幼虫が。エノキの葉を丸めて巣とするのですが、あちこちに見られました。残念ながら今回はオオムラサキの幼虫は発見できませんでした。

(左・右)そのツツジと林道の斜面の穴にアブ(虻)の一種がたくさん舞っています。よく見ると何か土を食べているようにも見えます。穴の中に入っているものも。苔か土についた藻類を食べているようにも見えます。だいたいこの穴は彼らの巣なのでしょうか。調べましたが未同定です。これはまた観察に行く必要がありますね。大発見かも? 明日も観察に行きます。

 ミツバツチグリで吸蜜中。翅が透けて黄色い花びらが見えます。飛び方がぎこちなく下手ですが、なんとも愛らしい蝶です。

(左)コマユミ(小真弓)の可愛い花。秋の紅葉も非常に美しい。コマユミで画像検索すると、盆栽がたくさん出てきます。紅葉と赤い実が好まれるのでしょう。(右)コナラの幼木にナラメリンゴフシ(楢芽林檎五倍子)という名の虫こぶ(虫えい・ゴール・GALL)が。拙書のコラムでも「小さな虫がつくる偽のリンゴ」という記事を載せています。ナラメリンゴタマバチのメスが、コナラの冬芽に産卵し、五倍子(フシ)を形成します。中にはたくさん卵が詰まっていて、やがて羽化してきます。次第にリンゴの様に赤くなります。

(左)飯山の名物富倉蕎麦のつなぎに使われるオヤマボクチ。つなぎにこの葉の繊維を使います。(右)オオムラサキの食草であるエノキの葉と、エノキハイボフシ。これも虫こぶ。フシダニ(ダニ目フシダニ科)の一種によって作られる不規則な形の袋状の虫えいです。体調は0.2ミリ以下のウジ虫状。また、エノキには先の尖ったエノキハトガリタマフシもできることがあります。自然の奥深さと不思議。自然界に無駄な生物はひとつもいないのです。大きなブナには、約4000種類の生物が共生関係にあります。自然の仕組みは、我々が思っているよりもずっと複雑で、重要なのです。特に里山は長年人が手を入れることで維持されてきたものです。人の手が入らなくなるとアッと言う間に荒廃します。自然のままにしておけばいいというものではないのです。

『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

本の概要は、こちらの記事を御覧ください

お問い合せや、仕事やインタビューなどのご依頼は、コメント欄ではなく、左のブックマークのお問い合わせからメールでお願い致します。コメント欄は頻繁にチェックしていないため、迅速な対応ができかねます。
 インタープリターやインストラクターのお申込みもお待ちしています。長野県シニア大学や自治体などで好評だったスライドを使用した自然と歴史を語る里山講座や講演も承ります。大学や市民大学などのフィールドワークを含んだ複数回の講座も可能です。左上のメッセージを送るからお問い合わせください。
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ホタルカズラで吸蜜するウスバシロチョウ。BGMはハルゼミとエゾハルゼミ。ヒレアザミも開花(妻女山里山通信)

2019-05-17 | アウトドア・ネイチャーフォト
 2日ほど山に行けなかったので陣場平へ帰化植物の除去に行きました。ハルジオン、オオブタクサ、ヨウシュヤマゴボウを除去しました。最高気温は26度。山上は23度でしたが、直射日光はきつい。ハルゼミとエゾハルゼミが盛んに鳴いています。

 ホタルカズラで吸蜜するウスバシロチョウ(薄羽白蝶)。氷河期の生き残りといわれますが、そのためか毛深いです。シロチョウといいますが、アゲハチョウ科ウスバアゲハ亜科で、シロチョウ科ではないのです。ウスバアゲハといった方が分かりやすいかも。交尾後にオスがメスにつけるスフラギス(交尾板・受胎嚢)のカットは、下記の記事にあります。
ウスバシロチョウとアオバセセリが舞う陣場平で里山保全作業と撮影(妻女山里山通信)

 ハルジオンは除去しているので、他に吸蜜できる花はシナノタンポポぐらい。なかなか厳しい状況です。もうすぐヒレアザミも咲きだすと思います。

 幼虫の食草は、シロバナケマンですが、吸蜜はしません。

(左)ホタルカズラ。(右)ツクバネウツギ(衝羽根空木)。

 ヒレアザミ(鰭薊)。ヨーロッパから東アジア原産の史前帰化植物。キク科ヒレアザミ属。

 葉は刺だらけで,茎には幅の広いひれがつき,その縁にも刺が生えています。ウスバシロチョウも吸蜜に来ます。

(左)クサノオウ(瘡王)。ケシ科クサノオウ属。クサは草ではなく、湿疹(くさ)のことです。別名は、皮癬草(ひぜんくさ)。かなり強い毒草です。酩酊状態、嘔吐、昏睡、呼吸麻痺を引き起こします。白屈菜(はっくつさい)といわれる生薬です。(右)ニチニチソウ(日々草)。キョウチクトウ科ニチニチソウ属の帰化植物。園芸種があちこちに広まっているようです。髻山の林道脇にもありました。

