長島充-工房通信-THE STUDIO DIARY OF Mitsuru NAGASHIMA

画家・版画家、長島充のブログです。日々の創作活動や工房周辺でのできごとなどを中心に更新していきます。

438. ● 新作絵画作品『一角獣・2021』を制作する。 

2021-09-27 18:55:33 | 絵画・素描
このところブログの投稿が少なくなっている。それはこのブログが作品制作と展覧会のお知らせを主としているためである。昨年から続くコロナ禍だが、今年もとうとう秋の季節に入ってしまった。東京での感染者自体は数字の上では減少しているのだが、新型株等の出現によりまだまだ安心できるということではない。

このブログでも投稿したが、昨年より僕は新作個展の予定を入れていない。企画・主催側のギャラリー等と話し合い、延期か中止としているのである。このことを現在の状況から「英断ですね」と言ってくれる画家仲間や関係者もいるが、もうすぐコロナ禍も2年に近づこうとしているので、そうも言っていられなくなってきている。

来月、久々に東京銀座の企画画廊でのグループ展に新作の絵画作品を出品するため、この夏から集中して制作して来た。展覧会の詳細に関してはまた後日に詳細のご案内をする予定である。出品作品の画題は近年、テーマとしている東西世界の『神話・伝説シリーズ』の流れのものである。
今回、画像投稿したものは西洋絵画に観られる『一角獣・ユニコーン』である。一角獣は古代ギリシャの文献にも登場し、古くから西洋に伝わる幻獣で角を持った白馬の姿で描かれてきた。森に棲むこの幻獣はさまざまな寓意的な意味が与えられて来ていて、ここではとても一言では現わせないが、キリストの象徴、受胎、狩猟、乙女、貴婦人等と結びつけるテーマが与えられ確立している。つまり謎の多い幻獣なのである。

制作にあたって、数年前に東京での展覧会で観た16世紀に北フランスで制作された『貴婦人と一角獣』の連作タピスリーのイメージを参考にした。このタピスリーは一角獣をテーマとしたアート作品の中でも、その代名詞になるほど有名なものである。

絵画作品の画材は、これも近年、表現に会うため度々用いている手漉きの和紙にさまざまな画材を混合して描いているものである。その全てが水性画材で、アクリル、透明水彩、ガッシュ(不透明水彩)、そして日本画の顔料を膠で溶いたものなどの併用技法である。

夏の熱い最中から制作していた僕の一角獣は今月初めにようやく完成し、既に展覧会準備のため画廊に画像を撮影し送っている。このブログを見ている方々にも是非一度、展覧会会場でリアル作品を見ていただきたいと思っている。

※画像はトップが絵画作品『一角獣・2021』の制作中のようす。下が制作に用いたさまざまな画材3カット、16世紀、フランスのタピスリー作品『貴婦人と一角獣(部分図)』の画集からの転載、1カット。