2013年が終わろうとしています。一年間、いろいろとお世話になり、ありがとうございました。
一年の最後に個人的なことですみませんが、年末に孫が来ました。大晦日に帰る予定で来ているのですが、来た日の夜に熱をだし、ひきつけ(熱性けいれん)を起こしてしまいました。夜の11時くらいのことで、どうしたらいいのか途方に暮れたのですが、「こども病院」が夜間の外来受付をしている、とのことで電話してみたところ、実にこころよく来院するように言ってくれます。
行ってみると、午前1時というのに通常のような態勢で受付・診療をしてくれます。次々と電話が入り、次々に小さい子供を抱えた親たちがやってきます。中には、パジャマ姿の上にコートをはおってとるものもとりあえず、という感じで小さな赤ちゃんを抱きかかえて震えながら来ているお母さんもいます。
そのような子供たちに対して、病院のスタッフがてきぱきと、しかし事務的にはならず親身な接し方で診察をして行きます。私たちのいた2時間くらいの間に少なくとも7人のこどもが受診して帰っていきました。私の孫も、翌日には熱が下がりました。
「小児医療」というのは、大変な分野だそうです。責任が非常に重く、負担も重いわりに恵まれず、最近の若い人には敬遠されがちだ、という話も聞きます。それによって、より一層大変になってもいるのでしょう。実際にその姿を見ると、大変さがよくわかります。本当は、もっと重く大変な場面が多くあるのでしょう。
その大変さを越えて医療体制をつくり、実際に大変な思いをしながら診療にあたってくれる人々がいる、ということに、実にありがたく思います。それによって助けられるこどもの命があり、不安を払拭してもらえる親たちがいる、ということがありがたいことですが、それは社会的にも大きな意義があることです。この意義があるからこそ、それを担う人々もいるのでしょう。
今回のことで、「社会的な意義のある仕事をする」ということが、やはり基本にあるべきなのだ、ということを、あらためて思わされました。
私たちの仕事によっては、直接にこどもの命を救えるわけではありませんが、社会的な制度の中で人々の生活の安全を支える一つの役割を果たすことはできます。直接的でないからこそより一層そのことを強く意識して行く必要があるのだと思わされました。
それでは、来年もよろしくお願いいたします。