モリモリキッズ

信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

湿度100%の茶臼山。シオカラトンボ、ナツアカネ、ミヤマフキバッタ、ハンミョウ。ツノホコリとチチタケ、ヤマドリタケモドキ(妻女山里山通信)

2022-07-25 | アウトドア・ネイチャーフォト
 土曜日に妻女山に登ったのですが、風も強く何もいませんでした。翌日曜日に茶臼山へ。最高気温は34度の予報。午前中は26度でしたが湿度が100%ぐらい。2時間弱の山行でしたが、バテました。それでも少ないとはいえそれなりに収穫がありました。

 ノアザミ(野薊)。総苞が粘るのでこの後に咲き出すノハラアザミと区別ができます。この総苞によくザトウムシの脚や小さな昆虫が捕らえられているのを見ます。食虫植物ではないのになぜ粘るのでしょう。

 ジャノメチョウ(蛇目蝶)。ノアザミで吸蜜後に止まりました。この下にある茶臼山自然植物園にもたくさんいます。

 伐採された丸太にセンボンイチメガサ。毒ではありませんが猛毒のコレラタケに似ているので普通は採りません。美味しくもないと思います。

 足元の草むらに暴れるヒグラシ。羽化したばかりなのでしょう。簡単に手で捕まえられます。もちろん撮影後は逃してあげました。
「黙もあらむ時も 鳴かなむ ひぐらしの 物思ふ時に 鳴きつつもとな」詠人知らず
(のんびりと気持ちがくつろいでいる時にでも鳴いてほしいひぐらしが、考え事をしている時にやたらと鳴いてくれます。)要するに喧しいと言っているのでしょうか。

 登山道のあちこちに地面から発生していた謎の物体。なんでしょう。いわゆる菌糸束とも違う感じ。粘菌とも違います。これは左右が4センチぐらい。画像検索したらOligoporusという真菌とでたのですが。シロカイメンタケなら朽木から発生するので違います。

 粘菌のツノホコリ(角埃)。もっとも一般的なよく見られる粘菌です。あちこちに発生していました。

 拙書の茶臼山のページにも載せている北アルプス展望台。北アルプスは雲の中。右奥にこれも載せている虫倉山。眼下に里山の原風景。水田の稲も育っています。鶯が鳴いています。ヒグラシの合唱も。ここは長野市で市街地への通勤圏です。虫倉山までが松代藩の領地。左は小川村で松本藩の領地でした。虫倉山の向こうは鬼無里。

 尾根道を歩いて見つけたイグチ科のキノコ。ヤマドリタケモドキ(日本のポルチーニ)かなと思って匂いをかぐと非常に甘い。しかし、傘の裏が虫に食べられていけません。これでパスタにすると極上の料理ができます。夏はアカヤマドリとかアカジコウ、ハナビラタケも出るのですが見られませんでした。夏キノコは出ていないかと思ったら帰りにきれいなチチタケを発見しました。うどんにします。

 少し歩いて反対側の善光寺平が見える展望台へ。蒸し暑いです。クロメマトイがまとわりつきます。眼下にはお見合い風呂で有名な中尾山温泉があります。しかし、何もいない。そうだ、虫倉山が見える棚田に下りてみよう。まあ下りるのはいいのですが、急登を戻らなければならないので、少しためらいます。

 棚田の風景。獣害避けのために電線で囲まれています。遠くに虫倉山。

 棚田のあぜ道に咲くシロツメクサで吸蜜するツバメシジミのメス。

 獲物を捕まえたシオヤアブのメス。細い脚の様なものが見えますがなんでしょう。これはカメムシの触覚ですね。獲物はカメムシの一種で間違いないでしょう。

 翅が退化したミヤマフキバッタの仲間。茶臼山には検索でも出てこない非常に珍しい焦げ茶色のものがいます。もしかしたら新種でしょうか。大発見かも。しかし変だなとツイートしたらヒメギスの類ですとリプライがありました。調べると、成虫になっても翅が小さいコバネヒメギスと判明しました。

