大分の土地家屋調査士ブログ

「土地家屋調査士の業務と制度」を中心に、それに広い意味で関連する様々なことについて一人の人間として思うところを書きます。

「社内融和」

2013-10-30 08:32:17 | インポート
阪急グループの経営する「一流ホテル」での食材偽装が大きな問題になっています。

この問題、いろいろな切り口のある問題なのだと思います。

まずは、オーソドックスに、「偽装」が許し難い、ということがあります。社長さんがいみじくも言ったように「誤表示」と言い張られている「偽装 」「偽称」は、この世の中、いくらでもあるのでしょう。特に「専門領域」については、少々の嘘を言ってもわからない、として「偽」がまかり通る危険性が大きい、ということに注意する必要があります。これは、わが業界についても胸に手を当てて考えるべきことです。

この問題だけに限って言えば、「一流ホテル」で高い金を払っている「客」の資質も問われます。「芝海老」や「九条ネギ」だと言われるからありがたがる、その実質は何もわからない、それでいて高い金を払ってそれが「ステータス」だと思う、という状態は脱け出すべきものだと思います。そんなことに金を使うくらいなら稼がなくたっていいじゃないか、・・・・と私は思うのですよね。

・・・というようなことはともかく、今回の「事件」について言われていることの中で私が興味深く思ったのは、このような事態を招いた原因として、「合併を繰り返す中で『社内融和』を何より追求するようになり、互いの非を追求しないようになった」ことがある、というような解説です。確かに「仲良きことは美しき哉」なのですが、それが第一の目的のようにされてしまうといけないのですね。元々個人事業者の集まりである私たちの業界でも同じようなことがあり得るのだと思います。

「社内融和」を乱してでも「食材偽装はいけない」と言わなければならない・・・。この事件を受けて私の得た教訓です。

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今週の予定

2013-10-28 06:37:11 | 調査士会

10.30(水) 93条調査報告書の様式改定に関する打合せ(法務省)。これから内容に関する検討を開始するところで、とりあえずは説明を聞きながら現段階での調査士サイドからの意見をお話しして、これからの継続的な協議を進めて行きたいと思っています。

10.31(木) 中国ブロック担当者会同に出席させていただきます。

11.1(金) 京都会研修会

11.2(土) 地籍問題研究会第8回研究会(於横浜桐蔭大学)

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読んだ本―「世界は宗教で動いている」(橋爪大三郎著、光文社新書)

2013-10-24 09:01:01 | 本と雑誌

「まえがき」の冒頭で

「ビジネスマンなら宗教を学びなさい。」/ビジネスマンの皆さんには、こう言うことにしている。

と言っています。その理由は、

「日本以外のたいていの国では、経済・政治・法律・・・社会生活を、まるごとひっくるめたものが「宗教」なんです。・・・・ゆえに。「宗教」を踏まえないで、グローバル社会でビジネスをしようなんて、向こう見ずもはなはだしい。」

「いま、グローバル世界で必要なのは、異なった信仰やちがった文明に属するひとびとが、どういう国際社会(コミュニティ)を作って行けるか、という構想である。」

ということなのだそうです。確かに、「グローバル化」が進む中で、それに対応しようとする日本の(そしてわが業界での)対応方針に、「社会」全体を見ようとせず、「産業」「市場」しか見ようとしない薄っぺらなものが多い中で、「宗教」から考えることは有意義なのだろう、と思って読みました。

内容は、「ヨーロッパ文明とキリスト教」「宗教改革とアメリカの行動原理」「イスラム文明の世界」「ヒンドゥー教とインド文明」「中国文明と儒教・仏教」「日本人と宗教」の各講義で構成されていて、まさに世界の宗教についてのごくごく基礎的な事柄を教えてくれて「入り口」を示してくれます。それぞれの宗教とそれにもとづく行動原理を概観できるのをありがたく読みました。

その中で、私の特に気になっていたのが「アメリカ」で、この章には「ウォール街の”強欲”をどう考えるのか」というサブタイトルがついています。

著者は、「日本で、富の格差が当然と思われるのは、それが労働の正当な対価だと考えられる場合です」としたうえで、

「アメリカでは、誰がたくさん儲け、ほかのひとがあまり儲からなくても、神の意思だから甘受しなければならない、と考えます。・・・・大儲けしたひとは、市場と神によって祝福されたのであって、努力したかどうかとは関係ないと考えるのです。」

と説明します。もちろん、「強欲資本主義」への反省が示されている、という一面もあるわけですが、社会の深い所の流れとの関係で考えないと、社会の現実を全体的に変えて行くことはできない、という大変さを感じさせられます。

