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雨宮処凛がゆく! 第529回:感染拡大の中、3度目の「いのちとくらしを守る」ホットライン、開催。

2020年08月06日 | 社会・経済

  マガジン9 2020年8月5日

    https://maga9.jp/200805-1/

新型コロナ感染の拡大が止まらない。

 7月31日、東京都の新規感染者は463人、8月1日にはそれを上回る472人と過去最高を更新。8月2日には292人、3日には258人となったが、7日連続で200人超。こうなると、何人くらいになれば「少ない」と思っていたのかもわからなくなってくるが、5月後半頃の都内の新規感染者が日によっては一桁だったことを思うと危機感が募る。

 感染拡大を受け、沖縄では独自の緊急事態宣言を発出。8月1日から15日まで、不要不急の外出自粛が呼びかけられ、那覇市内の飲食店は夜10時までの時間短縮が要請され、松山地域の接待を伴う施設にも休業が要請されるなどしている。

 東京都でも、飲食店とカラオケ店に対して8月3日から31日まで、夜10時までの時短営業を要請。応じた店舗には協力金20万円が支払われるという。

 一方、感染者がやはり急激に増えている大阪でも、一部エリアの店舗に対して休業や夜8時までの時間短縮営業を要請。8月6日から20日までで、時間短縮に応じた店舗には一日あたり2万円の支援金が出るという。また、連日100人を超える感染者が出ている愛知県でも、名古屋市の一部地区の飲食店、カラオケ店に対し、休業や午後8時までの時間短縮を要請。期間は5日から24日まで。要請に応じた店には最大20万円の協力金が支給される。そんな愛知県の隣の岐阜県では、独自の「第2波非常事態宣言」が発出された。

 「客の戻りは半分以下だけど、このまま感染者が減っていけばなんとかなるかもしれない」

 6月から7月はじめにかけて、飲食店の人々がそう口にするのを耳にしてきた。同時に、久々に夜に外出したら街の風景が一変していることに、この2ヶ月ほど驚かされてもきた。よく行っていた飲食店が潰れ、内装工事をしている光景を何度見ただろう。その中でなんとか生き残ってきた飲食店などに対して、またしてもこの試練。そして今、再び多くの人が失業や家賃滞納、ホームレス化の危機に晒されている。

 そんなふうに感染が拡大し続ける7月31日、厚生労働省で記者会見をした。8月8日に、3度目になる「コロナ災害を乗り越える いのちとくらしを守るなんでも電話相談会」を開催するからだ。

 会見に参加したのは、つくろい東京ファンドの稲葉剛氏、反貧困ネットワークの瀬戸大作氏、反貧困ネットワーク埼玉の猪股正氏、ホームレス総合相談ネットワークの後関一博氏、そして私。

 3月頃からコロナによる生活困窮者支援を続ける稲葉氏と瀬戸氏からは、ここ最近の相談傾向について語られた。緊急事態宣言の出ていた4〜5月の野戦病院状態と比較して、6月からは相談件数は少し落ち着いてきたものの、感染が拡大し始めたこの2週間ほど、再び相談が増える傾向にあるという。

 その中には、「2度目の相談」の人もいる。4月などに一度相談をしてきた人が、再び相談メールをしてくるパターンだ。東京都が確保していたホテルから出て仕事についたものの、再び仕事がなくなり相談してくる人もいれば、一度目の相談の際、支援者から「生活保護」を提示されても「自力で頑張る」と答えた人たちもいる。「国のお世話になる」のではなく、特別定額給付金10万円や社会福祉協議会の貸付金などでなんとか繋ぎつつ、仕事を見つけるという人たちだ。しかし、貸付金を借りたり給付金を支給されたりしても、結局は滞納していた家賃の支払いや生活費に消えてしまい、コロナ禍の中、仕事も見つからない。そんな人が、第二波と言われる中、どうにもならなくなって連絡してくるのだ。

 このように「2度目の相談者」が見られるのが「第二波」の特徴かもしれない。ちなみに職種として多いのは、感染者数の増加にモロに影響を受ける飲食業や風俗店など。「新型コロナ災害緊急アクション」に寄せられる緊急相談を見ていても、そのような職種の人や「2度目の連絡の人」をちらほら見かける。

