美しい姿勢で話し方レッスン   shimaoka minobu          

美しい姿勢は、一生の宝物! 「見た目を磨くレッスン」と「コミュニケーション力を磨くレッスン」のヒント集

明治生まれの従軍記者が書いた本

2024年09月20日 07時51分20秒 | 日記、その他

彼岸に入っても連日猛暑、島岡美延です。

図書館の新名丈夫著『あなたが知らない太平洋戦争の裏話』(新人物文庫)を読んで色々考えました。表紙に「これが昭和の戦争の実相だ!」、全く知らなかった「そこまでひどい!?」という事実(それを軍が隠蔽)も。

著者は1906年(明治39年)生まれ。「歴史は足で書く」という元毎日新聞記者。従軍記者をし東京裁判、巣鴨拘置所へも取材。

1970年出版、2010年に新人物往来社から文庫本に。「今日の歴史家は公式文書を第一史料と言っているが、著しく真実を隠蔽し、戦いを美化した日米の軍の文献などに基づいて真の歴史は書けない」とも。

私が読んで「教科書や本、テレビで見聞きした戦争よりずっとひどい」と感じたのだから、もっと若い世代は、自分が聞いたことのある戦争とは全然違っていて、フェイクとすら思うかも。「事実は書き換えられていく」――、関東大震災、太平洋戦争、今起きていることもたぶん。

 

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首里城の地下で起きていたこと

2024年09月16日 07時48分23秒 | 日記、その他

雨が降りそうな敬老の日、島岡美延です。90代で水泳やバレエは珍しくなさそう。

戦後79年、戦争について語れる人はどんどん減っているから、せめて学びたい。保坂廣志著『首里城と沖縄戦 最後の日本軍地下司令部』(集英社新書)は今年6月の出版、図書館で借りました。現在進行中の自衛隊配備の〈南西諸島シフト〉が戦争中の日本軍と重なるという指摘も。

2019年に首里城が火災にあい、日本軍司令部跡が改めて注目されました。本書に出てくるのは、文字から匂いや音まで想像できるほど悲惨な地下壕の実態。第32軍司令部、兵士、民間人、米軍…、誰もがなぜ、あれほど残酷な最期となったか。

東京では空襲後の焼け野原の5月、「沖縄で日本勝利」というデマを大本営が流し、人々は熱狂したとも。「沖縄語」は英語と同じ敵性語で、それを話す者をスパイとみなした軍司令部。沖縄から疎開する船舶は対馬丸など20隻以上撃沈されていて、「住民避難」の難しさ、令和の政治家はどう考える?

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総力戦研究所とは教育訓練の場だった

2024年09月12日 07時57分11秒 | 日記、その他

日米の討論、リーダーとは、島岡美延です。「はて?」があふれそう。

『虎に翼』で航一(モデルは三淵乾太郎氏)が「戦争の責任」から涙を流す場面がありました。その〈総力戦研究所〉を知りたくて図書館で借りた『失敗の本質 戦場のリーダーシップ篇』(ダイヤモンド社)。第5章「総力戦研究所とは何だったのか」の冒頭、ドラマに出てきた「日本必敗の結論」。

昭和16年4月、次代のリーダーとして集められた35名。内閣直轄文民機関で軍人5名、官僚22名、民間5名、法曹界3名。既に要職にある彼らが「1年職務を離れ、毎日講義や体操、総力戦研究に専念」する教育訓練の場。6月からの机上演習テーマは「南方に石油を取りに行ったら」。彼らの結論は「日本は開戦できない」、演習を続けるほど「日本必敗」を確信。

8月、精緻な成果を首相官邸報告会で発表。「これは机上の演習、戦争とは君たちの考えているようなものではない」と発言したのが東條陸相。実際、真珠湾と原爆以外、ほぼ予測通りに――。