 シオカラトンボのオス。たくさん舞っていました。トンボの翅は、細いパイプ状の翅脈(しみゃく)と、透明な薄い膜でできていますが、全体重の2パーセントほどしかありません。その昔トンボは不退転の勝ち虫と呼ばれ、武士の兜の前立によく使われました。他にも昆虫を使った兜は多く、蝶、百足(ムカデ)、スズメバチなどもあります。

 トンボの翅は4枚が複雑な動きをしてホバリングや少しなら横移動、後退もできます。筋肉が4枚の翅の基部につながっていて、それぞれを別々に動かせるからです。これを直接飛翔筋型昆虫といいます。蜂のように、筋肉が翅ではなく外骨格につながっていて、筋肉を交互に収縮させて、外骨格全体を変形させて飛ぶのを間接飛翔筋型昆虫といいます。外骨格の反動を使うので1秒間に1000回以上の羽ばたきができるのです。

 胸の横の黒い模様と7月ということからナツアカネではないかと思います。

 アオイトトンボかと思いましたが、色が違います。モノサシトンボかもしれません。細くてよく見ないと存在すら気が付かないほどです。カメラの操作で目を離したら見失いました。必死に探してやっと止まっているのを見つけました。繊細で美しいトンボです。

 ミヤマフキバッタ。妻女山山系でもよく見られる種類です。メスは真夏に、胴を砂地に差し込んで産卵します。茶臼山には他に、後ろ脚に赤いラインがあるミカドフキバッタがいます。

 帰ろうと戻ると目の前を逃げる昆虫がいました。なんとハンミョウです。すぐに逃げるので撮影が本当に難しい昆虫です。特に前から撮影するのは不可能に近いほど。気配を殺してなんとか撮影できました。タマムシ、ルリボシカミキリと共に、日本で最も美しい甲虫の一種です。

 栃木県民絶賛の郷土料理。チチタケ(チタケ)とナスのうどん。チチタケとナスは油でしっかり炒めます。こっくりとしたいい出汁が出ます。鰹と昆布を加えて味醂と友人の手作り醤油で。塩麹に漬けた鶏肉も。うどんは前回と同じく伊賀筑後オレゴン(いがちく)とゆめちから、ゆめせいきの手打ちうどん。食後にブログの画像加工をしていたら、長男がまったく同じチチタケ手打ちうどんを食べて写真と共にツイートしたので笑いました。

『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

本の概要は、こちらの記事を御覧ください

お問い合せや、仕事やインタビューなどのご依頼は、コメント欄ではなく、左のブックマークのお問い合わせからメールでお願い致します。コメント欄は頻繁にチェックしていないため、迅速な対応ができかねます。
 インタープリターやインストラクターのお申込みもお待ちしています。シニア大学や自治体などで好評だったスライドを使用した自然と歴史を語る里山講座や講演も承ります。大学や市民大学などのフィールドワークを含んだ複数回の講座も可能です。左上のメッセージを送るからお問い合わせください。
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世界でも大人気の80年代日本のシティポップ。大滝詠一、竹内まりや、松原みき、Yellow Magic Orchestra(妻女山里山通信)

2022-07-22 | BABYMETAL・LOVEBITES・ジャズ・宮本佳林・クラシック
 現在オーストラリアとか世界中で、日本の80年代のシティポップが大ブームなんです。懐かしきあの時代。

Eiichi Ohtaki - A Long Vacation (1981) [Full Album]

 LPもCDも持っている。今は社会人の息子達も小さい時から車の中で聴いていた。一緒にでかけた湘南の海や信州の高原のワインディングロードを思い出す。隣にはいつも笑顔の妻がいた。

日本の80年代シティポップ - 80'S Japanese City Pop Vol.2

 80年代のシティポップは、なぜこんなに心地いいのだろう。オイルショックもあったけれど、バブル前夜で国民には精神的な余裕があった。

Best Medley of 80's Japanese City Pop - 80年代シティポップメドレー

 私は、拡大主義とポストモダンに疑問を覚え、南米アマゾン、アンデスへ200日余りの放浪の旅に出た。世界の果てから日本を見つめた。

きらめく夜の都会で聴きたいCityPop

 ブラジルで聴く日本のポップスは本当に魅力的だった。間にマイケル・ジャクソンとかブラジルのポップスが流れる。パラレルな価値観で世界のポップミュージックを聴けたのは大きかった。ブラジルのポップスやカントリーミュージックにもはまった。

