雨降りが続いている。アジサイに雨は似合うけれど、バラにはちょっと気の毒だ。アジサイは葉の若い緑が美しい。最近はいろんな色の花のアジサイがあるが、私は葉との釣り合いから青色が好きだ。バラは真っ赤な花が一番似合っていると思うが、我が家の鉢植えのバラで真っ赤なものは2鉢しかない。バラの苗を買う時の出資者の意向が強く反映されるためだ。
友だちが手紙と1冊の本を郵便受けに入れておいてくれた。中日新聞に出ていた『こころの好縁会』に、「私はあいにく中日文楽に出かけるため、参加できませんが、よろしかったらお出かけください」とある。1年前にこの企画で姜尚中さんの話を聞いた彼女は、大和塾の最後の講師はこの人しかないと強く勧めてくれた。彼女のおかげで本当に姜尚中さんを呼ぶことができた。
本は朝日新書の高橋源一郎著『ぼくらの民主主義なんだぜ』だった。「朝日新聞に掲載されたものです。どうぞ一読、おすすめします」とあった。高橋源一郎の本は私の本棚に1冊しかない。東北大震災直後の作品で反原発小説と新聞の書評にあったので買ったが、あまりにも「軽い」作品のように感じられた。NHKラジオの番組にも出ていて、それを聞くと「いいこと言うねえ」と思った。
高橋源一郎は1951年生まれだから、姜尚中さんより1学年下になる。ふたりは学生運動が盛んになっていく時に大学生となったはずだ。姜さんは全共闘をエリート意識と見ていたが、高橋さんはデモの中にいた。けれど、高橋さんは「20歳だった頃、ぼくは、ある大手自動車工場の季節労働者として働いていた」し、「学生の頃、まったく授業に出なかった」と書いている。
本の帯には「日本人に民主主義はムリなのか?絶望しないための48カ条」とある。48とは本の中の小見出しのことだ。月1回、朝日新聞『論壇時評』に連載された48回分をまとめたものだが、小見出しの付け方からも高橋さんの思いが分かる。「冷たい世界でぼくたちはもがいている」「ぼくには『常識』がない」「ぼくたちの『家族』はどこに?一から創りだすということ」「ぼくらはみんな『泡沫』だ」「ぼくらはみんな忘れてしまうね」と、ぼくらが連発されている。
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