 川中島の戦いの際に上杉謙信が七棟の陣小屋を建てたという陣場平。たくさんのウスバシロチョウが舞っています。ハルゼミとエゾハルゼミが盛んに鳴いています。手前のコンクリートは、菱形基線測点。地理史の重要な遺物です。

(左)貝母の実は着実に大きくなっています。羽根の様な6枚の根本に縦に小さな種が詰まっていて、枯れるとさく果なので弾けて風に乗って飛び散ります。(右)仲間とやっている原木椎茸も雨でやっと成長を始めました。

『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

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 インタープリターやインストラクターのお申込みもお待ちしています。長野県シニア大学や自治体などで好評だったスライドを使用した自然と歴史を語る里山講座や講演も承ります。大学や市民大学などのフィールドワークを含んだ複数回の講座も可能です。左上のメッセージを送るからお問い合わせください。
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五月晴れの田んぼで筋蒔き。山蕗の煮物や絶品焼きおにぎりでゆるゆると昼餉(妻女山里山通信)

2019-05-15 | 男の料理・グルメ
 田んぼで筋蒔きです。去年も一昨年もやっているのですが、学習能力のないリーダーのせいで、小さなトラブルが続出。しかし、臨機応変の対応でなんとか無事に済みました。思いの外暑い日で、たっぷりと日焼け止めを塗っていったのですが、少し焼けました。日焼けすると黒くなるんじゃなくて日膨れするので日焼け止めは必須なのです。

(左)覆土に水をかけて混ぜます。この水分量がいい加減で、トラブルになりました。(右)ポットに籾と覆土をかける機械です。調子がいいような悪いような。微妙な状況です。

(左)覆土の粘土がローラーに詰まって不具合が起きました。(右)で、高圧洗浄機で洗います。

(左)なんとか120枚ぐらい作って田んぼに運びます。まず根切シートを敷きます。(右)ポットを敷いていきます。

(左)板を敷いて凸凹を修正します。(右)次にラブシートという訳のわからないネーミングのシートを敷きます。

(左)寒冷紗をかけるドームを作るアーチを挿して行きます。ここでもトラブルが…。(右)寒冷紗をかぶせて洗濯バサミで止めていきます。またまたトラブルが…。

(左)水を入れます。タイマーをセットします。(右)ラブシートが湿ってきたら作業は終了です。濡れるとOKということでのエッチなネーミングですかと、皆勘ぐりました…。

 注水は30分ぐらいかかりました。その間はたわいもない話を。

 ちょっと遅めの昼食。私が持参した山蕗と身欠き鰊、干しホタルイカ、生きサザエ(出汁だけとって私が食べてしまいました)、コシアブラ、ウド、椎茸、車麸の煮物。キムチ、焼きおにぎり。焼きおにぎりを待つだけなのになんでそんな深刻な表情するかな(笑)。

(左)食品添加物のない滋味豊かな逸品です。(右)焼きおにぎりには、左の山椒醤油と右の行者ニンニクと山椒味噌を塗って。馬鹿旨です。私は、弥生時代の人口は60万人なのに、古墳時代になると400万人。生物学的にはありえない数字。どんだけの渡来人が来たのかという話を。呉越、徐福伝説、高句麗の騎馬民族。こんなドラスティックな事実を絶対に教えない教育。

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ウスバシロチョウ舞う妻女山陣場平で帰化植物の除去作業。ツツジ満開の堂平大塚古墳でゆるゆると昼餉(妻女山里山通信)

2019-05-14 | アウトドア・ネイチャーフォト
 最高気温が26度の中、川中島の戦いで上杉謙信が七棟の陣小屋を建てたと伝わる陣場平へ。貝母(編笠百合)の群生地にはびこる帰化植物の除去に行きました。落葉松の丸太のベンチに二人の男性が。こんにちはと挨拶すると林さんですか?と。ブログを見てくれているそうです。ぜひ拙書もお買い求めくださいと宣伝(笑)。

 貝母の保護活動の話や、古代科野国の話などを。その後、鞍骨山へ向かわれました。除去しても出てくるハルジオンを抜き、ノイバラの根を掘り出し、出始めたオオブタクサを抜きました。ウスバシロチョウがたくさん舞っています。