日本の70年代 80年代シティポップ 🎵 J-Pop 80 メドレー 🎧 80年代を代表する邦楽ヒット曲。おすすめの名曲#2

 アマゾンのカラオケスナックで、ブラジルの女の子があみんの「私待つわ」を上手に歌った時は鳥肌が立った。
 左のブックマークから「AMAZON.JP(アマゾンひとり旅)」をクリックして下さい。

80年代 シティ・ポップ・メガミックス ♪ City Pop Non-Stop Mix

 杉山清貴とか荻野目洋子とか八神純子とか杏里とか。山下達郎や竹内まりやはもちろん。懐かしすぎる。そして、200日余りの南米放浪の旅から帰国した私は、原宿のあるアダルト編集デザインプロダクションに就職しました。アダルトというのはAVのことではなく、雑誌やムックなどプロジェクトごとに編集者やラーター、スタイリスト、カメラマン、ヘアメイクなどを使って仕事をする事務所で、アートディレクターをしていました。若い頃は、アイドル雑誌のデザインやアイドルやタレントやモデルの撮影のディレクションも。女子大生がオーナーの企画会社で女子高生を集めて企画を企業に売り込んだり、レコード会社やレコーディングスタジオも仕事でよく行きました。そんなで、シティー・ポップは好きでしたし、アイドルも応援していました。若い子の相談にのってあげたことも。家ではジャズやQUEENなどを聴いていましたが、アルバムは視聴盤が送られて来るので必ず聴いていました。中でも中森明菜だけは自腹で買っていました。

Yellow Magic Orchestra (YMO) - Solid State Survivor (1979, full album)

 テクノポップといえば元祖クラフトワークですが、日本ならYMOですね。ヒットの頃、参宮橋で友人とデザイナーしながらカフェレストランをやっていたことがある。流行っていた。店でもかけまくっていた。

YMO「君に、胸キュン。(MUSIC VIDEO・HD Remaster)」 MUSIC VIDEO

 いいおっさんがなにやってるんだ感が凄いが、何気に凄い。シティポップというか歌謡曲?

荻野目洋子 / ダンシング・ヒーロー(Eat You Up)MV [New Dance Ver.]

 もうね日本のユーロビートといえば彼女でしょ。カラオケで歌うと友人のタイの女性やフィリピーナが踊ってくれます。在京時代彼女が坂下に住んでいて息子の友人のお母さんがハウスキーパーしていましたとさ。ただこの時期。バブルで浮かれている日本を見て、どう略奪してやろうかと虎視眈々と策略を練っていたのがアメリカ。JAL123便撃墜プラザ合意を経て円高誘導小泉竹中の売国奴によってまんまとハメられ日本は30年余りの不況に向かうのです。カルト犯罪宗教集団と結託した岸安倍一族にとどめを刺されました。全てアメリカCIAの思う通り。絞り尽くされて今の日本があるのです。いい加減気づかないと日本は滅びます。

夏に似合うジャズアルバム。「ピーター・キャット」の気怠い夏:村上春樹さんのジャズ喫茶、ピーター・キャットを中心とした70年代のクロニクルまたはスラップスティック

『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

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戻り梅雨の晴れ間に妻女山陣場平へ。ヒグラシ、オオムラサキ、粘菌、アラゲキクラゲ。夏の郷土料理(妻女山里山通信)

2022-07-18 | アウトドア・ネイチャーフォト
 三連休は戻り梅雨で信州もスカッとは晴れませんでした。それでも日曜日は県外からも妻女山に歴史マニアが訪れてくれました。最終日、曇り空ですが一部青空も見える天気。妻女山の陣場平まで歩いて登りました。前日にもの凄い雷雨があったから車で登れるか分からなかったからです。山仕事もしないので道具もないし。ただ、気温は25度ぐらいでしたが湿度が100%。けっこう過酷な山歩きでした。

