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『ゴジラ 60周年記念デジタルリマスター版』

2014年06月20日 | 映画(か行)
『ゴジラ 60周年記念デジタルリマスター版』
監督:本多猪四郎
出演:志村喬,河内桃子,宝田明,平田昭彦,堺左千夫,村上冬樹他

ゴジラゴジラと言うけれど、私が生まれるよりだいぶん前の映画で、
オリジナル版をちゃんと観た記憶がありません。
北朝鮮版ゴジラの『プルガサリ 伝説の大怪獣』(1985)や
ハリウッドリメイク版はしっかり観た覚えがあるのに、
オリジナル版を観たかどうかわからないのはマズイんじゃないかと思い、
この機会にTOHOシネマズ伊丹にて。

1954年11月の初回上映状態を再現しているのだそうです。
どれほど傷んでいたのかは知りませんが、
映像・音声ともにまったく傷を感じないほどの完璧な修復。
それでいておそらく当時の雰囲気は損なわれていない。
すごい技術だなぁと驚きます。

私のように、60年前のオリジナル版を観たことがないという人のためにあらすじを。

太平洋上で何の前触れもなく貨物船が沈没。
救助に向かった船も次々と突然沈没するという前代未聞の惨事が起こる。
かろうじて助かった大戸島の漁師は、巨大な怪物に襲われたと言う。
それを聞いた島の長老は、伝説の怪物“ゴジラ”の仕業かもしれないと漏らす。

暴風雨に見舞われた夜、島はまるで叩きつぶされたようにめちゃくちゃに。
島民たちは政府の公聴会に出席、怪物を見たと証言。
島の様子からも、これは単なる暴風雨による災害ではない、
未知の生物が上陸して島を破壊したにちがいないと政府は結論づける。

古生物学者の山根博士(志村喬)が調査団を結成、島に乗り込む。
壊滅した大戸島にはおびただしい放射能反応。
また、残されていた巨大な足跡からジュラ紀の古生物を発見。
海の奥底に潜んでいた太古の生物が水爆実験のせいで安住の地を奪われ、
地上に現れたのではないかと、山根は推測する。

一刻も早くゴジラを攻撃して抹殺してしまおうとする政府に対し、
どうして殺すことしか考えられないのかと思い悩む山根。

一方、若き天才科学者の芹沢(平田昭彦)は、秘密の研究を進めていた。
それは、海の生物を一瞬にして死滅・溶解させる“オキシジェン・デストロイヤー”の開発。
自分の開発したものが兵器として利用されることを恐れ、芹沢は誰にも言わずにいたが、
山根の娘・恵美子(河内桃子)にだけは打ち明ける。
黙っている約束だったが、ゴジラによる惨状に耐えきれなくなった恵美子は、
恋人で南海サルベージ技師の尾形(宝田明)に話してしまい……。

60年経っても、災害、水爆実験、放射能、原子力と、
問題になっていることは何ら変わりません。
水爆実験のせいで姿を現したゴジラが1匹だけとは思えないという山根博士の言葉が、
続編をつくるためだけだとは思えず、未来を見越しているよう。

『パシフィック・リム』(2013)のエンドクレジットでは、
本作の本多猪四郎監督に献辞が掲げられていました。
世界中を虜にしたゴジラ、こうして劇場で観られてよかったです。

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