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野球の本を読む月間。〈その1〉

2015年07月22日 | 映画(番外編:映画と読み物)
4月末に飲みに行った折りにお借りしたあさのあつこの『バッテリー』。
私の野球好きを知るアラ還のお姉様が「ぜひ読んで」とのこと。
映画化された『バッテリー』(2006)はもちろん観ましたが、原作はなぜか未読。
1冊だと思っていたのに、借りてみれば怒濤の全6冊。
しかもそれとは別にサイドストーリーの1冊あり。

全部で7冊かぁと思うとなかなか着手できず、6月になってしまいました。
セ・リーグ6球団僅差で、いつでも地獄から天国へ、いや、天国から地獄へ状態。
高校野球の予選も始まることだしと、野球モードに突入。

『バッテリー』は残念ながらちょっと苦手。
貸してくださったお姉様に正直にお伝えしました。
中学生らしくない主人公たちの言葉にのめり込めなかったのがひとつの理由ですが、
著者のあとがきでこの作品への思い入れが強く語られすぎていて、
私の苦手な「がんばってるアピール」に近いものを感じてしまいました。
ただ、サイドストーリーの『ラスト・イニング』は、
脇役だった登場人物が高校生になり、年齢と言葉がグッと近くなった感があり、
本編よりもこのサイドストーリーのほうが好きです。

さて、その後も野球の本三昧。

中野渡進の『球団と喧嘩してクビになった野球選手』は第10回酒飲み書店員大賞受賞作。
著者は横浜ベイスターズ(現・横浜DeNAベイスターズ)に1999年のドラフト7位で入団。
2年目となる2001年には中継ぎとして60試合を超える試合に登板する活躍ぶり。
しかし2003年にはいわゆる飼い殺し状態になり、オフに戦力外通告を受けました。
本作はそんな彼の選手時代および引退後について綴った本です。

酒飲み書店員大賞を受賞したほか、『本の雑誌』が選ぶ2014年度文庫ベスト10の1位にも選ばれたらしく、
期待に胸を膨らませて読みはじめたのですが、う~ん、どうよこれ。
谷繁や小宮山など、多くの選手にまつわるエピソードは面白いものの、
物を書き慣れた人の文章とは言えなくて、引っかかることしばしば。
私は百田尚樹の著作を読むたびに、浅田次郎の文章の上手さを思い返していたのですが、
中野渡氏と比べれば、百田さん凄いぜと思ってしまいました。すんません。

次に手に取ったのは堂場瞬一の『大延長』。
TVドラマ化された著作も多い人気作家ですが、私は今まで読んだことなし。
ならばスポーツ小説コレクションのうち、野球ものしかないでしょう。

夏の甲子園の決勝戦。
公立の進学校と私立の強豪が闘うも、延長15回で決着がつかず、再試合にもつれ込みます。
本作はその再試合前夜から翌日の再試合までの人間模様を描いた小説。
両チームの監督は大学時代のバッテリーで、中心選手はリトルリーグのチームメイト同士。
再試合の解説者は両校監督の恩師で、咽頭癌に冒されています。
お互いの過去も戦術も知り尽くす彼らの闘いは、グラウンドの土を踏む前から始まっているのです。
爽やかな話ばかりではなく、嫌な駆け引きも織り交ぜた、かなり面白い作品でした。

ほかにもいろいろ読んだので、続く。

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