 葉の上におそらく羽化したばかりのヒグラシ。ジッとしています。羽化したてのセミの羽は、白っぽい薄青緑色です。人間や動物の血は、鉄分を含む赤血球中のヘモグロビンで赤く見えますが、それ以外の生物では薄青色の血(体液)の方が多いのです。これは銅成分を含むヘモシアニンのためです。

「ひぐらしは 時と鳴けども 恋ふらくに たわやめ我(あれ)は 定まらず泣く」〔詠人不知 万葉集 第10 1982〕
(ひぐらしは時を決めて鳴くけれども、恋のせいでか、弱い私は時を定めず泣いてばかりいます。)

 セミの中でもヒグラシは、漢字で書くと「蜩」「茅蜩」「秋蜩」「晩蝉」「日晩」「日暮」と色々あるように、その物悲しい鳴き声からか万葉の昔から日本人好みの昆虫でした。

 朽ちた倒木に苔。胞子嚢も育っています。苔は北八ヶ岳が有名ですが、500種類もあるそうです。

 キンポウゲ科というのは分かります。ただ、キンポウゲ、タガラシ、キツネノボタン、ウマノアシガタなど似たものが多く同定が困難です。ケキツネノボタンかとも思うのですが、確信が持てません。毒草です。

 林下の薄暗い丸太に粘菌。丸いのでタマツノホコリでしょうか。まだ子実体が形成されていないゼリー状のものも見られます。小さな甲虫が食べに来ています。

 これも粘菌のクダホコリ。もっと大きくなりそうですが、明日豪雨になったら溶けてしまうでしょう。マクロレンズに替えたかったのですが、なにせもの凄い湿度。ボディ内部に湿気が入ることを恐れて交換しませんでした。画像解像度があまり良くないのはそのためです。

 樹液バーに行きました。オオムラサキのオスが一頭吸汁しているだけです。カブトムシもアオカナブンもオオスズメバチもいません。

 度重なる雷雨で、アラゲキクラゲが大きくなりました。次の機会に採りましょう。キクラゲとトマトの中華風卵炒めは夏の定番です。

 川中島の戦いで上杉謙信が本陣とした陣場平。私が仲間と貝母(編笠百合)の保護活動をしているところです。満開の様子は、4月のアーカイブをご覧ください。日本の里山で見られるのはここだけです。今年はヒカゲイノコヅチを何回か刈っているので、草丈が例年の三分の一ぐらいです。川中島の戦いの記事の検索は、右上の検索窓に「川中島の戦い」と入れて、プルダウンでこのブログ内でを選び、検索ボタンをクリックしてください。

 貝母の現在の状況。すでに溶けて消えたものもあります。カラスアゲハが一頭舞っていました。他にはなにもいないので下ります。

 エンジュ(槐)に絡みつくナツヅタ(夏蔦)。湿度が高く暑くても汗が吹き出ることがなく、逆に熱がこもるので熱中症になりやすいのです。クロメマトイが纏わりつくのでタオルを半分に折って振り回しながら歩きます。

 林道に飛び出てきたのはカマドウマ。素早いのでなかなか撮影させてくれません。昔は民家の台所に出たので竈馬の名前が。厠にいたので便所コウロギというかわいそうな名称も。

 梅雨明けでしなびたヤマアジサイも復活しました。

 ネムノキも復活。アリが吸蜜に訪れていました。

 残土捨場にあるオオブタクサ。高さが3m以上、茎は根本で5センチもあります。陣場平のは毎回抜いています。今年も通算で500本以上は抜いていると思います。絶滅は困難ですが、かなり減りました。

 松代方面の眺め。かろうじて四阿山は見えます。暑くても三連休なので観光客や歴史マニアが訪れます。しかし、さすがにバテました。温泉へ向かいます。

 北の飯縄山、長野市街地方面の眺め。連日の雷雨で千曲川は泥の色に増水しています。戻り梅雨はいつ明けるのでしょう。24日(日)ぐらいでしょうか。撮影に出られないのでストレスがたまります。しかも明けたら猛暑とか。人間だけでなく里山の生物にとっても厳しい夏になりそうです。