(左)陣場平に咲くこれはミツバツチグリ。大きな三つ葉があります。(右)これはヘビイチゴ。ヤブヘビイチゴはもう少し葉も花も大きく、実は艶があります。ヘビイチゴは艶がありません。実は毒ではありませんが無味。春のバラ科の黄色い花は、他にオヘビイチゴ、クサイチゴ、ツルキンバイ、キジムシロなどがあり、どれも同じ様に見えるので同定が難しいのです。

(左)ホタルカズラ(蛍葛)の群生地もほぼ満開です。ムラサキ科ムラサキ属の多年草。この季節、妻女山山系で青い花は珍しいので小さいけれど目立ちます。(右)ギンラン(銀蘭)も咲き始めました。これでほぼ満開です。菌根菌との共生関係にあるので、これを持ち帰っても育ちません。園芸店でもしこれが売られていたら盗掘品です。5箇所ほど群生地を知っているのですが、その菌根菌はある特定の樹木とも共生関係にあるのではと考えています。ハモグリバエの仲間の被害に遭うことがあるようです。林床の藪を刈って明るくしてやることも必要なようです。

(左)斎場山(旧妻女山)の山頂は、古代科野国の古墳(円墳)です。登った帰りのご夫婦と邂逅。麓は26度ですが、山頂は23度。3度も低いのです。爽涼な風も気持ちがいい。(右)葉の上でウスバシロチョウが休憩中。なかなか吸蜜できる花が見つからないのでしょう。昼はKさんのログハウスへ。

 斜面に咲いていたシロバナ。モイワナズナがあるはずもなく。アブラナ科というのはすぐに分かりますが。葉を見て見当がつきました。調べるとコンロンソウでした。特に珍しい花ではありませんが、妻女山山系ではあまり見かけませんね。

 今は亡き山仲間で大切な友人だったKさんが丹精込めて育てた数々のツツジが満開になりました。これは妻女山山系のあちこちで見られるヤマツツジ。

(左)ヤマツツジは、北信の里山ではあちこちで見られる最もお馴染みの躑躅です。(右)湯の丸山とかあちこちの高原に群生地があるレンゲツツジ。綺麗ですが有毒なので決して庭木で植えてはいけません。以下は園芸種のツツジ。

(左)鮮やかなマゼンタ(紅紫色)のツツジ。(右)ヤマツツジに似ていますが、花が小さくより鮮やかです。ツツジは昔から愛好され改良されてきたので種類が多く、正確な同定は非常に困難です。在京時代は、トウゴクミツバツツジを見に行くのが楽しみでした。

(左)白にピンクで赤い斑点がある可憐なツツジ。(右)クマバチが盛んに吸蜜していました。クマバチは、その体のお大きさに比して翅が小さいので、航空力学的には飛べないと不思議なことをいわれてきましたが、レイノルズ数によって飛べることが証明されました。そんなことも知らずクマバチは吸蜜に夢中です。

(左)小さくて可憐なツツジです。(右)シロバナのツツジは、琉球ツツジの一種でしょうか。他のツツジより開花が遅めです。満開のツツジを愛でながら、ゆるゆると昼餉を楽しみました。

(左)山椒の若葉。山椒味噌を作るのには最適です。たくさん摘むのは本当に大変です。(右)桐の花が満開です。白粉臭い香りです。昔は女の子が生まれると、お嫁に行く時に箪笥を作るために桐を植える習わしがあった地方もあるとか。

 松代城跡方面の眺め。右後方に見える根子岳と四阿山もずいぶんと積雪が少なくなりました。ただ登山にはまだアイゼンとか冬山の装備が必要です。里は暑さも感じられるほどの日もありますが、里山は数度も気温が下がります。里山ハイキングには最高の季節です。

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上杉謙信の山城のある髻山へ。幻のセリバオウレンの群生地へ。妻女山陣場平で保全作業(妻女山里山通信)

2019-05-10 | アウトドア・ネイチャーフォト
 最高気温が24度の予報でしたが、もっと高くなるだろうと9時前から妻女山陣場平の保全作業に。10時に髻山へ向かいました。国道18号線の渋滞に巻き込まれましたが、なんとか11時前に着きました。3月の開花期に二度訪れてブログにアップしたので、今回で三度目です。

 満開の林檎の花越しに見上げる髻山(もとどりやま)。山頂は上杉謙信の山城があります。セリバオウレンの群生地へは、登山道もなく、ここから登るの?という場所から藪山を急登します。棘のあるノイバラや山椒の藪をかき分けて登ります。

