長島充-工房通信-THE STUDIO DIARY OF Mitsuru NAGASHIMA

画家・版画家、長島充のブログです。日々の創作活動や工房周辺でのできごとなどを中心に更新していきます。

202. 『綺想動物園』展、盛会の中に無事終了しました。

2015-07-28 21:15:20 | 個展・グループ展

24日土曜日まで開催されていた青木画廊企画による『綺想動物園』展も盛会の中に無事終了いたしました。天候不順の中、ご来場いただいた多くの方々、作品をご購入いただいた方々、ありがとうございました。他7名の出品者に代わりお礼申し上げます。

今回、私的事情により初日と最終日の午後のみの在廊となってしまいましたが、僕がご案内を送った方々は9割がたご来場いただき感謝しています。会場でお会いしお話しできなかったことがとても悔やまれます。次回は今回出品作と同じ流れの連作による絵画作品の個展を計画していますのでその時はぜひお会いしたいと思っております。

最終日は画廊スタッフと出品者、絵画愛好家の方で、ささやかにエンディングの飲み会をしました。若い作家の方々は飲みながらも緊張していて言葉も少ないのですが、僕もこの年頃は同じように上がり症で無口だったので懐かしく思えました。今回、自分よりも二世代以上若い作家といっしょに出品させていただいたのですが、改めて会場に展示された作品を眺めながら、若い表現力は刺激的でいろいろと考えさせられることも多く、次作への弾みとなり良かったと思っています。主題に合った企画内容と作家選定をしてをいただいた青木氏にも感謝です。

では、毎日酷暑が続きますがお体ご自愛ください。また作品を前に再会できる日を楽しみにしています。画像はトップが今回の出品作のうち日本神話に主題をとった『聖なる雄鶏』の画廊展示状況。下は週末の銀座の歩行者天国風景。

 


201.行きたくて行けなかった『高山寺展』に。

2015-07-20 17:46:37 | 美術館企画展

少し前の話になるが、東京国立博物館で先月7日まで開催されていた『特別展 鳥獣戯画 京都高山寺の至宝』展のこと。実はこの展覧会、個人的に今年の美術館・博物館の企画展の中でもっとも観たかったのだが、とうとう行かずじまいだった。…いや、正しくは行けずじまいだった。

この展覧会は京都・栂ノ尾にある高山寺が所蔵する仏教絵画や仏像を中心に企画されたかなり大規模な展示となっていた。展示物は鳥獣戯画絵巻を始め祖師・明恵上人ゆかりの品々、国宝級の仏教美術など貴重なものが多く出展されていた。こうした内容なので事前に展覧会の宣伝が始まった昨年末頃から、ぜひ行きたいと思い予定を組んでいた。ところが少し出遅れているうちにその異常な混み方が新聞やニュースで流れるようになった。なんでも「モナリザ展を上回る来場者数」であるとか「入場できるまで最高で8時間待ちで、さらに入場してからも1時間待ちとなっている」とか。最近の東博での展覧会の込みようは有名だが、9時間待ちでは朝一番から行列に並んで展示物が観られるのは夕方ということになってしまう…それに一人で行ったとして昼食やトイレの時はどうするんだろう。アレコレ考えているうちに時間は過ぎ、とうとう行けずじまいとなってしまった。今まで、その年に開催されるどうしても観たい展覧会はどんなことをしても観てきたんだが。こういうケースは初めてであり、僕としては珍しいことである。他にもあきらめた人は多いのではないだろうか。確かに歴史や美術の教科書に掲載されるほど有名な絵巻ではあるのだが、日本人てそんなに『鳥獣戯画』が好きなんだろうか。それから最近美術館に押し寄せている人たちは、「とても混んでいます」とマスコミが発表すると余計に燃えて行きたくなるようである。

そーゆーわけで、しかたなく展覧会の最終日にミュージアム・ショップに連絡をして図録だけ取り寄せた次第である。ズシリと重くクロス張りの、かなりりっぱな図録である。中味をペラペラとめくっていくと、これまた贅沢な内容で行けなかったことが残念でもあり、悔しくもあり目頭が熱くなってくる。美術館・博物館側も爆発的に入場者があったこの現状を喜んでいるだけではなく、会期を延長するとか、事前に整理券を発行するとか、貴重な展示をより多くの人が観ることができるように対策を考えてほしいものである。こうしたことが長く続けば気持ちが離れていく愛好家も増えて来るのではないだろうか。画像はトップが展覧会図録。下2枚が『鳥獣戯画』絵巻の部分図(図録より複写)。

 

   