 この夏初めての信州丸茄子のおやき。青紫蘇の葉で挟むのは、祖母が考えた我が家オリジナル。今回の粉は、伊賀筑後オレゴン、ゆめちから、ゆめせいきを同量づつ。手作り信州味噌にごま油、唐辛子を醤油麹に漬けたものを混ぜてピリ辛に。市販品とはひと味もふた味も違う旨さです。

 これも郷土料理。塩漬けの皮付き鯨の脂で出汁をとった汁で手打ちうどんを。具には丸茄子、モロッコインゲンを炒めて、昨秋採って冷凍しておいたクリタケを加えて煮ます。父が昔作った七味唐辛子で。うどんは、おやきの皮と同じです。こねて半日寝かせて何度も折り返して踏んで仕上げます。茹であげたら冷水でしめます。塩皮鯨はこの時期、スーパーで普通に並んでいます。丸茄子、南瓜、青唐辛子の煮物も夏の定番料理。冷やしていただきます。

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気温34度の茶臼山自然植物園へ。ベニシジミ、ジャノメチョウ、オオムラサキ、コクワガタ、フランスギク、エゾカワラナデシコ(妻女山里山通信)

2022-07-10 | アウトドア・ネイチャーフォト
 最高気温が34度の予報の中、妻女山陣場平へ行きましたが、前回いたゼフィルスがまったく見られません。これでは撮影にならないと茶臼山へ。まず昨年撮影したハンミョウの生息地へ。なにもいません。茶臼山動物園南口の脇の道路を進んで茶臼山自然植物園の駐車場の最上部へ。梅雨が早く明けて、台風4号も当地ではほとんど降雨がなかったのでカラカラです。

 ベニシジミ(紅小灰蝶)。地面スレスレをせわしなく飛んでいます。三頭ほどがクルクルと回ったり、吸蜜したり。幼虫の食草は、スイバ、ギシギシなど。止まっているのはフランスギクの葉です。

 英国風のガーデン。雨が少ないせいか昨年より昆虫が少ないのが残念です。

 フランスギク(仏蘭西菊)で吸蜜するベニシジミ。

 フランスギクは蜜が多いのでしょうか、同じところで長い時間吸蜜していました。なくなると隣へ。

 アカツメクサで吸蜜中のルリシジミ(瑠璃小灰蝶)。幼虫は、マメ科、ミズキ科、バラ科など、様々な植物の花やつぼみを食べます。庭にもよく舞ってきます。

 アジサイ(紫陽花)も昨年より花の数が少なめ。例年ならここでたくさん見られるクマバチも少ない。遠くに松代東条の奇妙山が霞んでいます。

 おそらくタヌキの糞で吸汁するオオムラサキ(大紫)のオス。タテハチョウ科の蝶は、樹液や山桑の実の果汁以外に、猪やタヌキの糞も吸います。汗をかいていると塩分を求めて手や指にとまることもあります。

 もう一頭がやってきました。場所取りのバトルが始まります。

 しばらく揉めましたが、結局それぞれの場所で吸汁。

 お腹がいっぱいになったのか、近くの樹木で休憩中。

 近づいても逃げないので最接近。口吻は使わないときは丸めています。昆虫なのに脚が4本に見えるのは、前の二本がほぼ退化して胸に折りたたまれているからです。黒く瞳に見えるのは偽瞳孔。

 ジャノメチョウ(蛇目蝶)も糞に吸汁に来ました。昨年はこの近くのシモツケの垣根に大発生していたのですが、今年はほとんどいません。糞で吸汁するのは初めて撮影しました。幼虫の食草は、ススキ、コメススキ、ショウジョウスゲなど。

 コクワガタのオス。東京の公園や森でもよく見られました。カブトムシやミヤマクワガタなどと比べると小さいので、少年たちの垂涎の的ではありませんが、可愛い。口に見えるオレンジのブラシで樹液をなめます。