(左)シロバナオドリコソウ。山頂にも群生地があります。おそらく満開でしょう。白装束の女性が踊っている様に見えます。(右)アマドコロかナルコユリか同定が難しいのですが、茎に角があるのでアマドコロかなと。アマドコロの方が葉が広いので間違いないでしょう。

(左)ウスバシロチョウの食草のムラサキケマン。妻女山のはシロバナケマン。数頭ですが、ウスバシロチョウも舞っていました。(右)妻女山ではすでに散ってしまった草木瓜(くさぼけ)が咲いていました。実は地梨といって果実酒にします。薬効があります。

 あ〜、こっちだったかなと少し迷いながら藪山を登って、やっとセリバオウレンの群生地に到着。心配していたほど荒れていなかったのでひと安心。鳥のさえずりを聞きながら撮影。

(左)一部は結実しています。(右)倒木や落枝がほとんど見られなくて安心しました。ただ、地元の人も知らず、保護活動もされていないので、急激な環境変化があった場合には、絶滅の危機に瀕する可能性があります。

 林檎畑と樹下には蒲公英(たんぽぽ)。気温は26度。たっぷりと日焼け止めを塗ってきましたが、焼けそうです。この美しい季節に信州の里山を訪れないのはもったいない。今回はピークハントをしませんでした。麓を歩くだけでも癒やされます。ただ、里山は登山道以外に作業道、獣道と枝道が多いので、北アルプスより迷いやすいのです。ぜひ地形図が載っている拙書を御覧ください。

(左)妻女山に戻って、今は亡き友人のログハウスへ。ちょっと遅い昼食。手作りの、もち麦トーストにアボガド、ハーブサラダチキン、トマト、卵焼きのサンドウィッチで。(右)小鳥がさえずり、クマバチ、コミスジ、モンシロチョウ、モンキチョウが舞う中でゆるゆると昼餉を楽しみます。湿度があるのか、北アルプスは霞んでいます。山仕事の道具を色々と持ち込むので車で上りますが、林道(正確には農道)は、雨でえぐれていて最低地上高が高くないと無理。加えて狭いのでサイドを枝などでこすります。

(左)ホタルカズラも次々に開花しています。(右)待っていたギンランも蕾に。

(左)ゴヨウアケビ。ミツバアケビもあります。食用にするのは、実が大きなミツバアケビ。(右)シナノタンポポで吸蜜するウスバシロチョウ。食草はシロバナケマンやムラサキケマンですが、吸蜜はしません。

 里山保全の作業後立ち寄った妻女山展望台から北を望むと髻山。

 東を望むと真田十万石の松代。奇妙山山頂は古い山城で、拙書ではその山名の由来や歴史も記しています。松代城跡はもちろん、真田信之の霊廟がある長國寺や真田宝物館、松代藩文武学校、象山神社、松代象山地下壕もぜひ訪れてください。川中島の戦いと古代科野国の妻女山や斎場山もおすすめです。

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妻女山陣場平に山蕗を採りに、花の中で保全作業も。大量の倒木に呆然。北ア絶景(妻女山里山通信)

2019-05-08 | アウトドア・ネイチャーフォト
 今朝の長野市の最低気温は1.7度。霜も下りました。結実し始めた陣場平の貝母(編笠百合)。花はしぼんで散り始めていますが、実は毎日大きくなっています。大きなものは直径1センチほどに、最後は2センチ以上になって茶色くなると弾けて種を飛ばします。7月に妻女山里山デザイン・プロジェクトのメンバーで、帰化植物の除去作業や貝母の種や球根を蒔いたり植え付ける作業をします。

 貝母の隣の山蕗のが育ってきました。大きいものだけ採ります。ここは日当たりが良いので最初に大きくなりますが、わりと早く固くなってしまいます。ここまで登って来なくてもずっと下で採れるので、ここまで来る人はいませんね。今回は斎場山まで来たご夫婦と邂逅しました。

(左)貝母の実。糸巻き状の中央に縦に6本種が詰まっています。(中)山蕗の葉。葉は切ってその場に捨てて茎だけ持ち帰ります。(右)たくさんのウスバシロチョウが舞い始めました。しかし、吸蜜する花がないので止まってくれません。ハルジオンでも吸蜜するのですが、ハルジオンは環境省の定める有害外来植物100選に入っていて、陣場平では貝母に侵入していくので取り除きます。シナノタンポポがあるので、それで吸蜜するでしょう。

