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『ただ空高く舞え』

2024年04月03日 | 映画(た行)
『ただ空高く舞え』(原題:Soorarai Pottru)
監督:スダ・コンガラ
出演:スーリヤー,アパルナー・バーラプラーリー,パレーシュ・ラーワル,モーハン・バーブ,
   ウルヴァシ,プー・ラムー,カルナス,カーリー・ヴェンカット,プラカシュ・ヴェラワディ他
 
塚口サンサン劇場にて、前述の『FLY!/フライ!』の次に。
 
上映開始後20分ほど経ったときに、マナーモードにしていたスマホがブルッと震える。
退出して電話を取ると、母の主治医からでした。
この先生は必ず「容態が急変したとかいう連絡ではなくて、現状の報告です」と言ってくれるから、
まずホッとできるのがありがたい。母の今後について説明を受けました。
 
良くはない話だからって、今はどうすることもできないから劇場に戻る。
見逃したシーンが10分ほどありますが、話がわからなくなったなんてことはありません。
 
2020年のタミル語作品です。
原題の“Soorarai Pottru”を日本語に訳すと「勇者を称えよ」だとか「勇者に敬礼」。
邦題を「ただ空高く舞え」としたのは粋。
インド初の格安航空会社“エア・デカン”が誕生したさいの話がモチーフとなっているそうです。
 
マーラことネドゥマーラン・ラジャンガムは、教師の父親と対立。
というのも、父親は誰からも信頼を置かれる人格者だが、
マーラたちが住む田舎町に列車が停まるよう、父親は嘆願書を集めるばかりで一向に話が進まず、
ある日マーラが町の若者たちと実力行使に出たところ、暴動となって怪我人が出たのだ。
それを父親から非難されて納得が行かず、マーラは家を出て空軍に入る。
 
マーラの夢は、田舎町の庶民でも乗れる飛行機を飛ばすこと。
100年前は電気、50年前は車が富裕層にしか手の届かないものだった。
飛行機も富裕層でなければ乗れない時代を変えたい。
 
そう考えていたマーラは空軍を退官し、ボンミという女性と出会う。
ボンミは高学歴で、「女は子どもを産んで亭主に尽くしていればいい」という考え方が大嫌い。
パン屋を経営したいという彼女はマーラの夢を共に叶えたいと考える。
 
同じ考えを持つ仲間たちと一緒に会社を興したマーラだったが、
インドの航空産業旅客分野を独占するジャズ航空の創始者パレーシュ・ゴースワミーが良く思うはずもない。
マーラを潰すべくあの手この手を打ってきて……。
 
航空会社を設立するに当たり、申請書類を揃えて提出しようとしても、
受理担当者にパレーシュの息がかかっているから、マーラと会おうともしない。
マーラは予約を取って出向いてきているのに、理由をつけては先送りにします。
担当者の秘書が言うには、以前は新会社を設立しようとして20年以上ここにかよった者がいる、
そこまでしても申請は通らなかったよ、と。
 
何をどうしようとしても潰されて、失意の底から立ち直れないマーラ。
しかし彼を支える妻ボンミが凄い。
パン屋を開きたいって、町の小さなパン屋かと思いきや、どんどんチェーン展開して稼ぎまくる。
パレーシュに邪魔をされるたびに資金繰りに困るマーラの強い味方。
そんなボンミにマーラがありえない振る舞いをすることもあって、
そこはインドだな〜と思わずにいられませんが、フォローがあるから良しとします。
 
マーラ役のスーリヤー、男前。今まで知らなかった俳優です。
ボンミ役のアパルナー・バーラプラーリーは有名なインド美人女優と比べると、
綺麗だという感じもなければ体型も少々ぽっちゃり。
けれど愛嬌があって逞しく、めっちゃ頼れるカッコイイ女性。好きです。
 
感動すること間違いなし。ダンスもまぁまぁあるよ〜。

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