 アカツメクサで吸蜜するジャノメチョウ。人の気配に敏感で近づくとすぐ逃げるのですが、それどころではないほど空腹かのどが渇いているのでしょう。

 相当お腹が空いているのか、長い時間吸蜜していました。暑さで頭がクラクラしてきました。自然植物園の中ほどにある展望台で休憩。他にはコミスジ、イチモンジチョウ、ミドリヒョウモンが舞っていました。

 展望台の下から東の眺め。松代方面です。奇妙山の後ろには雲に隠れた根子岳と四阿山。

 バナナではないですよ。ニッコウキスゲに似たユリの残花にキスゲフクレアブラムシ。別名はゴンズイフクレアブラムシ。橙黄色でロウ質の白い粉で覆われています。

 北米原産のルドベキアの一種。草丈が150センチぐらいあります。別名は松笠菊。

 クガイソウに似ていますが、ヒメルリトラノオ。ヨーロッパ~北アジア原産のベロニカ・スピカータの小型品種。

 エゾカワラナデシコ(蝦夷河原撫子)。北海道、本州(中部地方以北)の山地の日当たりの良いところに自生している多年草です。苞が2対で、花弁の先が細かく別れています。低山ではカワラナデシコ、高原に行くとタカネナデシコが見られます。

 オドリコソウの仲間だとは推測できるのですが外来種ですね。草丈がかなりあります。私の背丈よりあります。画像検索すると、Lamium orvalaやHedge woundwortと出ます。いずれもシソ科でオドリコソウの仲間ですが。こんなに草丈の高い種はありません。なんでしょう。引き続き調べます。記事は、誤りや不明な点が解明できたとかの場合に加筆修正することがあります。特に通知はしませんが、できるだけツイッターに載せるようにします。

 昆虫が少ないので、動物園北口下に行ってみました。恐竜公園があります。小学生が昆虫採取していました。何か捕れたと聞くとオオムラサキのオスが二頭。餌なにをやればいいか分かる?と聞いたら樹液といいうので、シロップや果汁でもいいよと言いました。そして撮影した写真を見せてあげました。昆虫採取を通じて命と触れ合うということは重要です。
 この恐竜はお腹の横に穴があって、小さな子なら入って口から頭を出して「ギャー!恐竜に食べられたぁ」という動画や写真を撮ることができます。きっとバズります。

 目ぼしい昆虫がいないので帰ることに。公園から望む妻女山山系。なだらかな丘陵地帯で山村がある西山と、険しい妻女山山系は地形も土質も異なります。そこが面白い。

 妻女山展望台からの茶臼山。自然植物園や動物園、恐竜公園の傾斜地は、上の崩壊した茶臼山南峰から続く地滑り地帯です。茶臼山の地層は、浅いところに亜炭や泥炭の層があり地中深くまで水を通さないため、大雨が降ると表層部が地滑りを起こしやすいのです。そのため山中に水を抜くための施設がたくさんあります。

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森の線香花火ネムノキの花。森の宝石オオミドリシジミ。希少ウラキンシジミ、オオスズメバチ。崩壊寸前の妻女山松代招魂社(妻女山里山通信)

2022-07-02 | アウトドア・ネイチャーフォト
 今日も朝からピーカン。8時過ぎに撮影現場に到着。前回より暑くなりそうです。陣場平で朝は24度でしたが、10時には27度になりました。ルイボスティーを500ml、氷水を1リットル持って行きましたが、どんどんなくなります。体力的にはかなりきつい撮影です。合間には有害帰化植物の除去や落枝の処理、林道の修理もします。撮影機材以外に山仕事の道具も必要なので車で登るのです。本当はジムニーぐらいがいいのですが、3ナンバーのSUV。現場で出会った人にはよく登れますねと言われます。百回以上登っているのでタイヤの置所とかアクセルの微妙な調整も知っているのでなんとか登れます。仲間と登る時は、注意点を言います。他の方には、車を傷つけるか最悪壊れますよと言いますね。おすすめしません。