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「ある」と「ない」の二つの世界観

2024年09月08日 07時37分23秒 | 日記、その他

代表選は女性が加わって4人に、島岡美延です。彼女の声があるかないかでだいぶ違う印象、論戦が深まることに期待。

「ある」か「ない」か、細谷功著『有と無 見え方の違いで対立する二つの世界観』(dZERO)を読みました。著者の「メタ思考」シリーズは10年前の『具体と抽象 世界が変わって見える知性のしくみ』から本書が第4弾。

「ある型」の思考回路は「あるもの」に目を向ける。「ない型」の思考回路は「ないもの」も視野に入れる。その両者の圧倒的ギャップが世の中を動かしている。――このわかりにくい感覚をイラストや4コマ漫画を交えて解説。

「ある型」思考の人は、ものごとを「常識か非常識か」の二択でとらえ、自分に理解できない価値観を「非常識という不正解」だと安易に考えがち。圧倒的多数が「ある型」思考で、「常識中心」の考え方が「自分中心であることに気づいていない」と。

「ない型」思考は「それは問題なのか」から考えるのだとか。「ない型」の境地、難しそう。

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改憲でなく棄憲、と井上ひさし

2024年09月05日 07時55分46秒 | 日記、その他

『虎に翼』は原爆裁判の大詰め、島岡美延です。

図書館で『井上ひさしの憲法指南』(岩波現代文庫)を借りました。作家・劇作家、『九条の会』呼びかけ人、2010年に亡くなった彼の講演会、著作から、わかりやすく日本国憲法の成立過程、本質を語った言葉を集めて2021年出版された本。

「日本国憲法は押しつけられたものではない」。これは当時の日本人が勝ち取った成果、百歩譲って、日本と占領軍との合作なんだと。

「押し付け」というなら、漢字は?西洋文明は? 私たちの先祖は外から入ってきたものを見事に「日本化」してきた、そんな日本人の努力を否定するのが改憲派の言い方。

「他の国も憲法を変えている」というけど、それは「基本原則を強化する修正」であり、日本国憲法の三本柱を壊すのは「改憲ではなく破棄、棄憲」。

「平和を守る、憲法を守る」というよりあえて芝居では「日常を守る」という言葉を使っていた――。あなたの日常、守りたいものではないですか?

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空想旅行に誘うアーティスト

2024年08月25日 08時03分44秒 | 日記、その他

台風10号はゆっくり列島へ、島岡美延です。2018年に大きな被害だった台風に似た進路と勢力。6年前、札幌でかなりの倒木、川の増水、その直後に胆振東部地震で全道停電、帰れなくなった旅――。

旅とハプニングの記憶が結びつくことは少なくないですが、このアーティストはどこまでも空想の世界に連れ出してくれそう。東京ステーションギャラリーで『空想旅行案内人 ジャン=ミッシェル・フォロン』(~9月23日)を見ました。日本で30年ぶりの大回顧展、私がこの名前を認識したのは初めて。

タイトルは彼自身がこの肩書で名刺を作っていたことから。初期のドローイングから水彩画、版画、ポスター、彫刻など約230点。シンプルな線の中に「ん?」と思わせることがいっぱい。

環境、人権に関する作品も多く、水中を泳ぐ小魚の群れや人の手からえさをついばむ鳥が、それぞれ魚雷、ミサイル、だったり。大いに空想し、重要文化財の東京駅赤レンガの壁も間近に見られたステーションギャラリーでの時間。

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BBCとNHK、その違いとは

2024年08月23日 08時17分10秒 | 日記、その他

『虎に翼』の人前結婚式に感涙、島岡美延です。実際には三淵嘉子さんになり、寅ちゃんは事実婚――。総裁選も夫婦別姓の議論を。

NHKもBBCも国営放送ではなく「公共放送」。日本と英国の違いをこの本で痛感。小林恭子(ギンコ)著『なぜBBCだけが伝えられるのか 民意、戦争、王室からジャニーズまで』(光文社新書)、2022年に開局100年を迎えたBBC。

映画『劇場版アナウンサーたちの戦争』では「偽情報」を放送し、苦悩した日本放送協会が描かれました。一方、第二次世界大戦でBBCは情報省の管理下に置かれ、プロパガンダの側面はあれど「嘘を避ける」というBBCの報道原則を貫いた。1973年に女性がメイン司会者の番組誕生。2012年ロンドン五輪で新たな放送局の役割。その後、人気司会者の性加害を検証。そしてジャニーズ性加害問題の報道。

「世界の民主主義国の中で放送通信分野の独立規制機関を有しない国は日本くらい」だとか。報道の自由度、高めようとする国会議員は?