 この日の会見では瀬戸氏から、そんな「新型コロナ災害緊急アクション」の支援について、具体的な話もなされた。これまでこの活動を支える「緊急ささえあい基金」には多くの寄付金が集まり、現在までに約600世帯、1000人以上に現金給付がなされてきたことなどだ。緊急ささえあい基金に寄せられた寄付金は、直接給付によって多くの命を救っている。その中には、この国の公的なセーフティネットになかなかひっかかれない外国人も多くいる。一刻も早い支援がなければ餓死の危険性に晒されている人たちだ。そんな状況を思うと、外国人を救う公的な仕組みが必要だと切に思う。

 会見では、私もここ最近の話をした。

 例えば緊急事態宣言が出された4月頃に支援し、現在は生活保護を利用してアパート暮らしをする人に話を聞くと、日雇い派遣などの仕事はもっとも仕事がなかった4月5月よりは増えたという。が、今回の感染拡大を受け、再び仕事が減る、もしくはシフトに入りづらくなることが予測される。なぜなら、第一波の際、日雇いの仕事が減ったのは、イベントなどの仕事がすべて流れたこともあるが、飲食店などの休業により働く先を失った人が日雇い派遣に殺到したという理由もあるからだ。

 そして今、同じことが起きている。感染者が拡大し始めた7月後半頃から、都内では飲食店への客足は急激に遠のいている。そうして3日から始まった営業時間短縮の要請。そうなると、働く場をなくした人々、その日の稼ぎでギリギリの生活をする人々は、また日雇いの工場の現場などに殺到するだろう。そうすれば再びあぶれる人が出る、というわけである。

 この国には、感染者が増えるたびに、生活そのものが破綻する層が一定数、存在する。第一波でそのことは嫌というほどわかったはずなのに、各自治体はわずかな協力金を店に支給するだけで、働く人への補償はまたしても置き去りだ。店だって20日間も時短営業して、地域によっては午後8時に店を閉めてたった20万じゃ「焼け石に水」のところが多数で、とても従業員への補償などできないだろう。そんな中、国が進めているのは「Go To トラベル」。無策を通り越して、もはや不条理劇場だ。

 そうして困窮し、路上などに放り出された人たちを支援するために、また民間がボランティアでフル稼働するのだろうか? 感染者が増えるたびにそんなことを繰り返していたら、社会は脆弱になるばかりだ。なぜ、コロナを機に、最低限、失業くらいではホームレス化しないセーフティネットの分厚い社会にシフトしようとか、そんな議論にならないのか。このように、ただただ場当たり的なことを思いつきでやっているようにしか見えないから、不安は募るのだ。

 ちなみに7月なかば、取材で沖縄を訪れたのだが、着いてそうそう言葉を失った。常に観光客でごった返す国際通りには人の姿はほとんどなく、シャッターを閉める店も多かったからだ。タクシーの運転手さんに話を聞くと、売り上げは昨年の10分の1、すでに廃業を決めた土産物屋や飲食店も多くあるという。「少なくとも持続化給付金があと3回はないと沖縄はとても持たない」。運転手さんはそう言った。

 観光が大きな資源である場所ほど大打撃を受けている。そんな沖縄が再び緊急事態宣言の中にあることは前述した通りだが、全国の観光地の惨状はいかほどのものだろう。「だからGo To トラベル」と国は言いたいのだろうが、それで感染が拡大してしまってはどうにもならないではないか。

 そんな中、政府は飲食店でクラスターが発生し、感染経路の追跡困難な場合には店舗名を公表すると7月28日、打ち出した。「夜の街」という呼称といい、どこまで飲食店を痛めつければいいのだろうか。

 思えば、コロナ感染が拡大し始めた頃にはライヴハウスが責められ、そのあとにはパチンコ屋やパチンコ屋に行く人が槍玉に上げられた。誰かを「悪者」にするコロナ対策は、社会の分断を生むだけに止まらず、場合によっては困窮者も生み出す。困窮者支援という形でその尻拭いの末端にいるからこそ、「悪者扱い」はやめてほしいと思うのだ。

 ということで、8日のホットライン、全国から無料でかけられるので生活に困っている人はぜひ、電話してほしい。そして周りで困っていそうな人に、ぜひこの情報を届けてほしい。

「コロナ災害を乗り越える いのちとくらしを守るなんでも電話相談会」(無料・全国いっせい)
【日時】8月8日(土) 10:00〜22:00
【電話番号】0120-157-930(フリーダイヤル)
詳しくはこちら→https://saitamasogo.jp/archives/87006

