友々素敵

人はなぜ生きるのか。それは生きているから。生きていることは素敵なことなのです。

男と女、どこまでいっても難しい

2024年05月16日 17時14分26秒 | Weblog

 書店に入った時、背表紙を眺めていて買ってしまった2冊は、妻の側から夫をどう見ているかをテーマにしていると、勝手に思い込んでしまったものだった。『夫よ、死んでくれないか』(丸山正樹著・双葉社)と、『もっと悪い妻』(桐野夏生著・文芸春秋)である。

 桐野夏生さんを男性作家だと勘違いしていた。桐野夏生さんは1951年生まれで、これまでにもたくさんの本を出版されているし、新聞にもインタビュー記事が載ることがあるから、分かっていてもいいのにと今更ながら思う。

 一方の丸山正樹さんは1961年生まれ、松本清張賞に応募した作品が作家デビューとなったとある。そうか、根っからのミステリー作家なのだと作者のプロフィールを見て分かった。『夫よ、死んでくれないか』と何とも物騒な書名だが、読み終わってみてミステリーだと分かった。

 大学時代から仲良しの3人の女性が物語のベースになっている。3人とも仕事を持つ女性で、ひとりは離婚し年下の医師と付き合っている。残るふたりのうちの一人が、夫婦喧嘩の末に夫を突き飛ばしたところ、意識不明となり、友だちのふたりに助けを求める。

 救急車を呼ぶべきか、死ぬようなことになれば殺人罪に問われると、迷う。夫は回復したが記憶喪失で、事件のことは覚えていない。夫は以前よりも優しくなった。残るもうひとりは円満な家庭生活を送っていたが、夫が浮気をしている(?)と疑い出す。

 様々なトリックというか、伏線というか、いろいろあり過ぎて分からなくなってしまう。浮気相手が友だちと信じていたふたりだったとか、いっそのこと記憶を失う薬を飲ませようとか、とにかく「夫よ、死んでくれないか」と願う。

 『もっと悪い妻』は、新聞やテレビで報じられてきた6人の悪妻を描いているが、何とも虚しい気持ちになった。本当に悪妻などと言えるのだろうか。夫あるいは男に、問題はないのかと思う。男と女、どこまでいっても難しい。


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