200.青木画廊企画『綺想動物園』展が始まっています。

2015-07-13 18:54:25 | 個展・グループ展

今回でこのブログが200回更新となった。2012年1月から初めて3年半弱ということになる。遅々としてようやく綴っているのだが、なんとか続いてきている。「工房通信」と銘打っているわりには制作や美術以外のネタがかなり多い。単に「絵を描いています、版画を制作しています」というだけでは、ブログの記事にはならない。カテゴリーを可能な限り増やして話題を広げているのだが、書き続けていく難しさも感じている。その反面、一度更新すると内容にもよるのだが多くの踏み跡が残されていて、リピーターとなっていいただいているブロガーの方々には本当に感謝している。

節目の回、記念として何を書こうか悩んでいたが、現在進行形ということで先週末から始まったグループ展について更新することにした。11日の土曜の午後から銀座の青木画廊企画で開催されている『綺想動物園』展の会場に向かった。地下鉄東銀座駅で下車して街を歩いていくと中央通りは土曜日の歩行者天国となっていて多くの人で賑わっている。そして暑い!!ここから有楽町側に通りを二つ入って少し歩くと静かな商店街。「煉瓦亭」という昔から人気の洋食屋の隣の小さなビルの2階が青木画廊である。青木画廊はこの場所にオープンして今年で54年になる老舗画廊である。現会長で先代の青木氏の時から内外、シュールレアリズムや幻想派といった個性的な美術家の作品を頑固に紹介し続けてきた数少ない画廊として知られている。銀座にはたくさんの画廊が林立しているが、こうした雰囲気のある画廊は少なくなった。

多くの著名な文学者や美術家たちが行き来した少し急な階段を上がると画廊の入り口である。今日は展覧会の初日で夕方から恒例のオープニング・パーティーがあるので、すでに参加作家や美術愛好家が集まっている。画廊の青木夫妻に挨拶をして作品を1点1点観ていく。今回は8人展だが、年齢はまちまちで若い新人の女性作家3人も参加していて会場に花がある。展覧会名のとおり不思議で魅力的な動物たちが勢揃いしていて刺激になる。僕は3点の手漉き紙に描いた作品を出品しているのだが、額装は前回の個展からオリジナル額制作のS氏に依頼した。会場で初めて額装状態を観るのだが、いつも難しい注文を丁寧に収めてくれて作品とも愛称が良く助かっている。

一通り会場内の作品を観終って、世間話をしているとパーティーの時間となった。この時間帯に合わせて来場したコレクターや画家仲間、画廊関係者などが次々に集まって、12畳ほどの会場内はあっという間に満員御礼となる。ひさしぶりに会う人もいて話には熱が入ってくる。ワイワイガヤガヤ楽しい歓談の一時、ようやく調子が出てきたなと思っていたら、あっという間に閉廊時間。ここからは近くの居酒屋へ流れて二次会となった。展覧会は今月24日まで。絵画ファン、幻想美術ファンの方々、この機会にぜひご高覧ください。画廊ホームページはコチラから http://www.aokigallery.jp

画像はトップが会場のオープニング・パーティー風景。下が向って左から青木画廊の昔ながらの看板、出品作家、江本氏の立体作品「河童」のミイラと会場内平面作品展示風景。

 

      


199. グループ展のお知らせ 『綺想動物園』展

2015-07-05 21:17:38 | 個展・グループ展

今月、画廊にて開催されるグループ展のご案内です。

・展覧会名:『The Amazing Zoo 綺想動物園 ~天使から河童まで~』

・会期:2015年 7/11(土)~7/24(金) 平日11:00~19:00/日曜・祝日12:00~18:00/最終日17:00迄/会期中7月19日(日)のみ休廊 

・会場:青木画廊 東京都中央区銀座3-5-16 島田ビル2F TEL 03-3535-6858 http://www.aokigallery.jp

・内容:画廊企画による絵画・立体のグループ展 「8人の作家により妄想された古今東西不可思議生物の競演…(展覧会DMより)」

・作家在廊日:11日初日16時過ぎ、最終日14時ごろより在廊予定。

※初日、17:00ごろより、オープニング・パーティーあり。

ご存知、銀座3丁目。幻想美術の老舗、青木画廊企画による中堅から若手作家のグループ展です。長島はネパールの手漉き紙に水彩とアクリルを併用した絵画作品3点を出品します。今回、8人によるグループ展ですので案内状を作家や関係者にはあまり出せませんが、お近くにお出掛けの際はぜひお立ち寄り、ご高覧ください。よろしくお願いします。画像はトップが案内DMの表面、下が同じく宛名面。