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今日は広島原爆忌。

「人類の脅威に対して連帯を」被爆75周年、広島市長が平和宣言。世界の指導者に「核兵器禁止条約」を訴える

「人類の脅威に対して連帯を」 広島市長が平和宣言

 1945年8月6日、広島は一発の原子爆弾により破壊し尽くされ、「75年間は草木も生えぬ」と言われました。しかし広島は今、復興を遂げて、世界中から多くの人々が訪れる平和を象徴する都市になっています。

 今、私たちは、新型コロナウイルスという人類に対する新たな脅威に立ち向かい、踠(もが)いていますが、この脅威は、悲惨な過去の経験を反面教師にすることで乗り越えられるのではないでしょうか。

 およそ100年前に流行したスペイン風邪は、第一次世界大戦中で敵対する国家間での「連帯」が叶(かな)わなかったため、数千万人の犠牲者を出し、世界中を恐怖に陥(おとしい)れました。その後、国家主義の台頭もあって、第二次世界大戦へと突入し、原爆投下へと繫(つな)がりました。

 こうした過去の苦い経験を決して繰り返してはなりません。そのために、私たち市民社会は、自国第一主義に拠(よ)ることなく、「連帯」して脅威に立ち向かわなければなりません。

 原爆投下の翌日、「橋の上にはズラリと負傷した人や既に息の絶えている多くの被災者が横たわっていた。大半が火傷(やけど)で、皮膚が垂れ下がっていた。『水をくれ、水をくれ』と多くの人が水を求めていた」という惨状を体験し、「自分のこと、あるいは自国のことばかり考えるから争いになるのです」という当時13歳であった男性の訴え。

 昨年11月、被爆地を訪れ、「思い出し、ともに歩み、守る。この三つは倫理的命令です」と発信されたローマ教皇の力強いメッセージ。そして、国連難民高等弁務官として、難民対策に情熱を注がれた緒方貞子氏の「大切なのは苦しむ人々の命を救うこと。自分のだけの平和はありえない。世界はつながっているのだから」という実体験からの言葉。これらの言葉は、人類の脅威に対しては、悲惨な過去を繰り返さないように「連帯」して立ち向かうべきであることを示唆しています。

 今の広島があるのは、私たちの先人が互いを思いやり、「連帯」して苦難に立ち向かった成果です。実際、平和記念資料館を訪れた海外の方々から「自分たちのこととして悲劇について学んだ」、「人類の未来のための教訓だ」という声も寄せられる中、これからの広島は、世界中の人々が核兵器廃絶と世界恒久平和の実現に向けて「連帯」することを市民社会の総意にしていく責務があると考えます。

 ところで、国連に目を向けてみると、50年前に制定されたNPT(核兵器不拡散条約)と、3年前に成立した核兵器禁止条約は、ともに核兵器廃絶に不可欠な条約であり、次世代に確実に「継続」すべき枠組みであるにもかかわらず、その動向が不透明となっています。世界の指導者は、今こそ、この枠組みを有効に機能させるための決意を固めるべきではないでしょうか。

 そのために広島を訪れ、被爆の実相を深く理解されることを強く求めます。その上で、NPT再検討会議において、NPTで定められた核軍縮を誠実に交渉する義務を踏まえつつ、建設的対話を「継続」し、核兵器に頼らない安全保障体制の構築に向け、全力を尽くしていただきたい。

 日本政府には、核保有国と非核保有国の橋渡し役をしっかりと果たすためにも、核兵器禁止条約への署名・批准を求める被爆者の思いを誠実に受け止めて同条約の締約国になり、唯一の戦争被爆国として、世界中の人々が被爆地ヒロシマの心に共感し「連帯」するよう訴えていただきたい。また、平均年齢が83歳を超えた被爆者を始め、心身に悪影響を及ぼす放射線により生活面で様々な苦しみを抱える多くの人々の苦悩に寄り添い、その支援策を充実するとともに、「黒い雨降雨地域」の拡大に向けた政治判断を、改めて強く求めます。

 本日、被爆75周年の平和記念式典に当たり、原爆犠牲者の御霊に心から哀悼の誠を捧げるとともに、核兵器廃絶とその先にある世界恒久平和の実現に向け、被爆地長崎、そして思いを同じくする世界の人々と共に力を尽くすことを誓います。

令和2年(2020年)8月6日

広島市長 松井一実
(朝日デジタル)より


8:15YouTubuの実況を見ながらわたしも黙祷をささげました。
地球をなくしてしまうような「武器」はいらない。人類が制御できない「核」は、いらない。戦争を考える8月が始まりました。