長島充-工房通信-THE STUDIO DIARY OF Mitsuru NAGASHIMA

画家・版画家、長島充のブログです。日々の創作活動や工房周辺でのできごとなどを中心に更新していきます。

375. 道央・道北 野鳥取材旅行 その三

2019-07-13 18:03:03 | 野鳥・自然
6/28(金)北海道『野鳥版画』取材旅行の3日目。海鳥類の繁殖地から島の中央の森林地帯へ。

<天売島ガイドツアーに参加する>

午前3:45、道北の日本海に浮かぶ小島、天売島の宿で目が覚めた。窓の外ではシマセンニュウ、エゾセンニュウ、コヨシキリ等の小鳥類が囀っている。ザックに観察用具、撮影用具を入れてしばらく部屋で休憩。今日は島最大の海鳥の繁殖地を巡る『天売島ガイドツアー』に参加する。午前6:02、ガイドツアーのAさんが車で宿まで迎えに来る。昨夜のウトウの帰巣を観察するナイトツアーは団体さんが入っていて賑やかだったが、今日の同行者はAさん以外は島に風景や野鳥の写真を撮影に来た年配の男性が1人だった。観察ツアーは朝食前の2時間コース。うちの家族と合計5名で繁殖地へと出発した。

<黒崎海岸>

最初の観察地は東にに海を眺める黒崎海岸という開けた岩礁海岸。ここはカモメ科のウミネコの繁殖地となっている。途中、車の正面の道路にもウミネコがたくさん降りていてAさんが「あぶないからどいてね~っ」と声をかけながらゆっくり運転する様子がなんとも微笑ましかった。駐車スペースに到着して岩礁地帯に作られたコロニーのようすをじっくりと観察し、風景と合わせて画像撮影をした。背後の大地の斜面にもコロニーができていたのでガイドのAさんに尋ねると今年から新しく作り始めたものらしく、ウミネコの繁殖数も増加傾向にあることを教わった。ここでも背後の草原にエゾセンニュウやコヨシキリの囀りが聞かれ「北海道らしいな」と思った。

<赤岩灯台>

2番目に向かったのはこのツアーのメインとなる赤岩灯台の岸壁にできた海鳥類の繁殖地。昨晩、ウトウの帰巣観察を観たのと同じ場所である。ウトウの成鳥はこの時間帯にはほとんどの数が海上へと餌を採りに飛び立ってしまった後だったが少数が巣の近くを飛んだり灯台のすぐ下の海上に浮かんだりしている姿を観察できた。Aさんはコロニーに近い岸壁のポイントに到着すると高倍率の望遠鏡で海鳥の姿を探し始めた。
しばらくしてウミスズメ科の海鳥、ケイマフリの雄と雌が1羽づつ比較的距離の近い岩に飛来してとまった。Aさん曰く「この2羽はいつも観察されるペアですぐ近くに巣があるんですよ」と説明してくれた。逃げる様子もなくじっくりと姿を見せてくれたのでいろいろな角度やポーズの画像を撮影することができた。続いて岸壁直下の海上を望遠鏡で丁寧に追っていたAさんが「ウトウの小群のといっしょにウミガラスが浮かんでいますよ。今、このスコープに入っていますので順番に観てください」と声をかけてくれた。少し遠いが2羽のウミガラスが仲睦まじく泳ぐ姿が観察できた。ウミスズメ科のウミガラスは現在、天売島で80羽が生息している。ケイマフリと共に絶滅危惧種に指定されている希少な海鳥である。岸壁の直下のちょうどこのポイントからは見えない場所で繁殖している。
しばらくして「ウルル~ン、ウルル~ン」という声が聞こえてきた。これこの声につられてもっと数が増えてくるように保護上、再生音を流しているだということだった。その電子音に混じって本物のウミガラスの声も聞こえてきた。この声から別名「オロロン鳥」とも呼ばれている。それから僕は見なかったが連れ合いと3女は哺乳類のゴマフアザラシが海面に浮かぶ姿を観察したのだと言っていた。

<フットパス>

海岸を後にして最後に向かったのは「フットパス」と呼ばれる島の中央の森林地帯。ここで山野の小鳥類を観察した。森林に向かう途中、林道でアリスイやクロツグミの雄が目の前に出現する。午前:7:26、入り口に到着。ここからは徒歩でゆっくり野鳥を探しながら林の中の遊歩道を進んで行く。林縁でヒタキ科のノゴマの雄が囀る姿を観察する。それから樹上にムクドリ科のコムクドリ、季節外れのアトリ科のマヒワの小群が飛ぶ姿も観察できた。この季節は樹木の葉が茂り森林では鳥の姿を見つけ難い。姿は見えなかったが、ツツドリ、ベニマシコ、クロツグミ、エゾセンニュウ、アオバト等の声や囀りを確認することができた。午前:8:08、観察終了。宿まで送ってもらい朝食の時間となった。

ここまでで、島の自然をかなり堪能することができた。朝食後、朝が早かったので少し仮眠をとる。午前11:00前に、疲れが出たので宿で休みたいと言う3女を残し連れ合いと徒歩で出発する。「海の地球館」という海鳥関係の資料を展示した施設やもう一度、フットパス周辺を歩いて野鳥を観察したりしてのんびりと過ごした。













最新の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
いつもありがとうございます。 (uccello)
2019-07-20 19:43:38
ブロガーのみなさん、いつもマイブログにお立ち寄りいただきありがとうございます。

コメントを投稿