 ネムノキ(合歓木、合歓の木)が咲き始めました。例年より少し早めです。夜になると小葉が閉じて垂れ下がる就眠運動を行うことで眠る木。
「昼は咲き 夜は恋ひ寝(ぬ)る 合歓木(ねぶ)の花 君のみ見めや 戯奴(わけ)さへに見よ」 紀女郎(きのいらつめ) 『万葉集』巻八1461
(昼に咲いて、夜には恋しい想いを抱いて寝るという合歓の花を私だけに見させないで。ほら、君もここに来て見なさいな):紀女郎が大伴家持に贈った歌なんですが、紀女郎は年上の人妻で、戯奴というのは目下の人を呼びかける言葉だそうです。人妻が若者をからかったのか、誘ったのか。背景を知ると、なんとも意味深な歌です。
 二人の関係については、非常に面白い考察があるので、興味のある方は一読をおすすめします。
紀女郎と大伴家持

 ネムノキは高さ10m以上になります。花は葉の上に咲くので、下からはよく見えないことがほとんどです。ここは林道下の斜面に根本があるので間近で見られるのです。化粧の刷毛の様でもあり、線香花火の様でもあり。繊細な花です。なんとも形容し難いかすかに甘い香りがします。赤松と同様に排気ガスには弱いようで、我が家の山の大木は高速道路ができたら数年で枯れました。
 ネムノキの花はマゼンダピンクとホワイトですが、普通に撮るとバックが黒か緑になってしまいます。それだと映えないのです。上のカットの様に青空が入ると凄く映えるのです。そのためにアングルを微妙に変えたりして何十カットも撮影しています。これを炎天下でやるのは頭がクラクラしてきますが、妥協できない非常に大事なことなのです。色の織りなす魔法。

 オオミドリシジミは、前回より少し増えていました。それでも例年より少ないと思います。大きな複眼が可愛らしい。頭上ではサンコウチョウが盛んに鳴いています。

 前の記事で、翅の青色は色素色ではなく構造色と記しましたが、実はこの構造色というのは原理が非常に難しいのです。世界中でたくさんの論文が書かれています。
モルフォチョウ構造色の基本原理:規則性と不規則性の共存」東京理科大学 理工学部 物理学科 吉岡研究室:いや難しいです。染色とか印刷をやっていたので色素色には非常に詳しいのですが。

 歴戦を戦い抜いてきた猛者。後翅がもうボロボロですね。オオムラサキの様に地上に下りることはないので、ニホンカナヘビに襲われたということではないと思いますが。

 素晴らしい生命力。

 左がオオミドリシジミ。右がハヤシミドリシジミ。後翅の橙色の部分の違いが分かると思います。と書いたのですが、もしやと思い蝶の専門家に聞いてみました。撮影時間が11時なのと翅の色や文様から、アイノミドリシジミである蓋然性が高いということです。おそらくそうでしょう。なんとかミドリシジミとつく種は、同定が非常に難しいのです。細かく違いを説明しているサイトもありますが、細かすぎて逆に分からないほどです。

 陣馬平。目ぼしい昆虫はいません。暑すぎるのか蜘蛛の巣も少ない。ヤブ蚊もいません。煩いクロメマトイも少ない。ニイニイゼミが鳴き始めましたがわずかです。セミもあまりの暑さに地上に出てきていいのか迷っているのでしょうか。前回ムモンホソアシナガバチに刺された場所が赤くなりました。治る印ですが痛痒い。かさぶたになって見たら、なんと5箇所刺されていました。オーマイガー。

 山椒の葉に、シオヤアブ(塩屋虻)のオス。蝶や甲虫の天敵です。自分より大きな虫を捕らえることもあります。体液を吸うのです。人が襲われることは殆どありませんが、アブよけには、登山家に絶対の信頼を集めているキンカンの虫除けスプレーをおすすめします。