(左)前の記事で載せたウワミズザクラが逆光気味だったので撮影し直しました。花穂のひとつひとつの小さな花が桜です。(右)ガマズミの花も咲き始めました。これは葉が小さなコバノガマズミ。

 ヤマツツジもあちこちで咲いています。これの蜜は吸えますが、高原に咲くレンゲツツジは有毒です。庭木で植えてはいけません。拙書の上田の太郎山のページでは、伝説の「血染めのツツジ」の秘話を書いています。

 鳥の囀りが聞こえる、けれども静かな陣場平で1時間ほど山蕗を採りました。山蕗は身欠きにしんと干しホタルイカ、サザエ、仲間と育てた原木椎茸、日高昆布、和風出汁、酒、味醂、醤油で炊きました。山蕗に出汁がしみて馬鹿旨です。

(左)その後はハルジオンとノイバラの除去。小さなノイバラに見えますが、地下茎を掘り起こすと二つに別れて、それぞれ70センチぐらいありました。(中)作業に使う山鍬(ヤマクワ)。(右)山蕗の中にマムシグサ。毒草ですが、ちょっと神秘的で魅力的な野草です。

 その後、堂平大塚古墳へ。Kさんの弟さんが、作業に来ていてお昼を食べていました。しばらく歓談。北アルプスが綺麗です。そして、前回発見して呆然とした大量の倒木を撮影に谷の向こうへ。この冬は、積雪は少なかったものの、突風が吹く日が多く、大きくなりすぎた落葉松がバタバタと倒れてしまったのです。

 掛かり木になっているものが多く、処理作業は非常に危険です。20本以上倒れていますが、放って置くしかないでしょう。持ち主は分かっていますが、ここで出会ったことはありません。もう何十年も来たこともないでしょう。こうして里山は荒れていくのです。おそらく戦後植林した落葉松林ですが、資源の無駄になるのはもったいないですね。

 妻女山展望台は桜の葉が生い茂って展望が悪いので、その下の道路からの白馬三山。山頂が4割崩落した虫倉山と地滑りで南峰が崩れてしまった茶臼山。両山とも拙書に載せています。

 その二つ下のカーブに咲くマルバアオダモ。風に揺れて木漏れ日に白く光っています。

 温泉と買い物に行く途中で土口水門からの仁科三山。右に鹿島槍ヶ岳、左に爺ヶ岳。冬の渡り鳥はもういませんが、真ん中の河原に白い鳥がいます。チュウサギだと思います。近くの山に巣があるので。あまり雨が降っていないので、千曲川の流れは穏やかで少なめです。河原のドロヤナギやニセアカシア(ハリエンジュ)の緑も濃くなってきました。

『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

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妻女山陣場平の貝母は散り始め結実。初夏の花が咲き始め、山椒の若葉と八重桜の花を摘む(妻女山里山通信)

2019-05-05 | アウトドア・ネイチャーフォト
 今年も何百人も訪れてくれた陣場平の貝母も散り始め、結実し始めました。連休なのでたくさんの人が訪れてくれました。貝母目当ての人や、貝母を知らずに訪れた人も。鞍骨山へ向かった方も大勢いました。多くの方と接して、妻女山山系の自然や歴史をお話することができました。里山の魅力と大切さを多くの方に知って体験していただければと思います。

 陣場平の貝母(編笠百合)。花はしぼんで散り始めていますが、結実し始めました。

(左)陣場平へ来る前には、仲間のワイン用のメルローの畑で農作業。今回は午前中に終わり、木漏れ日の下でゆるゆると昼餉を楽しみました。(右)左は私が採ってきたコシアブラとハリギリの天ぷら。他には今が旬のアスパラガス、春掘りの甘い長芋。茄子、人参、地物の蓮根、私達が作っている原木栽培の椎茸など。岩塩をつけていただきます。手前のピンクの箱は、私が持参した200cc4本で5400円という超高級ぶどうジュース。皆感嘆していました。

(左)貝母の実です。まだ5ミリぐらいですが、20ミリぐらいになり、弾けて種を飛ばします。(右)陣場平のウワミズザクラが咲き始めました。風に揺れる花穂(かすい)が綺麗です。とても桜に見えませんが、ひとつひとつの小さな花をよく見ると確かに桜です。

(左)陣場平のズミ。林檎の台木に使われた樹木です。(右)ヒメオドリコソウで吸蜜するキアゲハ。春型なので小さいのですが、これをヒメギフチョウと間違われる方がいます。残念ながら妻女山には食草がないのでいません。近くの山にはいます。

