夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『ブルックリン』

2016年07月12日 | 映画(は行)
『ブルックリン』(原題:Brooklyn)
監督:ジョン・クローリー
出演:シアーシャ・ローナン,ドーナル・グリーソン,エモリー・コーエン,
   ジム・ブロードベント,ジュリー・ウォルターズ他

『つぐない』(2007)を観て以来、どうも気になるシアーシャ・ローナン
ムビチケを購入済みだった本作をTOHOシネマズ梅田にて。
アイルランド/イギリス/カナダ作品です。

1950年代のアイルランド
エニスコーシーという小さな町で母と姉とともに暮らす若い女性エイリシュ。
意地の悪い婦人ミス・ケリーが経営する食料品店に勤務していた彼女は、
姉ローズの力添えで、単身でアメリカへ渡ることを決意する。
美しく聡明で会計士としても優秀なローズをこの町に残し、
老いてゆく母の世話を任せるのは心苦しすぎるが、
妹の幸せだけを望むローズに背中を押されたのだ。

町からすら出たことがなかったエイリシュは、
船で同室になった女性の助言を得て、過酷な船旅を乗り切る。
化粧の仕方や服装についても的確な指示をくれたその女性のおかげで、
入国審査もパスしていざ新天地、ニューヨークのブルックリンへ。

職と住まいは姉と懇意で信頼できるフラッド神父が用意してくれた。
年頃の女性ばかりが暮らす寮に入り、高級デパートに販売員として就職するが、
デパートの客に気の利いた言葉をかけることもできず、
大きなホームシックに見舞われて、ローズからの手紙に涙する日々。

そんな彼女を心配したフラッド神父の計らいで、終業後に夜間学校へ通学。
手に職をつけておくのが得策だろうと、会計士を目指して勉強を始める。
ちょうどその頃、渋々出かけたダンスパーティーでイタリア人のトニーと知り合い……。

予定調和のなんということのない物語ではあるのですが、
知的で凛とした美しさのあるシアーシャ・ローナンがびたハマり。
新しい顔の人でもないから、こういう時代のヒロインにうってつけで、
50’sのワンピースなどがものすごく似合っています。

彼女が行く先々で出会うさまざまなタイプの女性も魅力的。
船旅で出会ったたくましい美女や、口は悪いが本当は優しい寮母のキーオ夫人。
ものすごい美人のデパートの上司も厳しいけれど部下を気遣える人。
ミス・ケリーは最悪だけど、こんな人もいるいる。終盤にスッキリします(笑)。

正直なところ、後半のメロドラマ展開にはちょっぴりゲンナリ。
自分史上はじめて訪れたモテ期だから仕方はないが、その優柔不断さは何?
ブルックリンでけなげに待っとるトニーが気の毒で仕方なし。

てなところもありますが、観賞後には前向きで爽やかな気持ちになれます。
意地悪な人も多いけど、それ以上にいい人がいる。
まわりに支えられて成長していく彼女の姿にニッコリ。
予定調和の良いところ。

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