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昭和からの「宿題」を解決する気は

2024年08月21日 07時47分33秒 | 日記、その他

総裁選のどさくさで大事なニュースを聞き逃さないようにせねば、島岡美延です。

辺野古の軟弱地盤に埋め立て工事本格着手って、おそらく「本土」と「沖縄」ではその報じ方も全然違うはず。

2019年、当時の安倍首相の演説中にヤジを飛ばし、北海道警に排除された男性と女性。最高裁は女性に対しては「表現の自由」の侵害と認め、道に55万円の賠償を命じた2審判決確定。逆転敗訴の男性と道の上告は退けられる結果に。

『虎に翼』では同性婚制度がない以上、「俺たちの人生はなかったことになる」と。望んでも婚姻できない関係の当事者がここまで追い詰められている現実を想像できていなかったと反省。自分の人生を他人に説明する必要に迫られる苦痛、選択的夫婦別姓についてもしかり。

総裁選に何人立候補しようと自由だけど、長らく政権を担ってきた自民党。「昭和から放置されてきた宿題」「政治とカネ問題」に向き合う議員がいるかどうか、ワイドショーも取り上げるならそこを突っ込んで。

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日本人の「忘れやすさ」の原点

2024年08月16日 07時49分33秒 | 日記、その他

終戦の日に行われる大田区の花火を無事に鑑賞、島岡美延です。今朝は朝から台風7号の雨、特に午後は要警戒。

戦争に関する番組など見つつ、なぜ日本は戦争を始め、今もうやむやな感じが続いているのか。今年2月出版の新谷尚紀著『すぐ忘れる日本人の精神構造史 民俗学の視点から日本を解剖』(さくら舎)を読みました。

原発事故ほどの大事故でも誰も責任を取らない、それでいいと考えている社会。政治家は「すぐに忘れてくれる日本人」をよく理解、と。

第1章「日本人のマインドは縄文ではなく稲作から始まった」でムラ気質の誕生を指摘。群れる、悪口を言って仲間を作り、空気を読む。深刻な話題より明るい話題、スポーツは好き、政治は嫌い。「武士道」「大和魂」は本来の意味とは違い、昭和の軍国主義のプロパガンダに使われた――。

投票率の低さは個人の権利の放棄。第5章は「敗戦、経済大国、そして凋落へ」。劣化する政治、ここ10年ほどの事実を列挙。みんな忘れて今に至る日本社会。

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日本の法律にフランス人の力

2024年08月03日 07時28分38秒 | 日記、その他

男子サッカー、バスケット、世界の壁はやはり高く、島岡美延です。パリ五輪も半ば、様々な明暗。フランスが柔道王国であることも強く実感。

柔道は日本からフランスへ。明治時代、フランスから日本へ、それが近代司法。裁判所の隣の法務省旧本館、赤れんが棟に出かけました。入口で見学者証を受け取り、注意事項を聞いて中へ。見学可能な『法務史料展示室・メッセージギャラリー』以外は執務が行われている場所。

江戸から明治に変わって、急がれた司法の近代化。いわゆるお雇い外国人の協力で短期間に基本法典を整備していった日本。フランス人法学者ボアソナードが母国フランスのものをもとに日本人の編纂委員と作り上げていった刑法典。ここに罪刑法定主義や法律不遡及の原則が明文化された・・・。

『虎に翼』関連の展示、三淵嘉子さんに関する資料も。この赤れんが棟、『虎に翼』で何度か登場しています。寅子が訪ねる司法省として、高等試験の試験会場の入り口として。ドラマも、ますます目が離せません。

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