長島充-工房通信-THE STUDIO DIARY OF Mitsuru NAGASHIMA

画家・版画家、長島充のブログです。日々の創作活動や工房周辺でのできごとなどを中心に更新していきます。

374. 道央・道北 野鳥取材旅行 その二

2019-07-06 18:05:37 | 野鳥・自然
6/27(木)北海道『野鳥版画』取材旅行の2日目。

<岩見沢市ホテル周辺>

午前3:35、ようやく外が白み始めた頃、岩見沢市のロッジ風のホテルで目が覚める。窓の外では夏鳥のキビタキの囀りが聞こえてくる。今日は移動の工程が長い。ザックの中身をいろいろと整理する。6:25、まだ朝食の時間には早いので連れ合いと2人で双眼鏡を持ってホテルの周辺を散策することにした。ここの残念なのはテニスコートなどの他に近所に散策できる遊歩道が整備されていないことだ。光背に広がる森林の風景は良いのだが…。それでも1時間ちょっとの散策でツツドリ、センダイムシクイ、キビタキ、クロツグミ、アマツバメなどの夏鳥の姿や囀り、アオバト、ゴジュウカラ、イカルなどの森林性の野鳥の姿や囀りを観察することができた。

<岩見沢市~羽幌町へ>

朝食をすませ9:53、チェックアウト。まずは昨晩夕食を共にした酪農系大学生として江別市に暮らす3女と合流するためJR.岩見沢駅へ向かう。無事3女と合流し今日のコースを出発。美唄市から高速道路に乗りひたすら北上して行く。右手には夕張山地が遠望される。この高速道から見える景色は行けども行けども単調な森林風景である。11:12、砂川PAで小休憩し、さらに北上、昼食は車中で済ませた。滝川市、深川市をい過ぎて留萌市に入ったのは12:00を過ぎていた。高速道から一般道にスライドし小平町という街に入ると目前に海岸の風景が広がってきた。日本海だ。天候が曇りということもあるが鉛色の広大な海景が広がっていた。ここから先も海岸道を北上、左手に延々と日本海が見える単調で長い道のりだった。苫前町を過ぎ今日の中間地点である羽幌町の「羽幌港・フェリーターミナル」の駐車場に到着できたのは13:08だった。

<フェリーに乗船し天売島へ>

今日の目的地へはここからさらに海路を行く。13:43、フェリーの「おろろん2号」に乗船し目的地である天売島を目指す。ボォ~ッ、という大きな霧笛とゴゴゴゴゴッ…というエンジン音をたてて想像していたよりは大きなフェリー船は出港した。今日は少し海が荒れ気味なのだろうか、船底の船室に寝転んでいると船体はグラングランとブランコのようによく揺れた。
14:56、目的地の天売島と隣接する兄弟のような島の焼尻島(やきしりとう)の港に到着する。デッキに出て防波堤で休んでいる海鳥を双眼鏡で確認するとウミウとオオセグロカモメの群れだった。湾内に白くて丸っこい水鳥を発見、双眼鏡で追うとこの海域で繁殖しているウミスズメだった。潜水行動を繰り返していたが白と黒の羽衣のコントラストがよく観えた。15:12、再び出港、会場には点々と海鳥が散らばって浮かぶ様子が観えた。双眼鏡で詳しく観察するとウトウとケイマフリというウミスズメ科の海鳥だった。

<天売島>

15:41、天売港に到着する。アマツバメが上空を飛翔し、どこからかイソヒヨドリの囀りが聞こえてきた。あらかじめ連絡してあった今日の旅館であるオロロン荘のご主人が車で迎えに来てくれていた。天売島は民家もまばらなとても小さな島である。それでも300人ほどの住民が住んでいるのだと言う。宿に到着し部屋に通されると窓からは海峡をはさんで先ほど立ち寄った焼尻島が正面い見える。「絶景だな」。
双眼鏡で観ると海峡の天売島寄りの洋上にポツポツと海鳥が浮かんだり海面スレスレを飛翔したりする姿が観える。さっそくザックでかついできた高倍率の望遠鏡をセットしてジックリと観察することにした。最高のロケーションである。距離は遠いがこれがなかなか楽しい。夕映えの海景の中、ウトウ、ケイマフリ、ウミウ、ヒメウ、オオセグロカモメなどの海鳥を観察確認することができた。

<ウトウ・コロニー帰巣ガイド>

5時代の早い夕食を済ませ少し部屋で休息。今日のメイン・イベントは島内にある『海の地球館』という自然観察、研究の施設が主催する「ウトウコロニー帰巣ガイド」に参加することだ。18:57、マイクロバスが旅館に迎えに来る。今日は島内の他の宿に宿泊する他のお客さんも一緒である。すでにバスの中には20人以上の人たちが乗り込んでいた。
バスの中で『海の地球館』のスタッフの方がこの島で80万羽が繁殖する海鳥のウトウの生態やコロニー観察の注意点を解説、約20分ぐらいでウトウのコロニーである赤岩灯台の駐車場に到着した。バスを降りて断崖上に造られた観察路を歩いて行くと地面が露出した斜面には所狭しと無数の穴があいている。これがウトウの巣穴である。そうこうしているうちに海の方向からウトウが次々と帰巣し、雛の餌となる小魚を加えて穴に入って行く姿が観察できた。スタッフの方の声で上空を見上げると薄暗くなった空にたくさんのウトウが"グッ、グッ、ググッ "と鳴き交わしながら帰巣してきていた。いつのまにか周囲が真っ暗になってしまうと他のマイクロバスで来たスタッフの方も加わりコロニーの端に特殊なライトを数本セットし始めた。「ストロボでの写真撮影はウトウのを驚かせ繁殖の妨げになるので禁止ですが、我々が研究を重ねてウトウの夜間観察用に開発したライトの下での撮影は可能です。このライトの色はウトウを驚かせることがないのです」という説明があった。 美術館内部の照明のように温かみのある柔らかい照明に照らし出された巣の近くのウトウたちが数羽、目の前でヨチヨチと歩いたり巣穴に出入りしたりする姿を短い時間だったが観察することができた。この時に高感度撮影をしたのが投稿画像である。

この後、20:24、オロロン荘に戻る。明日はまた早朝から他の海鳥の繁殖地の観察会に参加する予定である。今日の車とフェリーを乗り継いで来た長い道のりを振り返るとドッと疲れが出てきた。入浴を済ませると3人で爆睡してしまった。

画像はトップが特殊ライトに照らし出された天売島繁殖地でのウトウ。


               





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1 コメント

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いつもありがとうございます。 (uccello)
2019-07-13 19:34:36
ブロガーのみなさん、いつもマイブログにお立ち寄りいただきありがとうございます。

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