(左)シロヤブケマン。なぜか妻女山山系にはムラサキケマンはほとんどなくこれが主です。ケマンというのは仏具で、元々は生花で造られたリング状の環(花環)のことです。(右)ホタルカズラ。赤紫は蕾です。陣場平の入り口に小さな群生地があります。

 マルバアオダモの花穂。モクセイ科トネリコ属の落葉高木です。風に揺れて美しい。別名は、ホソバアオダモ、トサトネリコ、コガネアオダモ、コガネヤチダモとたくさんあります。中尾山のものは、花穂が大きく別種と思われます。

(左)妻女山駐車場から右の農道を長坂峠に登る6号カーブの上にイカリソウの群生地があります。中国植物名は淫羊藿(いんようかく)といい、その根は強壮剤です。(右)妻女山への登り口に咲くクサノオウ。毒草です。近くの小学生がこの時期に遠足で訪れるのですが、ついつい触ってしまいます。ある時、先生にそのことを話したら、子供達に何か話してくださいと言われ、拙書の写真を見せながら話したことがあります。一番前に熱心に質問してくれる男の子がいて助かりました。これからカモガヤがはびこりますが、長野県の小学生の花粉症の7割がこれが原因ともいわれています。通学路に多く、ついつい触ってしまうのでしょうね。

(左)山椒の若葉。市販の木の芽と違い甘い香りがあります。これを摘んで山椒味噌を作ります。鮎や鰆、太刀魚などの焼き魚にぬったり、焼きおにぎりに。そのままでも酒の肴になります。超絶美味です。雄株と雌株がありますが、これは雌株。山椒の実で作る縮緬山椒は絶品です。レシピはモリモリレシピの和食で紹介しています。(右)八重桜。この花弁を塩漬けにします。あんぱんに加えたり、桜茶にしたり。

(左)山藤も咲き始めました。これも天ぷらで食べられます。実も炒って食べられます。(右)斎場山の西にある大きな猪のヌタ場(泥浴び場)。昨夜つけられた足跡がありました。近くの木には体を擦り付けた跡がたくさん見られます。鶯の鳴き声が聞こえます。もうすぐカッコウも鳴き出すでしょう。

 斎場山。山頂は古代科野国の円墳です。ここが古くは地元で妻女山と呼んでいた山です。現在の妻女山は赤坂山です。妻女山は江戸時代におそらく松代藩がつけたもので、本名は斎場山です。その由来は、拙書で詳しく説明していますし、このブログでも何度も詳しく記しています。

 妻女山入り口の国道403号線のアメリカハナミズキが満開です。畑では名産の長芋の農作業が行われています。緑の帯は千曲川の堤防。

『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

本の概要は、こちらの記事を御覧ください

お問い合せや、仕事やインタビューなどのご依頼は、コメント欄ではなく、左のブックマークのお問い合わせからメールでお願い致します。コメント欄は頻繁にチェックしていないため、迅速な対応ができかねます。
 インタープリターやインストラクターのお申込みもお待ちしています。長野県シニア大学や自治体などで好評だったスライドを使用した自然と歴史を語る里山講座や講演も承ります。大学や市民大学などのフィールドワークを含んだ複数回の講座も可能です。左上のメッセージを送るからお問い合わせください。
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面白すぎる! 戸隠地質化石博物館。豊かな信州の里山の初夏 その2(妻女山里山通信)

2019-05-04 | 歴史・地理・雑学
 戸隠地質化石博物館(長野市立博物館分館)の続きです。帰路は混雑必至の長野の中心街を避けて、戸隠篠ノ井線を使いました。ここは知っているのでいいのですが、信州の山道は、整備された舗装路が突然なくなったり、昼なお暗いすれ違いのできない山道になったりと、気が抜けないのです。

 信州の里山に生息する野生動物。ここにいる動物すべてに遭遇したことがあります。ニホンザルは、神奈川の山でも遭遇したことがあります。三国山で出会った猿の群れでは、子猿が小さかった次男に興味を示してまじまじ見つめて、後から来た母猿が行きなさいと催促したこともありました。子供は子供が分かるんですね。今回これ以外には、ホンドギツネ、ホンドテン、ハクビシン、ノウサギ、ヤマドリ、キジなど。拙書では、月輪熊に遭遇したときのエピソードを書いています。

(左)化石博物館なので、たくさん展示されています。子供の頃に自転車に乗って茶臼山まで化石を見つけに行きました。(右)地質博物館なので岩石もたくさん。

(左)江戸時代の善光寺地震で見つかった石油。約半世紀ほど使われたそうです。埋蔵量が多ければ、信州も中東の産油国の様に大金持ちになったのでしょう。(右)その善光寺地震で犀川が山崩れでダムができて決壊し、川中島に大災害をもたらしました。左が北で右が南です。善光寺平の最南端から、さらに下流まで大被害を出したことが分かります。