そして、そのような「アメリカ的特殊性」が、「国家」としては後退しつつも、「グローバル企業」を実態とする「グローバリズム」によって世界を席捲しようとしていることに対して、どのようにとらえ、どのように対応していくべきなのか、ということが 考えられなければなりません。

私たちの仕事について考える時も、ついつい目先の事象に目を奪われがちですが、それを超えて社会と人間の生活の深部から見て、考えて、再構成する、ということが必要なのだと思わされました。

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今週の予定

2013-10-21 06:14:32 | 調査士会

10.21(月)  大分会  綱紀委員会。常任理事会

10.22-23 日調連 技術センター会議    私自身は、正直言って「技術」のことは、まったくと言っていいほどわからない純粋文科系人間なのですが、「土地家屋調査士」全体として確かな技術的基礎を持つ、ということは、とても大切なことなのだと思います。そして、それを法的な制度や社会全体と繋ぐ役割を果たしていくことを自らの課題とするべきなのだと思っています。そういう観点から、勉強させていただくことを含んで会議に参加させていただきます。

10.23 日調連正副会長会議、制度対策戦略会議   

10.24-25 日調連 筆界特定制度推進委員会会議  筆界特定制度は、私自身としても平成18年1月の発足以前から関わってきたもので、思いの強い課題です。もちろん、そんな個人的なことではなく、日本の土地境界に関わる制度にとって、とても重要な意味を持つものだと思っています。筆界特定制度の8年弱の成果と課題を洗い出して、土地家屋調査士が主体的に取り組んでいく方向性を明らかにしていくべきなのだと思いますので、そのような会議になることを期待します。

10.26-27 九州ブロック協議会担当者会同、会長会議(於佐賀県唐津)

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読んだ本―「日本破滅論」(藤井聡・中野剛志、文春新書2012.8)

2013-10-19 06:41:59 | 本と雑誌

ブックオフで105円で買った本です。「日本破滅論」というタイトルは編集者がつけたそうですが、あざとすぎるタイトルが空振りをした本、という感じがしました。

内容的には、(さまざまに全く違うな、と思わされるところもありつつ)面白いものでした。

「危機論」「パラダイム論」「物語論」「政治論」「経済論」という諸領域について京都大学所属(当時)の「気鋭の論客」二人が語り合うもので、勉強になるし、刺激を受けるところの多いものです。「異次元の金融緩和」「財政出動」「列島強靭化」といった最近の(この本出版以降の)事態についても考えさせられて、105円で読めるのなら、とても安い、と言うべきでしょう(定価の「770円+税」でもですが)。

その中で、一つのことだけについて書きます。「政治論」の中で言われていることです。

「有権者が政治に参加する以外には、二つしか手段がない。一つは一票を投じること、もう一つは議論をすることです。しかも一票を投じる前にも議論が行われる。つまり、しゃべること、議論することこそが政治のすべてなのです。」

ここでの「政治」は、広い意味でとらえるべきでしょう。私たちの業界内でのさまざまな関係性も広い意味での「政治」において考える必要があるのだと思います。

この「議論すること」が、きちんと成立しないところに問題がある、とされています。それは、たしかに私も日常的に感じるところです。

その原因として、「人間の精神的俗悪性」=「自己閉塞性」と「傲慢性」が挙げられています。これにとらわれている人がいると、いくら「議論」をしても何も変わらず、何も生み出されない、ということになってしまう、と言われています。なにしろ他人の意見を聞かないので、自分の意見が変わることはなく、言いっぱなしの状態で終わってしまう、というのです。議論が頽廃する、という言い方もしています。

私たちが、常日頃おこなっている「議論」にも当てはまるものだと思わされます。

これを克服するにはどうしたらいいのか?・・・・その答えがだされているわけではありませんが、とにかく良質な議論を繰り返し、その中でみんなが成長していく、ということしかないのでしょう。

問題外だと思われるような意見が出されているなら、それがどんなに非道な意見だったり、突飛だったととしても、また「場の空気」がそれに支配されているように思われたとしても、それに対する「議論」を行うことがまずはスタートなのだと思います。その「議論」を行わずに、いわば「非道」の世界に自分をも置いて、より強い権力者にすがってみたりして、「場外乱闘」に持って行こうとするのは、やるべきことではありません。そのような頽廃に身近らの身を委ねることなく、お互いが変わっていくような、前進的な議論を行う方向を目指さなければいけない、と自分自身に言い聞かせることを含めて考えさせられました。

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