 樹液バーに訪れたオオスズメバチ。樹液がたっぷり出ているのと競争相手が少ないので、他の昆虫を蹴散らすようなことはありません。この後、突然飛び去って私は即座に逃げました。なにせ100m追いかけられたことがありますから。キイロスズメバチやチャイロスズメバチの方が遥かに凶暴で危険です。ネオニコの空中散布で昆虫が死滅した夏に樹液バーに来たら、チャイロスズメバチの大群に襲われたことがあります。車中にいたので無事でしたが、ウィンドウに大群が猛烈に体当たり。車外に出ていたら命はなかったでしょう。

 コムラサキ(小紫)。シソ目クマツヅラ科ムラサキシキブ属の落葉低木です。妻女山山系にはムラサキシキブ(紫式部)もありますが、コムラサキの方が多く見られます。コムラサキの方が紫の実をたくさんつけるので庭木にはおすすめです。コムラサキの実は鳥たちが好んで食べますが、人が食べても美味しくはありません。

 ウラナミアカシジミ(裏波赤小灰蝶)。幼虫の食樹は、クヌギ、コナラ、アベマキなど。成虫も、食樹のまわりをあまり離れない様です。他のシジミチョウでも何度も目撃しましたが、この個体もニジニジとゆっくりと360度回転するのです。調べましたが分かりませんでした。どういう理由なんでしょうね。近くに天敵がいないか確認するのでしょうか。

 ウラキンシジミ(裏金小灰蝶)。食樹はマルバアオダモ。いやあ初めて撮影しました。生息することも知りませんでした。感激です。地面のわずかな水分を吸っているのでしょうか。翅の表は暗褐色で非常に目立たないシジミチョウです。県によっては絶滅危惧種に指定されているところもあります。

 イチモンジチョウ(一文字蝶)。幼虫の食草は、スイカズラ、キンギンボクなど、スイカズラ科の植物。そういえば今年はまだスイカズラが咲いていません。ウツギもエゴノキもネジキも咲いていません。なんということでしょう~。いずれも6月上旬に咲く花です。

 戊辰戦争以降の戦没者を祀る妻女山松代招魂社。老朽化で瓦が落ちそうで危険なので囲われています。奉賛会とか地元で管理していますが、維持費を捻出するのは大変だと思います。神社なので税金をつぎ込むことはできません。非常に重要な歴史的神社なのでクラウドファウンディングで資金を募るとか考えないといけないでしょう。木鼻の唐獅子は韓国人の窃盗団によって持ち去られ戻っていません。松代は大本営がありました。小中の同級生には、帰国しなかった在日の家族もたくさんいました。家に招かれて遊びにも行きました。差別はなかったですね。当時は親も言わなかったので在日とも知りませんでした。日本人も徴用されていましたから互いに苦汁をなめて支え合ったのでしょう。窃盗はそんな歴史を知らない馬鹿共の仕業でしょう。

 妻女山展望台の四阿から見る茶臼山と右後に虫倉山。いずれも拙書で載せています。すっかり夏色の風景。本を出版する前は、取材撮影で昼を挟んで5時間ぐらい樹液バーにいたのですが、さすがにもう無理です。撮影は午前中の3時間がやっと。熱中症で死んじゃいますよ。温泉へ行ってビール飲んで昼食後シエスタ。昔、数ヶ月居候していたアマゾンの人達の様な生活をしています。
 アウトドアや山登りなどでの熱中症。しかし、水分補給や塩分補給だけでは駄目なんです。スポーツドリンクやジェルでも駄目。ミネラル補給も必要。最も効果的なのは、生味噌。味噌きゅうりを持参すべき。痙攣がピタリとおさまる。経験で何度も生味噌で救われています。酷い時は大さじ一杯ぐらいの生味噌を口に含んで水をごくごく飲んで流し込むと、マジックの様に熱性痙攣が収まります。これを広めて欲しい。
アマゾンひとり旅:200日の南米アマゾン、アンデス一人旅の記録。新婚旅行もアマゾンでした。

『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。地形図掲載は本書だけ。山の歴史や立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。10本のエッセイが好評。掲載の写真やこのブログの写真は、有料でお使いいただけます。

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