 立体地図。こういうのは子供達が喜びますね。家族連れが来て小さな子が、うちどこうちどこと言っていました。そこまで細かくはありませんが。フォッサマグナと中央構造線。

(左)ナウマンゾウ。こんな動物が今もいたら面白いですね。(右)見つけてしまった製作途中のライオンのオスとメス。どんな仕上がりになるのでしょう。楽しみですね。

(左)授業で使った絵なんですが、レトロでなごみます。(右)懐かしいオルガン。私の母校にもたくさんありました。柔らかな音がします。

 博物館を出て立ち寄った裾花ダム。ダムカードを2枚いただきました。本来は下のダムの写真を撮ってきて見せるともらえるらしいのですが、私は上流から来たので特別に。盆も正月も必ずだれかいるので、インターフォンを押せば必ず出てくるということです。11時頃に放流をしていたそうで、見たかったですね。

 このまま長野市中心街へ下ると渋滞必至なので、小田切の集落を越えて19号線に下る戸隠篠ノ井線へ。裾花川の対岸を登り対岸を見ると、右に柱状節理の山。それより驚いたのは左のガードレール。なにあれ!?

(左)そうなんです。その上には戸隠の集落があるのです。恐るべし信州。長野県人ですが、善光寺平で育ち、東京に38年在住。こういうときは都民目線になってしまいます。昔は山村の方がむしろ豊かだったのです。林業や養蚕で栄えていました。(右)左に戸隠西岳、右に戸隠、一番右に戸隠富士と呼ばれる高妻山。

 裾花凝灰岩の露頭。石英や長石が含まれるため。足元の砂を見るとキラキラと輝いています。

(左)19号線に下りて村山の信号から茶臼山へ。途中の山布施で布施神社に立ち寄ります。以前紹介しました。
 社伝によると、神護景二年(768)高橋朝臣国是之が、更級郡の大領に任じられ、下総国結城布施郷の人民を従えて当地に移住し、この地を開拓。後の宝亀八年(777)に布施氏の祖・大彦命(おおひこのみこと)を勧請したということです。大彦命は、崇神天皇の命を受けて北陸道を東征し、息子の武渟川別命(たけぬなかわわけのみこと)は東海道を東征し、二人が出会ったところが「相津(会津)」と名付けられたと『古事記』にはあります。その後、大彦命は篠ノ井の瀬原田上の長者窪に住んだといわれています。石川の川柳将軍塚古墳、またはその上の姫塚古墳が大彦命の墳墓と地元では伝わっているようです。
 また『信濃宝鑑』には、光仁天皇の御宇(708-782)、宝祚長久国家安全を祈願して、伊勢神宮の分霊を勧請とあります。更に、安和二年(969)佐久の望月氏が移り住み、氏を布施と改めて布施郷を領治し以後、当社は神明宮と称するようになったが、文化七年(1810)吉田家に請うて社号の許可を得て、布施神社と改称したといいます。(右)社殿は棟札から明治3年の建造。木彫は石川流の山嵜儀作(やまざきぎさく)の木鼻です。この奥には須立之城があります。
山布施の布施神社と石川流山嵜儀作の木彫。布施氏の須立之城探訪。陣馬平のカモシカの親子(妻女山里山通信)

『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

本の概要は、こちらの記事を御覧ください

お問い合せや、仕事やインタビューなどのご依頼は、コメント欄ではなく、左のブックマークのお問い合わせからメールでお願い致します。コメント欄は頻繁にチェックしていないため、迅速な対応ができかねます。
 インタープリターやインストラクターのお申込みもお待ちしています。長野県シニア大学や自治体などで好評だったスライドを使用した自然と歴史を語る里山講座や講演も承ります。大学や市民大学などのフィールドワークを含んだ複数回の講座も可能です。左上のメッセージを送るからお問い合わせください。
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面白すぎる! 戸隠地質化石博物館。豊かな信州の里山の初夏 その1(妻女山里山通信)

2019-05-03 | 歴史・地理・雑学
 3日が空いていたので前から行きたかった戸隠地質化石博物館(長野市立博物館分館)へ。昨年の夏は息子たちと糸魚川のフォッサマグナ博物館、一昨年は大鹿村の中央構造線博物館へ行きはまりました。想像以上に素晴らしい博物館でした。いい意味で雑多でカオスです(笑)。おすすめです。

