こんにちは。園長の田中啓昭です。
今回のvol.12では、前回のvol.11でお伝えしたように、工事の中で少し遊び心を持たせた部分や先駆的なこだわりを取り入れた部分を少しお伝えできればと思います。
まずは、前回のvol.11でお伝えした、ふじ組(0歳児)とあか組(1歳児)保育室の工事ですが、こんな遊び心も持たせています。
一見、何の変哲もないただのドアです(トイレと保育室をつなぐドア)。
こちらのドアには窓が上下2つあります。
そこがミソなのです。
上の窓は保育士や大人が中の様子を確認できるように。
下の窓は子どもが中の様子を確認できるように。
子どもたちや大人がドアで関係や思いを遮断されないように…そのような想いで作っています。
実際に子どもたちがお友達が室内に入っているのが気になるのでしょうね。
私たちの予想以上に子どもたちが興味をもってドアの前に集まってきます。
子どもたちにとって、他者を意識できる窓ではあるのですが、大人にとってもとても有効な窓で、トイレにいながら保育室の様子が確認でき、またトイレから出る時も、ドアの前に子どもがいるのかどうかといった安全の確認ができるようになっています。
子どもにとっても大人にとってもとても有効な窓が出来上がりました。
もちろん、子どもたちに危険がないようにガラスではなく、ポリカーボネード製で安全を考慮した仕上がりです。
次はトイレについてです。
通常は洋便器を設置されることがほとんどですが、写真のように和便器を幼児トイレに1箇所取り入れています。
各ご家庭ではほぼ洋便器となっていますが、まだまだ公共の施設等では和便器のところが多くあります。
学校においても施設設備の老朽化から修繕を行う機会に少しずつ洋便器に移行されていますが、こちらもまだまだ和便器も多数存在しています。
そのようなことから、子どもたちがどのような状況においても用が足せるように、当園ではあえて和便器を導入し、どのような状況においても対応できるようにしています。
次は少し夢ふくらむお話です。
今回、ステンドグラス作家さんに依頼して、園舎の一部にステンドグラスを入れ込む計画をしています。
先日、建築士さんとステンドグラス作家さんと打ち合わせをしました。
とてもきれいですよね。
私は個人的にステンドグラスが好きで、100年ほど前のヨーロッパの教会のステンドグラスなどアンティークなものをいくつか所有し、我が家ではオブジェとして活躍しているほどです。
そこで、今回はアンティークではなく、「作ってしまおう!」と作家さんにお願いしたのです。
もくれん保育園だから、「もくれん」をモチーフに制作してもらおうかとも思いましたが、基本的にモチーフはあまり好きではなく、しかも「もくれん」だったら和風になってしまうし…、じゃあ幾何学的な模様にしようかなと思ったりしたのですが、悩んだ挙句に模様ではなく保育園だから「色で遊んでしまえ!」とスタイリッシュになる予定の外観のカラーリングとは対照的に写真のようなカラフルな色合いで遊び心を持たせることにしました。
ステンドグラスも、写真のようにイエローとブルーを重ねるとグリーンに変化するんですよ!
どこに、どんなステンドグラスが使われるか、楽しみにしていてください。
そして、最後は保育室のテーブルとイスについてです。
今回の修繕に付随して、すべてのイスとテーブルを取り換えることにしました。
全園児のイスとテーブルを取り換えるわけですがら、これだけでも多大な金額がかかってしまいます。
ですが、現状は子どもの身長や年齢にあっていないものが多いうえに、びっくりしたのですが、テーブルやイスの足を鉄のこぎりなどで切って高さを調整しているものが多く、すべてのイスやテーブルの高さがマチマチで、中にはぐらぐらするものもいくつか存在していました。
そのようなことから、まずは幼児の机とテーブルを一新しました。
き組(3歳児)テーブル・イス
みどり組(4歳児)テーブル・イス
一見すると同じように見えますが、3歳児と4歳児では活動の内容が変わってくるので、テーブルの幅とイスの高さを変更しています。
しろ組(5歳児)デスク・イス
5歳児については、就学に合わせた取り組みとして「アプローチカリキュラム」を園独自で取り組んでいますが、その一環としてマイデスク・マイチェアを持ち、スクール形式の保育(授業)に対応できるための環境を整備しました。
とはいうものの、保育はグループで行うことももちろんありますので、そのようなときはマイデスクをもちより、写真のようにくっつければ、従来のようなテーブルの機能を有することになります。
つまり、ただ単なるテーブル・イスととらえるのではなく、年齢に応じた取り組みが展開できるように、発想から一新することにしたのです。
従来のようにグループとして使う場合
スクール形式で使う場合
このように、きれいにするだけの修繕ではなく、子どもたちの目線で遊び心も持たせつつ、子どもたちの発達や年齢に応じてどうすることが最善なのか、と考えながら引き続き修繕工事を行っていきたいと考えています。
次回のvol.13では事務所の改装工事を中心にレポートしていきたいと思います。
楽しみにお待ちください!