 その前に、ネットで見つけた気になるパン屋さんへ。そのパン屋さんの近くから見る戸隠の西岳の雄姿。手前には長閑な里山の風景。ピンク色はオオヤマザクラでしょうか。

(左)信州鬼無里 野生酵母パン+イートインカフェ ソノマノです。(右)名刺を渡して撮影とブログにアップをさせていただきます。買い求めたのは。いちじくとクルミ(大)920円とマスカットレーズン460円。野生酵母は桑の実だそうです。帰ってBLTサンドにしようと思ったのですが、つまみ食いしたら旨すぎて止まらなく半分ぐらい食べてしまいました。結局BLTとアンチョビのスクランブルエッグをサイドメニューに食べたのでした。
ソノマノ

 406号線を戻って土合の分岐を北上します。戸隠篠ノ井線から標識に従って左折して登ると戸隠地質化石博物館。途中には標識がいくつもあるので迷わずに行けます。柵小学校の元校舎が博物館です。受付で名刺代わりのURLカードと拙書を見せて撮影とブログへの掲載の許可をいただきました。小さな子を連れた家族連れがたくさん訪れていました。

(左)ミンククジラの骨格標本。(中・右)地質化石博物館なのに、昔の小学校の品がたくさん展示されています。これは楽しい。2017年の夏に訪れた遠山郷の旧木沢小学校の展示も良かったですよ。
遠山郷の旧木沢小学校、大鹿村中央構造線博物館、鹿塩温泉山塩館、小渋ダム。大町エネルギー博物館、大町ダム、鬼無里の東京!?(妻女山里山通信)

(左)数字だけなので、これは計算機でしょうか。なんかもの凄く大袈裟な作りがいいですね。(右)ミシン。我が家にも昔足踏みミシンがあって母や祖母が色々作ってくれました。

(左)骨格標本室。その床においてある唐草模様の風呂敷が気になりますよね(笑)。(中)剥製もあります。(右)昔、小中学校の理科準備室にありました。人体模型。無造作に床に置かれた何かの毛皮(笑)。

(左)シロサイの頭蓋骨。笑っています。(中)透明標本。美しい。(右)生き物の体の中。もう本当にそのまんまです。食べ物になるとモツって言いますけどね。

(左)生き物もいます。スッポン。昔、父が千曲川でスッポンを捕まえてきてしばらく飼っていたことがありました。最後は旅館に売ったみたいです。美味です。(中)キイロスズメバチの巨大な巣。(右)蝶の標本。カブトムシの標本も。

(左)水晶。子供の頃、近くの山に水晶を採取に行きました。あれはどこにいったのでしょうか。(中)なんですかねこれは。(右)B型標準携帯音聲(せい)増幅器。いやはや、この様な珍しい機械がたくさん展示されています。

 戸隠に見られる植物の数々。初めて知るものもありました。

 松代藩の御用絵師、青木雪卿(せっけい)重明(1803享和3〜1903明治36/1804〜1901の説も)が松代城内の茶室から見える風景を描いた「知身貴亭眺望西北之図」(真田宝物館蔵)。彼は我が家の斜め裏に住み、名主を務めた我が家の祖先、林逸作と幼馴染で彼が描いた祖先の掛け軸があり、友の為にと書かれています。
斎場山から天狗山へ。上杉謙信斎場山布陣想像図。古書の虫干しで大発見(妻女山里山通信):青木雪卿と我が家の祖先の関係

 非常に写実的に描かれているのが分かります。御用絵師、青木雪卿は、今でいうと記録を主とするカメラマンの様な仕事をしていたのでしょう。描写は極めて写実的で正確です。川中島は犀川の氾濫原で、大きな集落はなかったことが分かります。人々は山際や自然堤防の上に住んでいました。絵では、茶臼山や陣場平山には樹木がありません。人工の増大で薪が不足し、里山のあちこちは禿山だったのです。明治の埴科郡誌や更級郡誌には、かなりの里山の記述に樹木なしと書かれています。それはプロパンガスの普及まで続きました。逆にプロパンガスが普及し、林業や養蚕が廃れるに至って、里山は急速に荒廃していきました。里山は人の手が入って初めて豊かな自然が保たれるのです。妻女山里山デザイン・プロジェクトは、微力ですがそういう活動をしています。

 その2に続きます。

『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

本の概要は、こちらの記事を御覧ください

お問い合せや、仕事やインタビューなどのご依頼は、コメント欄ではなく、左のブックマークのお問い合わせからメールでお願い致します。コメント欄は頻繁にチェックしていないため、迅速な対応ができかねます。
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